5話
「あら、ヨアナからだわっ!」
侍女の持ってきてくれた手紙の差出人を見たソワナ・ランドバーは喜色の声をあげた。
彼女はヨアナを特別ライバル視していた。
なぜなら当時まだ婚約者だった夫が夜会やパーティーに行くたびヨアナが美しいと褒めるため嫉妬してしまい、顔を合わせるたび酷いことを言っていた。
人の男に色目を使うな。顔だけだろ。貼り付けた笑みが気持ち悪い。
散々なことを言ったのに、ついにヨアナから笑顔を引き剥がすことはできなかった。
それどころか婚約者と共にいるところまで来て向こうから挨拶をし、彼が鼻の下を伸ばしてソワナを貶す言動を取ると彼女はこう言ってくれた。
『あら、こんなにもあなた様のために美しく着飾った女性に目がいかないなんて……病気かもしれんわね。目がおかしいのかもしれません、良い医師を紹介しますので一度呼ばれてみてはいかが?』
これに慌てた彼がそれだけヨアナが美しいと更なる言葉を告げると彼女は心底不思議そうに首を傾げた。
「わたくしが……? 婚約者のあなた様を恋い慕ってこんなにも努力されているドロワー令嬢よりも、美しい……?」
こう言って気を悪くする女はいないと思ったのだろう。夫は頷き更なるヨアナへの賛辞を連ねていく。
これをにこにこ聞いている彼女へソワナはやはり……と俯く。
まさか庇ってくれているのか、と感じたのにこの反応はやはり、自分を嘲笑いにきたのだと思い直した。
散々彼女へ罵詈雑言を浴びせたのに庇ってくれるわけがない。
こうしてあちらから寄ってきたのだってソワナへの意趣返しのために本気で彼を奪いに来たのかも……。
そう思うとソワナは自らの行いが悪かったのにもかかわらず、悲しくて堪らなくなった。
隣で恋しい人は他の女を称賛しているし、自分が横にいる意味は……?
自己肯定が下がっていくのを感じながら目の前が暗くなるのをソワナは他人事のように享受していると、スッと耳に入ってくる言葉があった。
「お話になりませんわね。あなた様はドロワー令嬢のどこを見ておりますの?」
その凛とした声に目前の雲が晴れる。
驚いて声の主を見れば微笑みながらも好戦的、まるで女騎士のような雰囲気をまとう令嬢がいた。
────ヨアナだ。
「わたくしがドロワー令嬢よりも美しいなんてこと、あり得ませんわ。どんな女性でも恋する姿は美しいもの。それは想われる殿方が与えているものでしてよ?」
いつの間にか周囲に人垣ができていた。
多くは婚約者を伴った女性で、中には壮年の夫人もいる。
数多の視線を受けていることに気付かないはずはないのに、それでもヨアナは怯むことなく言葉を続ける。
「ですのに、どの殿方にも恋をしていない。誰かに振り向いてもらう努力もしていないわたくしが美しいだなんて、そんなこと……あり得るわけがございません。ランドバー伯爵子息様、それでもなお……あなた様が美しくさせているドロワー令嬢よりもわたくしのほうが美しいと仰るのでしたら、それは彼女もあなた様自身のことも軽んじておられると申し上げるほかありませんわ」
どうですの? と視線で問うヨアナの宝石のようにきらめく紫の瞳に嘘はない。
だからこそ、この場にいる令嬢の心を一瞬で掴んだ。
一番の敵である、自分の愛する男性を奪っていく恐れのある人物がまさか恋する女性の一番の味方であったなんて思いもしなかったから。
この言葉に彼はやっとソワナのほうが美しいと言ってくれた。
それに対しヨアナは本当に美しい、優しい笑みを浮かべたのだ。
「そう、殿方はそれで良いのです。世辞は大事ですが行き過ぎては大事な女性も、ご自身の価値さえも傷つけ落としますわ。程々になさいませ」
そう言って優雅に片方のドレスを摘んで頭を下げて去ろうとするヨアナにソワナは「お待ちになって!」と追いかけた。
「……どうして、庇ってくださったの?」
本当ならそんなことする必要はなかったはずだ。
顔を合わせるたびに嫌なことを言っていた自分のために窘めてくれるなんて、どうしてそんなこと……。
そう思っていたのに振り返ったヨアナは不思議そうに目を丸くした。
「庇ってなんておりませんわ。いつもわたくしはあの方のせいであなたに絡まれておりましたから、苦言を呈したまで。……嫉妬はこちらにではなく、殿方に可愛らしく向けるものでしてよ?」
そう言って茶目っ気たっぷりに笑うヨアナは初めて見る顔だった。
嫌みを言う自分に悪意を向けるでもなく、その原因となっている男にきちんと婚約者を褒めろと遠回しに注意するなんて……。
こんなこと、他の女性では考えもつかないし実行もしない。
(なんて……なんて素敵な方なの……?)
