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3月12日(14日微加筆)

目が覚めた・・・今何時だろう。日が高いのが分かる。かなり寝てしまったようだ。身体が重い。

3年前、爺さんの介護で象のように太く、そして重く冷たくなった足を半分に割った竹の上で動かして血流を少しでも改善してやろうと最後の足掻きを試みたことを思い出しながら、少女は足を曲げたり指を折ったりした。


昨日から日記を書き始めたのはこの世界に慣れてしまうと、自分が本当は何者だったのかを忘れてしまう気がしたからだ。メモをするのは昔からの癖なので苦痛に感じることはないが逆にあまりにと書き慣れていた大切な事を記録できていないこともあると思う。

紙は貴重なものなのか分からないが、人に見られてしまう事を考えて日記はスマホにつけている。

あ、スマホと呼ぶのは充電不要の通信機能付きカメラのことで、カメラの他に簡単なメモ機能や連絡機能が備わっているのだ。


それにしても足よりも肩の方が痛い。記憶にないので、転生以前の出来事だと推測する。重たい荷物を持って長時間歩いたに違いない。昨日、鏡を見た時気になったのだが肩のところに細かい傷がついていた。鞄が擦れたように赤くなっている褐色の肌は痛々しい。こういうのは良くない。

せっかく生まれ変わったのだから自分は大切にしようと思う。心が死んでしまっているので、頭でその方が良いと判断しただけのことだが。金髪褐色碧眼のこの美少女の体は、あくまでも借り物という気がする。

昨日、自分の姿を確認した時、初めて目にした碧眼にこんな自分でも少しワクワクする気持ちを思い出したような気がした。


学校の再開にはまだ日があるらしい。

母に呼ばれて朝食を食べる。10時を過ぎているので軽めにした。食べてすぐ、昼飯の買い物に行くよう言われた。ハンバーガーを食べた。現実世界でいうマクドナルドのようなチェーン店だった。

別邸の掃除をするように言われ、夕方まで掃除をした。掃除のコツはこれから使う場所を意識して、その周辺を綺麗にするところから始める。こうすれば使用に不便がないからだ。そして次に目につく場所の汚れを落としていく。ぱっと見で小さな埃が目立たなければ十分だ。細かなところは気にしなくても良い、どうせ使っていくうちに汚れるからだ。


掃除に夢中になってロフトの木組みに頭を強くぶつけてしまう。夕飯時に怪我をしてることに気づいた母が消毒液を塗ってくれた。こんな自分に優しくしてくれて感謝しかない。自分の娘の中身が赤の他人のオッサンだと知ったらどうするだろう?

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