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境界の娘 ~人ならざるものと生きていくのも楽じゃないけど、それなりに楽しくやっています~  作者: 狐のボタン


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017



「おい、真面目な話をしてる横でテメェらはなしてやが…ぷっ…。 カワイイじゃねぇか。今日一日それで接客してろ」

雪乃さんはオーナーの顔を見て笑いながらそう言い、バシバシと背中を叩いてる。


ようやく我に返ったオーナーは何かわからず首を傾げてるけど、それすら面白い。

「ふか…じゃなくてオマエ! 武器庫の鍵、渡せ」

今、ふかくんって言いかけた。呼び方くらいは好きにしてくれていいのに。


「雪乃、そんなに大事なのか!?」

「んーまぁ、オレが行けばカタはつくだろうが、ちとこいつら連れてって鍛えてくる。実戦を体験させるってやつだ」

「あまり無茶させないでくれよ。よそ様のお嬢さんなんだから」

「ハッ…! 碌に親らしい事をしてねぇ奴らに遠慮なんていらねぇよ。 こいつはオレが娘として面倒見るって決めたんだ。それに、遅かれ早かれ身を守る手段は教えとかなきゃなんねぇだろ」

「…そうだね。 じゃあ、はいこれ」

オーナーは猫みたいなヒゲの顔で困ったように笑うと、雪乃さんに鍵の束を手渡した。


「瑠璃、狐。 実戦訓練だぞ!」

そう言ってニヤリと笑う雪乃さん。

私は一体何をさせられるのでしょう…。




大きくなった雪乃さんに”ついてこい“と言われて向かった先は、カフェの地下。

床下収納かな?と思っていた落とし戸は地下への階段だったとか…。

ちょっとワクワクしてしまうのは仕方ないと思う。だってなんだかヒミツ基地みたいなんだもの。


雪乃さんが鍵を開けて入った扉の奥は、私の住んでるアパートの部屋よりずっと広い。

コンクリートの打ちっぱなしっていうのかな、そんな感じの部屋。

パチンパチンとスイッチを入れる音が部屋に響き、連動するようにパパパッとライトがついていく。

「さてと…瑠璃でも扱いやすいのはどれだろうな…」

そう言う雪乃さんの方を見て頭が真っ白になった。

だって、映画とかでしか見ない様な武器が壁にズラーーっと飾られてたから。

やばい組織ですか?ここは…。



うちの実家にもあった刀とか、少し違うけど、クレー射撃に使う銃みいなのも。

後は本当に映画でしか見ない武器がいっぱい…。

「あの、雪乃さん。電話をお借りしてもいいですか?」

「ん? どこにかけるんだ」

「警察に…通報しなきゃと思いまして……」

「おいおい。瑠璃、お前はオレを…母親を警察に売るのか?」

「そんなつもりは…! ただ、ビックリしすぎてどうしたらいいかわからなくて…」

「あのな、刃物(ヤッパ)は本物だが、(こっち)はオモチャだ。 妖怪や幽鬼に効くようカスタム(いじって)はあるが、持ってて捕まるようなもんじゃねぇよ」

おもちゃ…? 

雪乃さんは”持ってみろ“と言って一つ渡してくれたから受け取る。

「軽い…。それにプラスチック…?」

「だからオモチャだっつてんだろ。 それにな、警察にもオレ達のことを知ってて、協力関係にある奴らもいる。だから心配いらねぇよ」

警察の秘密部署…。普段は窓際部署で税金泥棒とか仲間に言われてるけど、一番危険な仕事を陰ながらこなしてて街を守ってる…。

…っていう創作のお話を読んだことがあったけど、リアルにいるのは流石にびっくり。


「雪乃、本当に瑠璃に戦わせる気?」

「狐、お前が不甲斐ないからだろ。前回の事を忘れたのか? もしもに備えて短時間でも身を守れねぇでどうする。それに、瑠璃はそんなヤワじゃねぇよ」

「…わかった」

できれば私は戦いたくないし、普通の女子高生でいたいのですが。なんて…武器を担いで悪い笑顔の雪乃さんに言えるわけもなく…。


「よし、これなら瑠璃でも扱えるだろ。いいか?ここの持ち手を手前に引くだけのポンプアクションのショットガンだ」

「は、はい…」

「ソードオフになってて取り回しもしやすいから、瑠璃でも持ち運びに不便はないだろう。 こっちがホルスターな」

次々と説明され、渡されるものを受け取るので精一杯。


雪乃さんは嬉々として説明してくれるのだけど、ちっともわかんない…。

「こいつのモデルになったのはな、トレンチガンっつって…………」

「はい…」

「いいか? ここの持ち手みたいな部分をガシャンっと引いたら、あとは狙いを定めて撃つだけだ」

「はい…」

「本来はプラスチックの玉が飛ぶんだが、これは特殊な弾が撃てる。妖怪も幽鬼も当たれば一発で現世から追い払える。 瑠璃、聞いてるか?」

「は、はい! あの…もしこれが間違って子狐丸とか雪乃さんに当たってしまったら…」

「オレたちは問題ねぇよ。 オレの居場所はこのカフェだし、狐の居場所は瑠璃、お前の傍だからな。まぁ、ちといてぇくらいなもんだ」

よかった…。上手く扱える気がしないし、もしもがあるのなら怖くて使えなかった…。


その後は地下室で”特訓だ!“とか言われて、プラスチックの玉で撃つ練習が始まり…。

「あれ…意外と楽しい!」

「お、瑠璃もわかるか! いいねぇ! 娘と狩りするのが夢だったんだ!」

がしゃんと引いて狙いを定め、引き金を引くと、パシュっと飛んだ玉が金属の的にキーンと当たるのが意外に面白くて。


「瑠璃の意外な特技。まさかの百発百中…」

「褒めて褒めて子狐丸!」

「楽しそうで何よりだけど、そろそろ本題に入ろう。 雪乃…」

「それもそうだな。 瑠璃、一応オモチャとはいえ街なかで手に持ってると驚く人もいるから、ホルスターに入れとけ」

「はーい」

革製のホルスター?は私が借りたショットガンがすっぽり収まり、タスキがけに背負えるようになってて、すぐに取り出せるスグレモノ。

私もこれで活躍するのかな? フフッ…。










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