隣にいる指摘されないと気付かない婚約者より、顔だけが、権力がある男性より……このヨアナ・ハークライトという女性が、とてもカッコよく見えた。
それは他の女性陣も同じようで、一気に自らの婚約者たちを置き去りにしてヨアナを取り囲めば口々に今までの行いの謝罪や親しくなりたいと純粋に望み、また彼女もこれらを快く受け入れる。
その光景を羨望の眼差しで見つめていたソワナはふと、自分はまだ謝っていないことに気付いた。
彼女を囲む誰よりもヨアナに辛く当たっていた自覚があるだけに許してくれるかどうかもわからない。
……けれど、ここで謝らないのは違う気がした。それだけはしっかりとわかった。
だからソワナは恐る恐るヨアナに声をかけ、消え入るような声で。しかし心からの謝辞を口にした。
するとヨアナは朗らかに笑って気にするなと言ってくれる。
「そんな過ぎたことなど、もういいですわ。それに、全身で羨ましいと叫ぶドロワー令嬢はとてもお可愛らしかったわよ?」
更にはそうからかってくるものだからソワナは恥ずかしさで顔を赤くし、周りの令嬢方は微笑ましげに「恋をすると誰しもそうなってしまいますわよね」と口々に言っている。
この時ソワナは羞恥心に駆られていたが、それでも気付いた。
ヨアナの寂しそうな笑い方に……。
「パーティーでの蛮行は許せませんが、それでも私はね……第三皇子様ならと、そう思いましたのよ」
彼女は……ソワナの大切な友人は“恋ができない”。
だからこそ、多少強引で一度番だと決めたものと結ばれなければ狂ってしまうという獣人が相手でよかったと、そう本気で思った。
ピシリア王国に生きる者としてではなく、友を心から思う者として、本当にそう思ったのだ。
「ヨアナ……あなたにも、いつかこの想いがわかるといいなと……そう思うのよ」
愛しい人を想う気持ちは優しいばかりじゃない。
時に苦しく、辛く……そしてひとりでは抱えきれないほどに悲しくなるときもある。
けれど、それでもなお……。
ヨアナには誰かを想う幸せを感じてほしい。
そして、それが叶ったときの喜びは一入なのだと、実感してほしい。
──大切な大切な、大事な私の親友。
あなたに、いつの日か降り注いで止まない幸福が訪れますように……。
「さて、そうなると私もウカウカしてはおられませんわねっ! ヨアナの幸せを潰そうとする不届き者には消えてもらいましょう!」
是非とも第三皇子にはヨアナを全力で落としてもらわなければならない。
なのにここに来てお邪魔虫とはいただけない。
「レリック! レリックはいませんのッ!?」
すっかり夫を尻に敷く女傑と成ったソワナは大声で愛しい人の名前を呼びながら、胸中でヨアナの心が守られていることを願った。
ヨアナの家は特殊だ。
王家の血を引いていることも一因だが、彼女に課された使命は心を殺すこと。私事に囚われないこと。
────つまり、愛する者を作らないことだった。
友人はいい。ただ異性で、恋愛に発展することだけは避けなければならない禁忌だった。
それはピシリア王国の安寧のため。
ただ、それだけのためにヨアナは恋を禁じられた。
常に考えることは国のこと。そのためならヨアナ個人の感情など重要ではない。
そう周囲が課した結果、ヨアナもこれが癖づいている。
一度だけ、本当に一度だけヨアナは恋をした。
恋とも呼べない浅く淡い憧れ止まりのものだったが、家族から叱られなければきっとそれはきちんとした初恋という名の思い出になっていたに違いない。そんな大事な想いの芽生えであった。
ヨアナは幼い頃旅先で会った黒髪の少年について母にこう告げただけ。
『黒い髪が光に反射してとてもきれいだったの! 物語の王子様はみんな金髪だけど、黒い髪も素敵ね!』
ただこの一言だけ。これが許されなかった。
母は顔を青ざめさせ急ぎ夫へ事の次第を報告すると父は憤怒の表情でこう言った。
『ピシリア王家の血を引いていながらそんなこと言うものではないっ! お前の婚姻は国のため、お前自身の気持ちは関係ないのだぞ!』
十八になったいまなら理解できる真意もまだ幼い子供には伝わらず、自分は誰を褒めてもいけない。恋をしてはいけない。結婚に夢見てはいけないと心に刻まれてしまった。
この言葉の意味するところは王女たちが嫁いでいた場合、もしくは敵国など危険な場所への婚姻だった場合はヨアナが身代わりになることもあるから恋をすると辛いだけだぞという……両親にすれば良かれと思っての発言だったらしい。
