桃色の桃がそこにある
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ある日、川から大きな株が……。
こほん。
大きなももんがが流れてきました。
どんぶらこ どんぶらも
何やら背中にうごめくものを載せています。
株を手にしたままの少女が……。
こほん。
蕪を手にしたままの少女が、ももんがのしっぽをむんずと捕まえました。
左手に蕪、右手にももんがのしっぽを捕まえて少女は叫びました。
「抜けた。みんな、今日のご飯はももんがと蕪のスープよ」
蕪の反対側の葉っぱを握りしめていたおじいさん、おばあさん、いぬ、ねこ、にわとり、こども、おにいさん、おねえさん、おとうさん、おかあさん、うさぎは一斉に手を離しました。
「待った。それは泣いているよ。スープにするのはかわいそう」
そういったのは、こどもです。少女はぷいっとそっぽを向いて、蕪とももんがをひきずりながら家へと向かいます。
「待っておくれ、そんな大きなものを調理できる鍋はないよ」
そういったのは、おばあさんです。
少女はそれには立ち止まりました。ちらりと皆の方を振り向くと、「そうね」と考えるように空を見上げました。
「大丈夫よ。包丁を外に持ってきて、みんなで料理をしましょう」
そう言われて真っ青になったのは、いぬ、ねこ、にわとり、うさぎたちです。
おじいさんは「おいしそうだな」と言い
女性たちはいっせいに眉をしかめて、「やめなさい」と声を揃えて叫びました。
そこに、ころりとももんがの背中から何かが転がり落ちてきました。
じたばたと手足を動かしているのは、女の子の赤ん坊です。
「あら、一人増えたわ」
少女は呟いて、蕪を手放し赤ん坊の足を掴んでももんがの背の上に放り投げました。
「やめなさい」
「やめましょうよ」
「おやめんさい」
おかあさん、おねえさん、おばあさんがそう言い、こどもが泣き出しました。
おじいさんとおにいさんは舌なめずりをして、おとうさんが困ったように頬をかいています。
動物たちは、そろりそろりと少女から離れようとしましたが、少女は素早く彼らを抱きしめました。
「お料理、手伝ってくれるわよね」
にっこりと笑う少女の目に動物たちは凍り付きます。
少女は動物たちを抱きしめたまま、蕪をもう一度掴み、家の前まで来ると蕪も動物もももんがも放して、包丁を取りに家の中に入りました。
おかあさんはこどもの目を覆って、うずくまります。おばあさんは顔を背けて、距離を取りました。
おねえさんだけが「やめなさい。おいしくはないわ。他のものにしましょう」と家の中の少女に語り掛けています。
動物たちは少女が手を離した途端に、逃げ出していました。
うさぎは脱兎のごとく逃げ出し、ねこは身軽に木の上に、にわとりも逃げようとはしていますが、飛ぶことも走る事も苦手で距離が取れていません。
いぬだけが律儀にその場に座り込んでいます。
やがて、少女が戻ってきました。
にわとりを捕まえ、うさぎを追いかけ引きずり戻し、ねこにはまたたびで呼び寄せました。いぬには骨を与えて褒めました。
いぬは与えられた骨を咥えたまま、喜びもせずにじっとしていました。
やがて、大きな音が響き、川が夕日色に染まります。
もう、誰も何も言いませんでした。
陽が落ちて、当たりが暗くなったころ、ようやく少女は料理を作り終えました。
おじいさんとおにいさんはそれを美味しそうに平らげ、おとうさんはゆっくりとそれを口に入れました。
おばあさんは具合が悪いと家に入り、おかあさんとこどもは料理が出来る前に家から離れていきました。
おねえさんだけがそれを見ていましたが、テーブルにつく事も食事をする事もありませんでした。
おじいさんとおにいさん、おとうさんの食事が終わると、少女はおいしそうな桃をとりだしました。
「今日は柔らかくて美味しい桃なのよ」
楽しげにそう言う少女は、ふと気が付きました。
「でも足りないわ……」
少女はじっとこちらを見てきます。
「ねぇ。そこのあなた、そこにモモはないかしら。そうプルンプルン揺れている桃。
たぶんこの作品の上と下にある時もあるのだけど……今日は出ている?
え?
何のことか分からない?
ほら、そこに揺れている女の子の胸やお尻よ。
あなたはそれを見たくて来たのでしょう?
文章なんて読んでいないくせに。
どうぞ揺れるお尻と胸を堪能していって。
出来ればこちらに渡してもらえると嬉しいのだけど。
それともあなた自身のお尻でもいいのよ。
この子の桃よりは固いでしょうけど、我慢するわ……