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街道を、家族みんなで、てくてくと。
行き先は、チミコさんからのリクエスト。
どうやら、フィナさんの故郷がこの近くの森にあるらしくて、
詳しい場所は不明だけど、とりあえず行ってみようってことに。
フィナさんは『滝の木』の妖精さん。
結界に守られた静かな森の中でひっそりと暮らしているという、
『滝の木』の精霊さんから生まれたそうです。
精霊さんの結界の中での穏やかな暮らし。
ひょんなことからロイさんと知り合い、
世界をもっと知りたくて故郷を離れ、
今はロイさんのお知り合いのところを自由に巡り、
ふわふわふわりと暮らしているのです。
ふむ、実に妖精さんちっくな、素敵に自由な生活。
それにしてもさ、
よそ様の子と比べるのはあまり褒められた行為じゃないかもしれんけどさ、
ほんと、うちの子ときたら……
『何か問題でも?』
……いいえ、何も。
「ロイさんから大体の場所は聞いているから、近くまでは行ける、はず」
「『滝の木』の精霊さんが結界に入れてくれるかどうかは、別問題」
頼りにしております、モルガナさん。
でも、きっと大丈夫ですよね。
うちのチミコさんだって、曲がりなりにも妖精さんですし。
『自慢じゃないけど根性曲がりナリ!』
……自覚、あったのね。
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道中は、のんびり楽しく安全に。
徒歩の旅にも文句ひとつ言わずについてきてくれるモルガナさん。
何と言いますか、すでに我が家のノリにイイ感じに馴染んでくれております。
基本的にはもの静かなお姉さんなのですが、
ツッコミのタイミングだけは絶対に外さない、みたいな。
もちろん、ツェリアさんのお料理にメロメロ。
ってか、ツェリアさんにメロメロ。
うん、その気持ち、よく分かります。
たぶん、モルガナさんの方が遥かに歳上なんだろうけど、
甘えたくなっちゃう気持ちって、そういうのとは別ですよね。
「人は誰しも、自分にないモノに憧れと畏敬の念を抱く」
「ただし、そういうのはトラウマスイッチにもなり得るので、要注意」
なるほど、納得。
その節は、トラウマスイッチを連打しちゃってすみませんでした。
「分かればよろしい」
「ふむ、シジマさんが妙に上から目線なのは、妻帯者の余裕だけじゃないっぽいのが分かった」
「その余裕たっぷりならぶらぶ過量感こそが、他のジゴロ系召喚者との大きな違い」
「みんなに報告せねば……」
ちょっと、モルガナさんっ。
シジマ家と同行する以上は、もう既にがっつり家族なのですから、
必要以上の情報流出は家長として見過ごせませんよっ。
あんまりおイタするようなら、
『創造』で"丸見え透視メガネ"とか作っちゃって、
フードの中の素顔を情報流出させちゃいますからね。
「宣戦布告上等、当方に迎撃の用意あり」
「アレしてコレして、社会的に抹殺……」
「ふたりとも、ケンカはいけませんよ」
「聞き分けのない子は、しばらくおやつ抜き、です」
「……ごめんなさい」×2