もう後の祭りだが。
それに自分が褒めた少年はいまにして思えば獣人だったのだろう。頭にクマの耳があった気がする。
ピシリアとバヤーシアは国交を絶やしていたが中立国もあったうえ、旅先はどちらかといえばバヤーシアとの交易が盛んだった気もするので両親はそれで余計に肝を冷やしたのだろう。
「ソワナは勘違いしているわね……」
この話をお茶の席でソワナにはしているため、彼女はヨアナが恋ができない……いや、“しない”理由を勘違いしているのだろう。
まさか、ヨアナが恋を信じていないとは思わずに……。
原因は確かに両親にある。彼らは自らの伴侶から心変わりをしたから。
いまはそれも過ぎたことで仲の良い夫婦だが昔……ヨアナが十歳の頃、父が知り合いの催しで出会った踊り子に熱を上げたことがあった。
これを嘆いた母も友人に連れられ占いに行った先で耳触りのいい言葉をくれる見目のいい若い男に執心し、危うく家庭は壊れかけた。
しかし実は母はその踊り子は怪しいと踏んで独自に友人と調べていたらしく、若い男は国の諜報部員で共に調査する仲間だったとすべてが終わった際にこっそり告白されとても驚いた。
件の踊り子は獣人の男に入れ上げ国家の情報を探るよう利用されていたらしく、そのために宰相の父に近寄ったようだ。
……そう、すべては父が悪かった。
子供の目から見てもとても仲がよく母を愛して止まなかった人が他の女へ心変わりした。
これはヨアナの幼い心に恋愛という目に見えない感情への恐怖と不信感を大いに抱かせた。
兄はこの家庭内事件をクソ親父事件と評して自らの恋愛に口出ししようとされるたびに脅して黙らせている。
ヨアナもこれぐらいできれば違ったのだが、幼い頃から淑女であれと教育されている弊害で変なふうに拗らせてしまった。
そしてこれを本人は微塵も気にしてはいない。
自分からの信頼を得られない男に問題があるだけで特段異性が嫌いというわけではないため、いつか信じるに値する相手に出会えるだろうと乙女らしく夢を見ていたりするのだ。
……それもレイエルのせいで叶わぬものとなってしまったが。
「忌々しい……っ」
思わず舌打ちが出そうになるのを寸前で耐えてヨアナは青い文字で書かれた手紙に改めて視線を落とす。
青は心配を意味する。
ソワナは怪しい令嬢の登場でヨアナが傷付いていないか、レイエルとは大丈夫か。そう心配しているのだ。
「……レイエル様との仲を心配されるのは意味がわからないけれど、この令嬢……そうなのね」
ソワナからの手紙によればエレンティアという少女はヨアナが王国にいた頃から既にロードヴァーグの家にいたらしい。
なんでも出奔したひとり娘の忘れ形見で事故で死した両親の代わりにと引き取りはしたがロードヴァーグの系譜に名は連ねていなかった。
孫と認められていなかった彼女が養女として迎えられた理由はヨアナ。
ロードヴァーグ伯爵はヨアナがバヤーシアに輿入れすることを大変怒っていたらしく、いつか国の役に立つ先へ嫁入りさせるべきとのことで今回の事態になったという。
「おかしいわね……。ロードヴァーグ伯爵とは何度かお話したこともあるけど、そんな浅慮で考えなしな行動する方ではなかったはずなのに……」
これについてはソワナも疑問を呈していた。
あの思慮深く落ち着いた伯爵がいくら腹が立ったとはいえ、こんなことをするだろうかと。それも先代帝王との約束だなんて愚かな嘘を吐くなんて。
「……きな臭いわね。エレンティアとロードヴァーグ伯爵の思惑は別で、彼女が勝手に嘘をついた? いえ、そうなると伯爵と不和になるわ」
彼女の出自がそもそも嘘だとしたらすべてが無に返す危険さえあるようなことをするわけがない。なら目的は……。
「…………私、かしら……?」
ピシリアにとって一番いいことはヨアナが国へ帰ること。そしてエレンティアがレイエルの妻に収まればそれは叶えられる。
…………でも国王は仲間じゃない。もし同じ考えなら最初から輿入れさせていないはずだ。
ならば国王に反発した計画ということになる。
「こっちはただでさえ大変なのに、更に迷惑なことまでしてきてんじゃないわよ……」
思わず手に力が入りソワナからの手紙を握り潰してしまった。
(どいつもこいつも勝手なことばかり……!)
