08
マジギレしてくれましたよ、予想通りに。
いや、予想以上、かな。
でも、せっかくのご本人登場なのですが、
目の前にいるのに全く正体不明。
小柄な身体にだぼだぼローブ、
そのフードを目深に被っていて、お顔が全然見えないし。
どうやらあのローブは隠蔽付与バリバリ、
目視では種族・性別等、一切認識不能。
声の感じから、お若い女性だろうとは思うのですが。
それで、どちらさまです?
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俺たちを監視していた、このちっちゃなお姉さん、
お名前は、モルガナさん。
この監視任務は臨時の頼まれごとで本意ではないそうです。
ご本人曰く、本来の職業は"導き手"
なんだかクドいくらいに、占い師じゃなく導き手だって力説してますが。
実はカミスさんやロイさんとも交流があって、
そして何と、鏡の賢者さんの近しいご友人。
今回の監視任務も、鏡の賢者さんからお願いされたのだとか。
あー、いよいよあちらから本格的に接触してきましたか。
でも、なんで鏡の賢者さんご本人じゃなくて、モルガナさんが監視を?
「世界をどうこう出来るトンデモ能力を何しでかすか分からん子が持っていて、危なくてしょうがないから見ててあげてっていう、けんちゃんらしい気配り」
「忙しくてしばらくは来られないそうだから、私が代理」
うん、まあそうなるよね。
そもそも、世界の歪みを手直しするのが鏡の賢者さんのお仕事ですから。
当然、俺みたいなイレギュラー系不審者なんて、
この世界の安寧のためにも野放しに出来ないだろうし。
って、けんちゃん?
「本人が希望している呼び名」
「カミスさんもロイさんも、親しい人たちはそう呼んでいる」
へえ、なるほど。
もちろん、重要な監視任務を託されたモルガナさんは、
鏡の賢者さんと凄く親しい間柄なんですよね。
「他の人たちより、付き合い長いし」
鏡の賢者さんって、確かこの世界が出来た当時から、
ずーっと管理してくれているのですよね。
ひょっとしてモルガナさんも、長命種族さん?
「……」
あー、申し訳ない。
女性に年齢絡みの質問は、無礼千万でしたね。
「……困った」
いえ、不粋な質問しちゃった俺が悪いのです。
本当にごめんなさい。
「いや、そうじゃなくて」
「これほどまでにわけ分からん子だと思っていなかったので、かなり困っている」
いえいえ、よく言われますよ。
わけ分からん系不審者の世界ランキングでもトップクラスだって。
「違うってば」
「"導き"出来ないってこと」
はい?




