3月19日
親から怒られた。実の娘ではない赤の他人な訳だが、モヤモヤしてしまうのは仕方ない。この金髪褐色碧眼の少女の性格に近付く重大なイベントでもあった訳だが。この話は後にして、まずは時間を追って書いていこう。
朝は楽しいお出かけだった。お参りへいく、行きは古代の首都へ行った時同様の魔法陣。帰りはこの世界の公共交通機関と思しき物に乗った。街の様子を見ることができ、これは非常に興味深い体験であった。先日の買い物の時とはちがう景色を見ることができたので、いずれ、じっくりとまとめて書くつもりだ。
お参りについて書く。元の世界でいうと神社だ。自然と調和した神殿、神々をかたどった像を目にした。神々の形は人型のものもあれば、動物、変わったものではお鍋。まさか日常使いの道具が信仰の対象となるなんて考えたこともなかった。奇妙なものを信仰するからといって彼ら、この世界の人間を馬鹿にしてはいけない。
なにせ今回訪れた場所は山1つを丸々、祭礼の地へと作り変えたものだったから。建物も石造り、木造と様々であった。いずれも高度な技術がなければできないものだ。
奇々怪界、異形を目にしたが、中でもまず元の世界で見ることがないと思ったものは、ビャッコヨと呼ばれる細長い胴体をした犬だ。此は信仰の対象になっていると同時に貴婦人が連れていた生き物でもある。人間と密な関係にある存在なのだろう(だから犬と記した)。
体は手足の生えたヘビのようで、最初見た時は襲われやしないかと思わず警戒してしまった。虎のような横縞の模様が入っていた。耳は猫のように尖っていて、長い尻尾があった。
一通りぐるっと回ったが、時間にして3時間ほどだっただろうか。体感なので正確ではない。
帰りはこの世界の公共交通機関と思しきもの。生き物を使った乗り合いバスを使用した。空間転移魔法があるからといって、乗り物が廃れることはないらしい。いや、移動の意味が変わって洗練されたというのが答えだ。
実にゆったりとしていた。移動それ自体のために移動する訳ではなく陽の光を浴びて気分をリフレッシュし、良い景色を見たり人と話したりすることに重きが置かれていた。この帰り道についても、また別の機会に記すとする。
冒頭に書いた、親から怒られたこと。
今日の主題はこれだ、時間は昼飯の時に起こった。
もともとの親との関係が分からないので、実をいうと雑学などテレビで知ったような話題を除けば話という話はしてこなかった。少女の個人情報でもある訳だし。話すことで中身がちがうとボロが出ても困ると考えていたからだ。
だが、かえって、それが今まで通りだったのかもしれない。これまで日記を読んだりして、少女にどんな過去があったのかを知る事はしていたが対人関係の細かなことは書かれていなかった。出来事や感じた事が軽く描かれている事が多かったからだ。
父親に言われた事。
「どうしてお前はいつも、いつも言うことを聞かないのだ!」「たまには言われた通り、素直になったらどうだ?」
母親は黙っていた。
具体的なことは書かない。これから考察をしないといけないからだ。余計な思い込みで間違ってしまう可能性もあるので書かない。父親は娘を躾けたがっているのか。あるいは…