バヤーシアへ来た当初の腹立ちとは違う意味でまた腸が煮えくり返る。
まさか母国の人間にここまで足を引っ張られるとは思ってもいなかった。まさか味方側から一番の迷惑をかけられるとは思ってもいなかった。
「クソ野郎共……見てなさいよ……ッ!」
バンッ! と力一杯テーブルを叩いて立ち上がるとヨアナは据わった目で頭に浮かぶロードヴァーグ伯爵に笑いかける。
「わたくしに迷惑をかけた罪は重いですわよ……。その償いは、しっかりたっぷり……していただきますわ」
ふふっ……と微笑んだヨアナはその顔のまま部屋を出てレイエルのもとへ向かった。
廊下でまるで幽鬼のような表情をしたヨアナと遭遇した使用人たちは皆揃って震え上がったのは言うまでもない。
それはレイエルも同じだった。ノックの後に顔を出した愛しの番の殺気立った香りと青筋を立てて笑っている表情に背筋が凍った。
ただ彼の場合理由は使用人たちとは違い、靴が断られたからとスリッパを拝借して先程まで匂いを嗅いでいたのがバレたのかと思ったのだ。
「……レイエル様…………お話、よろしいですか?」
瞳孔の開いた紫の瞳に見つめられたレイエルは今から処刑される心地だった。
けれどまだバレたかどうかはわからないため平常を装い頷く。
「あ、ああ……構わない。ど、どうした……?」
バクバクと心臓が恐怖に跳ねるも静かにソファーへ腰掛けるヨアナはなにも言わない。
責めるなら早くしてほしい……! と内心叫びたいレイエルだが黙って耐える。すると、ヨアナの可憐な唇が開いた。
「エレンティア・ロードヴァーグとロードヴァーグ伯爵の思惑は別かもしれません」
「は……?」
てっきりスリッパについて言及されると思っていたレイエルは一瞬理解できなかったがこの間の話だと察し、すぐさま気持ちを改めた。
先程までの気の抜けた表情が締まったのを確認したヨアナは自身も淑女の面を被り言葉を続ける。
「返事が来ました。それによると────」
ソワナからの手紙の内容を告げるとレイエルは深刻な顔をする。
「それが本当なら厄介だな……。ピシリアも巻き込んだ大事になる。……お前は大丈夫か?」
「え?」
「思惑はどうあれ利用されているだろう。悲しくないにしても不快ではないのか?」
レイエルの真摯な眼差しにヨアナは答えられない。考えたこともなかったからだ。
…………悲しい?
(国のために利用されるのは王家の血を引いているのだから仕方ないことでしょ……。なのに……)
確かに不快だった。でもそれは王が決めたことに異を唱えず裏で工作したからだ。
正面切って反対すればよかったものを既に事が終わったあとに厄介事として波風立てるその行為こそが、ピシリアにとっての命取りになりかねないことだから……それだけだ。それだけでなくてはならない。
だって私は“そう”だから……。
「…………」
「ヨアナ?」
呆然とするヨアナにどうしたのかと革張りのイスから腰を上げ近づこうと足を踏み出したとき、唐突に扉が開いた。
「レイエル様ぁー!」
独特な話し方。甘えた声色。特徴的な大きな二つのリボンとともに水色の髪をした人物が入ってきた。
エレンティアだ。
「もうー! やっと見つけましたぁ……かくれんぼなんてヒドイですよぉー?」
「…………貴様、誰の許可を得て入室した」
ヨアナが聞いたこともない低い声でレイエルが告げるも、番である彼女には聞こえていない。それはエレンティアの甲高い耳に障る声さえもだ。
(国のために利用されるのは……普通のことではないの……?)
では、普通はどうなのだろうか。
他の令嬢は……私的な感情で動けるのだろうか。
「悲しいって……なによ」
“そう”できない自分は普通ではないということか。
悲しむこともせず、それを“普通”だと享受する自分は……なんなのだろう。
(仕方ないことでしょ、王家の血を引いているのだから。事あるごとにこうして口実にされて利用されることだってあるわよ)
だからなんだと言うのだろう。
それを嘆いてなにになる? 国のためになるのか?
──この考えがもう、普通からはかけ離れているのだろう。
だとしても……。
(これが私よ。利用されるとしても、それ相応の報いを受けさせてやると決めた。これが私)
ヨアナは瞼を閉じる。
レイエルの言葉で弱い自分が……弱かった自分が顔を出したが、迷う必要はない。
────もうとっくに、答えは出しているから。
ヨアナは小さく深呼吸をする。
乱れた心を鎮め、いつもの“淑女の鑑”になるために。
次に目を開けたとき、ヨアナは自分を閉じ込めて冷静に相手と対峙する。
「……あら、あなたこそどちら様かしら? レイエル様の番であるわたくしが、既に婚約者であり実質的な妻なのだけれど……」
目を開く刹那、耳に入ってきた自分が誰かを問う声。
それに答え、意志の強い眼差しで相手を──エレンティアを見つめる。
「わたくしはヨアナ・ハークライト。あなた様と同じ、ピシリア国の者ですわ」
にっこりと優雅かつ余裕を醸し出して笑うヨアナの姿はどこにも隙がなく、立派な令嬢──いや、姫とさえいえる風格だった。