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06


 オリベラの街から結構離れた場所にある名も無き大草原。


 そのヒト気の無い場所に、いつものごとくマイホームを設営。



 実は、誘っております。


 ヤツを。




 チミコさんが街で感じていた鋭い気配、


 街の外で確かに俺も感じました。


 悪意こそ感じなかったけど、流石にアレは放置出来ないでしょう。


 本当にほんの一瞬だったのに、圧倒的な圧を感じたのです。


 そう、敵意や悪意では無く、"圧"



 あれほどの手練れと何かコトを構えるなら、


 周囲の被害うんぬんに気を遣う余裕は無いと思う。


 それで、決戦の地として選んだのが、この場所。



 そう、ヤツタカ シジマ決戦モード移行完了のお知らせ。


 今回の俺は、本気です。




『でもシジマさんって、今まで本気で闘ったこと、無いよね……』


 チミコさんのおっしゃる通り。


 安全第一のんき旅ばかりだった俺は、今まで限界突破のマジバトルは未経験。


 先日のオリベラダンジョンも、結局アノザマでしたし。



 でも、"窮鼠猫を噛む"って言うくらいですから、


 むし歯ゼロが自慢の俺なら、そりゃああちこち噛みまくってやりますともさ。




「それで、どうして私がこの衣装を……」


 そう、まさにその衣装こそが今回の作戦のキモ。



 ツェリアさんがそれを着ていることで、


 いや、それを着たツェリアさんと俺がイチャつくことこそが、


 逆鱗に触れたヤツを誘い出す、最強の武器にして最大の罠となるのです!



「……」



『……』



 結構キマすね、そのまなざし……




 ---




 俺なりに、真剣に考えてみました。


 ハンパ無い隠密力の凄腕監視者が、時おりガードが甘くなる瞬間がある理由。


 あの強烈な気配を思わずお漏らししちゃう、きっかけは何なのか。



 あの"圧"に俺が気付けたのは、2回。


 その2回とも、俺たちが話題にしていたのは、"お胸"


 しかも、お胸の豊かさについて語っていたとき。



 そう、ヤツはきっと豊かなお胸に対して、


 何らかのトラウマを抱えているに違いないのです。


 隠密が解けてしまうほどの抑えきれない感情の爆発を誘発させる何かを。



 ならば、思いっきり見せつけてやれば良いじゃない。


 ヤツがブチキレざるを得ないほどご立派なモノを、イヤと言うほど。




 ってことで、この作戦の鍵は、ツェリアさんの"お胸"



 それで、作戦にマッチした素敵な衣装をチョイスしようとしたのですが、


 うちの奥さんって、ほら、超真面目さんですから。


 お胸を必要以上に強調するような扇情的な衣装なんて、


 持ちあわせていないのです。



 でもね、この異世界の神さまは俺たちを見捨てたりなんかしませんとも。



 先日、ロイさんのお宅を訪問した際、


 俺がアリシエラさんからこっそり手渡され、


 あまりのヤバさに秘匿していたプレゼント。



 ツェリアさんの素敵なメイド服姿にインスパイアされて、


 興奮のあまり夜なべして完成させたという特別な逸品。



 それが、"寄せ上げへそ出しミニスカメイド服"!



 あのただでさえ豊かなお胸が、寄せ上げされちゃって激しく造山活動!


 胴部布地大幅カットがもたらした大成果、くびれもおへそもまるっとまる見え!


 メイドスキーな皆さまにも賛否両論間違い無しであろう限界突破な超ミニスカ!



 ……ありがとう、アリシエラさん。



 あなたが神か……




 って、どんだけ多才なんですかね、アリシエラさん。


 天才魔導具技師・天才建築士・天才裁縫士、それに怪盗の心得まであるとか。



『時間さえあれば、それ以外にもいろんな成果をお披露目出来ますよ』


 というご本人の言葉は、自慢ではなく事実のカミングアウト。



 アリシエラさんのような、努力を忘れない本物の天才って、


 俺みたいな凡人には計り知れないポテンシャルを秘めているのですね。




 それって、いかに異世界とはいえ盛り過ぎじゃね?


 なんてご意見があるやもしれませんが、


 そもそもロイさんのご家族は、いずれ劣らぬ天才・達人揃い。



 不肖シジマ、激しく納得せざるを得ないのです……



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