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狭い街道を通り、目印の大岩を抜けて、深い森の中を進む小道へ。
えーと、たぶんこの辺りだと思うんだけど……
「ついさっき結界の壁を通り抜けた」
流石はモルガナさん。
敏感肌乙女ですね。
「……」
もちろんツェリアさんが敏感肌人妻だってことは、
俺が誰よりも知ってますよっ。
『私も敏感肌!』
……ですね、チミコさんも敏感肌ですよね、たぶん。
性格の方はかなりの鈍感乙女ですが。
『妖精差別反対!』
いえいえ、このヤツタカ シジマ、
生まれてこのかた差別とは無縁の、無差別級紳士人生一直線。
獣人さんに姫騎士さん、街娘さんから村娘さんまで、
選り好みせず幅広い博愛をお届けしちゃいますから。
「それで良いのかな、奥さま」
「それがシジマさんですもの」
流石はツェリアさん、これぞ夫婦一心同体。
まさに、おしどり夫婦ならではの、らぶらぶマキシマムな信頼感。
『おしどりに謝れ!』
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ってな感じで緊張感皆無に進んでいると……
『驚き 滝の木 妖しい木!』
ちょっと、チミコさんっ。
あの木は精霊さんのお住まいなんですから、妖しいなんて言っちゃ駄目でしょ。
森を抜けて着いたところは、広場っぽい開けた場所。
中心にそびえるあれこそが、まさに噂の"滝の木"
それにしても大きな木ですよ。
話しに聞いていたよりも立派な大木、
いや、大樹。
その太い幹の、目線よりちょい上くらいの高さのうろから、
綺麗な水が滝のごとくざんざか噴出しております。
まさに"百聞は一見にしかず"
これにはレンタローも仰天間違い無し。
「本当に不思議な場所、いえ、聖域ですね」
「その聖域の厳かな雰囲気が、シジマさんの解説のせいでいろいろ台無し……」
何をおっしゃいますやら、モルガナさん。
"どんな時でもボケとツッコミを忘れずに"
それこそがシジマ家の家訓にして座右の銘。
愛と勇気だけが友達だなんて、寂し過ぎるでしょ。
「とりあえず、お茶にしません?」




