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境界の娘 ~人ならざるものと生きていくのも楽じゃないけど、それなりに楽しくやっています~  作者: 狐のボタン


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窓から差し込む陽の眩しさに睡眠の邪魔をされ、目が覚めた。

殆ど寝れなかった…。最後の記憶だと窓の外が白みかけていたし。


目の前には子狐丸のキレイな顔。本当に美形よね、この子。

昨夜は随分と好き勝手してくれたけどね…。


下腹部に感じる違和感と、まだ少しの痛みはあるけれど…動けないほどではない。

むしろ、少しとはいえ寝たはずなのに疲れが全く取れてないほうが問題かも。

子狐丸…本当に加減してほしい。私初めてだったのに…。


「瑠璃?」

「おはよう子狐丸…」

「瑠璃!」

起きるなり押し倒さないでよ…。まだ服も着てないんだから。

「落ち着きなさい。もうどこにも行かないし、私は貴方のものになったよね?だから朝からはやめて!」

「だって!」

「限度があります! 途中からもう無理って私は何度も言ったよね?」

「嬉しくて…」

「私も嬉しかったし幸せだったよ。でもね、本当に限度があるの。次の日に差し支えるから」

「ちょっと自重する…」

「いっぱい自重して!!」

初夜からこれでは身が持たない…。


「しばらくは休ませてね」

「え…?」

「毎日する気か!!」

「うん」

「お願いだから勘弁して。私死んじゃうから!」

「むー」

可愛くふてくされてもダメ! こっちの気も知らないで本当にもう。


先ずはシャワー浴びないと…。本当ならちゃんとシャワー浴びてから寝たかったのに、子狐丸が離してくれないから気を失うように寝てしまった。



シャワーを浴びながら昨夜の事を思い出すと下腹部の違和感が増す。

嫌…ではない。自身の体内が子狐丸に満たされた感覚は言いようのない幸福感だった…。

身を裂かれるような激しい痛みも比較的に早い段階で緩和されたし…。これは子狐丸が気を使ってくれてたからだと思う。

最初は本当に優しかったから…。

痛みが少し落ち着いて、こちらも子狐丸を気遣う余裕ができた時に、我慢してる感じの子狐丸を見かねて、”もう痛くない、平気“って言ってしまったばかりに………。

あんな事になるなんて想像できるわけがないよ!!


シャワーのお湯と一緒にポタポタと滴り落ちてくる交わった証…

「どうしよう…日付的に大丈夫だとは思うけど、この歳ではいくらなんでも早すぎるよね…。何か対策しないと」

子狐丸が自重してくれるといいけど、あの様子じゃ多分無理だと思う。

今まで我慢させてきた反動とでも言うのか、それを私は身を持って受け止める羽目になってる。

仕方ない、からかわれるのは覚悟の上で奈子さんに相談しよう…。


お風呂から上がり、子狐丸にもお風呂に入るよう言ったんだけど、なぜ嫌がる!

「身体から瑠璃の匂いが消えちゃう!」

「恥ずかしいこと言ってないでキレイにしてきなさい!!」

渋々お風呂に向かった子狐丸。


今のうちに布団も片付けないと…。

こちらにも色々と証が残ってる。目の当たりにするとまた思い出すからあまり見たくないけどこのままにはできない。…血って洗濯機だけでは落ちないよね…。

後でお風呂場で一度手洗いしてからかな。


洗濯物はいったんまとめておいて、朝ごはんの仕度。

時計を見ると結構な時間。いつもならとっくに奈子さんが迎えに来てる筈だけど…まさかよね?

こうなるのを見越された!?


遅い朝食を子狐丸と食べて、身体はだるいのに洗濯物に時間を取られ…。

ゆっくりできたのはお昼も過ぎてからだった。

「遅くなったし、お昼は簡単なものでいい?」

「うん。平気だよ。手伝おうか?」

「じゃあお願いしていい?」

二人で台所に立ち、子狐丸には炊飯器のスイッチを押してもらった。

「これだけ?」

「あとは食器を出してくれたら嬉しいかな」

「わかった!」

私は万能オーブンレンジとにらめっこの末、カツを調理。これ、本来はお惣菜やらの冷めてしまったカツをサクッとなるよう温めるだけのものなのに、カツが出てくるのは…。気にしたらだめだね。


あれ…? 炊飯器からいつもと違う香りがするのは気のせい?

子狐丸、設定を間違えたかな。あの炊飯器も多機能だし。そういえば違う設定を試してなかったな。

まあなにか炊けてるのならいいか。

市場で交換したキャベツを千切りにしてお皿に盛っていたら、レンジも炊飯器も出来上がりの合図。

お皿にカツをのせたら子狐丸に運んでもらい、お茶碗にご飯をよそおうと炊飯器の蓋を開けたら、まさかのお赤飯。

これはなにかとても高度な嫌がらせ?それともお祝いだとでも言うの?

子狐丸がわかっててやったとも思えないけど…。ま、いっか。美味しそうだし。

カツに合うかは別として…。


「美味しいこれ!」

「お赤飯?」

「お赤飯っていうんだ!」

「お米ともち米、後は小豆を入れて炊くものだよ。子狐丸がボタン押し間違えたみたい」

「失敗?」

「ううん。子狐丸が喜んでるのなら正解」

「また食べたい!」

たまにならいいか…。お赤飯にしたのもわざとではなかったみたいね。

お赤飯ってこっちのお祝いじゃなかったっけ?初めて女の子の日が来た時だっけ?

もうどちらでもいいけど、私にとってはある意味初めてを象徴するものになってしまった…。

お赤飯も初めて食べたし…。

やめやめ! 気にし過ぎるとろくな結果にならないからね。


結果としてお赤飯は子狐丸の好物になってしまい、お赤飯を炊くたびに私は色々と思い出して悶絶する羽目になるのをこの時はまだ知らなかった。









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