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魔法使いの相棒契約  作者: たるとたたん
四章 枯葉に眠る真実の歌
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✤ 第63話(前編):委員会は何にしよう





 

 



「おはよう菜乃花(なのか)千鶴(ちづる)

(のぞみ)、めい! 2人ともおはよ〜、時間被るなんて珍しいね」



 千鶴と一緒に部屋から出ると、隣からも扉の音。2人も私たちと同時に部屋から出て来たみたいで、めいの言葉に千鶴がにこやかに言葉を返した。いつもなら2人のが先に大食堂へ居るけど、今日は少しだけ希が寝坊をしたんだとか。

 

 そう言えば寝坊で思い出したけど、最近光の魔力さんが夢に出てこないんだよなぁ。ハロウィンの時みたいにもならないし……そもそもどう言う原理で喋れるのか分かんないから、対処法も無いんだけど。話したい事は沢山あるのに、そういう時程出てきてくれないものだ。

 私は小さく息を吐きながら、4人で白寮の扉をくぐった。


 今日は始業式から1日経った朝……つまり授業が始まるんだけど、その前にまずは委員会や係なんかの決め事をする。その次の時間には決まったやつでの集まりがあるんだとか。係はクラス内だけど、委員会は3年生(小6)と一緒だ。

 係決めをするのは去年と同じ流れだけど、私は何をやるかをまだ悩んでる訳で。



「ねぇ〜。今日の係決めって、みんなは何やるか決めてるの?」



 魔法学園では、委員会が始まるのは2年生(小5)から。去年からある係の種類や参加人数を減らして、今年からそっちに行く人を増やすらしい。強制じゃないけど、去年やってないやつを選んだ人は優先だとか。

 試しに花柳(はなやぎ)へメッセージを送ったら、即答で『図書委員だけど、春風は決めてないの?』と返された。言われた通りで未だに決めかねている私は、試しに3人に聞きながら食堂までの時間潰しをする事にした。



「私は美化委員会かしら。校舎が綺麗だと気分が良いし、掃除するのが好きなの」

「確かにめいって綺麗好きだもんね、超天職だよ! 希はもう決めた?」

「う〜んちょっと悩むけど……やっぱり新聞係かなぁ。去年やってて結構楽しかったんだ。ちーちゃんも去年と同じにするんだっけ」

「掲示係・黒板係・配膳係で悩んでる……」

「ちーちゃん、それ全部やりたい人多いやつだよ」

「だよねー勝たないと倍率ヤバいっ!!」



 案外3人とも目星は付けているらしく、質問にすっと言葉を返されて少し驚いた。もしかしたら、クラスメイトで未だに決まってないのは私だけかもしれない。希と同じで去年と一緒って選び方をするなら、教室の行き来で節電を管理する『電気係』だけど……実は、気になっている委員会が1個だけあるんだよね。

 私が腕を組みながら歩いていると、めいがこちらに顔を覗かせながら問いかける。



「そう言う菜乃花はどうするのよ、やりたいやつは決まってるの?」

「あはは、私も悩み中……」

「大丈夫だよなのちゃん、まだ決めるまでは時間あるもん」

「だね! もうちょっと考えてみる」



 卒送会でも折角いつもやらない事にチャレンジしたんだし、進級記念って事で委員会に立候補してみようかなぁ。




 *




「という事で、体育委員長になった秦野(はたの)愛奈(まな)です! 早速だけど来月からは体育祭が始まるから、みんなで協力しながら張り切って頑張ろ〜うっ!」



 オーっと言う叫び声と一緒にみんなが拳を上げたり手を叩いたり。私もそれに合わせるように、小さく拍手をした。秦野先輩……ダイヤ()クラスだから直接話した事ないけど、去年の体育祭リレーでアンカーを走ってた人だ。頭の上にある大きなお団子髪は、いつ見ても可愛いし技術がすごい。

 そんな歓声に包まれる中、男子側で選出された陽太が隣からこっそり耳打ちをした。



「体育委員って、めっちゃ元気なんだな」

「ね〜、漫画でよく見る〝運動部〟って感じする」



 陽太と私はクラスでも特に「運動好き」って言って来たから、体育委員に手を挙げたのは全員納得だったらしい。他にやりたがってる人も居なくて、案外あっという間に決まってしまった。千鶴は倍率やばくて10人ぐらいでジャンケンしてたけど、あいこが20回続いた時は流石にクラスも盛り上がったよ。

 体育祭では体育委員会で係が別れてて、クラス毎の応援団長・得点管理や整列案内・放送委員の手伝い・他にも色んな事をするみたい。小学校の委員会は2学年だから、全部で14人だけど……。



「それじゃあ、まずは全員の自己紹介して……その後は、早速委員会内の役割と体育祭の係を決めてくよ。2年生は初めての委員会だから、分からない事は気軽に言ってね!」



 新学期って決め事が多くて、中々に大変だ。自己紹介上手く出来るかなぁ……うぅ、自信無さすぎる。良く考えたら私って、先輩と話した事とか殆ど無いし。

 少し心臓が早くなってきた私は、おまじないを手に書いてから心の中で永遠と唱えていた。少し乾く喉には水を流し込んで、気持ちを落ち着かせる。なのにいざ順番が来たら「ハイッ! 2年火組(ひのくみ)、春風なのぎゃでゅぅ!」と、訳の分からない噛み方をした事については……人の記憶を消す魔法を作りたくなるぐらい、新学期早々最悪の気分だった。



「菜乃花、ドンマイだ。元気出すんだぞ」

「慰めないで下さい陽太さん、私すごく惨めになります」



 体育委員、今から辞退して良いですかね。

 







 

 

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