33. 四国大会 本戦 決勝 前
1日経って漸く敗戦の傷が癒えました。
想像以上にコスタリカが上手かったですね。
日本 vs コスタリカ|グループE|FIFA ワールドカップ 2022
https://abema.tv/live-event/0d62c9f4-e09a-4f22-bc6c-8ff450280d99
準決勝をまたもや俺の活躍により完封勝利したところで、昼飯は本大会の主催者が用意してくれたお弁当を食べた。久しぶりに鯛飯を食べたが美味しかった。
さて昼食からいい具合に時間も経ち、いよいよ決勝戦。相変わらず相手の観察と行動予測で時間を潰しながら試合開始を待つ。
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FW:11番 火暮 真(1年)・9番 栗田 茂(2年)
MF:8番 土御門 辰馬(1年)・7番 石川 颯太(3年)・6番 木谷 楓悟(3年)・5番 中野 瑛士(2年)
DF:12番 佐藤 大地(1年)・4番 金田 望(2年)・3番 渡辺 一郎(2年)・2番 石清水 八幡(3年)
GK:1番 葉隠 和義(1年)
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味方の編成:DF-MF-FW=4-4-2
相手の編成:DF-MF-FW=4-3-3
国松先輩は準決勝で香川のDFくんの膝が背中にぶつかったため欠場。スポーツだからね、怪我はよくあることさ。その代わりとして佐藤がDFに起用された。これは準決勝で徹底防戦することになったせいだろう。それ以外に思い付かないし。
というわけでキックオフ。石川先輩が木谷キャプテンにボールを転がすように渡すと、受け取った木谷キャプテンは微塵も躊躇わずに足を振り抜いた。ロングボールで前線の奥深くまで貫いたサッカーボールは撃手の狙い通りとはいかず、残念、味方が追いつく寸前で相手にキッチリとカットされてしまった。
ボールをカットした相手MFは相手DFにボールを下げ、そのまま相手キーパーにまで戻した。国松先輩がいたらキーパーにも詰め寄りプレッシャーをかけるところなのだが、生憎火暮と栗田先輩はそうせずに中央付近まで戻っていた。相手キーパーはボールを足で転がしながら、相手FWや一部MFがサイドに広がりながら俺からゴールを奪うためにエンドラインに向って走ってくる。そして相手キーパーはその中の一人を目掛けてボールを送り出した。
選手たちの頭上を大きく超えてサッカーコートを縦断するボールは再び撃手の狙い通りとはいかずに、今度は佐藤がヘディングでカットした。ベクトルを全くの別方向に変えられたボールを佐藤に次いで触れたのは中野先輩。トラップされたボールは下がる判断をしていた土御門に渡った。土御門はロングボールを…とはならずに堅実にパスを繋ぎ前線へとボールを運んで行く。
金田・渡辺・岩清水先輩はセンターサークル付近まで上がり、佐藤はボールとともに左サイドで前線へ向かう。右サイドでは火暮と木谷キャプテンがお互いのマークを擦り付けるように動いており、いち早くフリーになった火暮へ佐藤がクロスを上げた。しかしクロスの精度とタイミングがいまいちであったため、相手のゴールキックで試合が再開されることとなった。
相手のゴールキック、しっかりと時間をかけることで相手FWを前線にまで走らせた上でのロングパス。相手FWは下がりながらボールを受けたことで前を見る余裕を生もうとしたが金田先輩の厳しい当たりを受けて中央に戻した。そのまま中央付近でボールを回し続ける相手であったが、裏をかくように動いていた相手FWへのパスミスによりマイボールへと切り替わった。
ボールを持った土御門がドリブルでカウンターを仕掛ける。が、相手は3枚DFを相手陣地に残しており、一人で仕掛けるのは中々に厳しい状況。そこでボール奪取後いち早く動き出していた栗田先輩がオフサイドラインから後ろに戻るような走りでパスを受けた後、ワンタッチで土御門にボールを返した。
ボールを再度受け取った土御門は猛然とした勢いのまま左サイドを突っ切っていく。そのドリブルに技術はなく、ただ全力疾走できるようにひたすら先へとボールを運ぶ。やがてゴールラインに辿り着いた土御門はそこに至ってようやく細かいタッチでドリブルを始めた。相手DF3人の内2人は土御門を囲むように徹底的にマークしており、どちらかを抜いてももう一人がすぐにカバーできるような位置取りだった。
じりじりと近づいてくる相手DF陣の隙を作ろうとしているのか、敢えて相手の足下近くにボールを置くように寄せてみたりする土御門だったが、そうこうしている間に他の相手選手が陣地に戻りつつあった。そしてそのことを横目で確認したのか、エンドラインすぐ横の相手DFが大きく一歩分、未だにボールをキープし続けている土御門に詰め寄った。
一方で土御門は、相手が踏み寄るまさにそのタイミングを見定めていたかのように大きく開いた相手DFの股下にボールを通した。そして未だに『抜かれた』という意識のないもう1人の相手DFにボールを取られないよう、2人の間を飛び越えるようにして抜くことで自分の体を盾にゴールまでの突破口を開いた。
2人抜きを果たしすぐさまエンドラインと殆ど平行に転がるボールに追いついた土御門であったが、股抜きをした相手DFに服を掴まれて後ろ向きに体勢を崩した。確実に反則級のプレーであったが、何が功を奏したのか、クロスに上がったと思われたボールは凄まじいまでのキレとカーブでゴールの右上隅に決まった。得点は認められ、土御門を倒した相手DFにはイエローカードが出された。
その後の前半戦の残り時間については惜しいプレーや危なかったシーンなどは特に無く、いつも通り中盤の浅い位置でボールをキープしているのにちょくちょくミスして奪い奪われするだけだったので割愛。俺的にはもっと新レギュラーの1年組に積極的に攻めさせて前半戦で相手を磨り潰せばいいのになと思いました、はい。認めるのは癪だが、個人技でトップクラスのテクニシャン土御門とやたら勘の良いパッション火暮にボールを持たせればもっと得点の機会が生まれたと思うの。ま、俺がフィールドプレイヤーなら50mからでも100mからでも弾丸シュート打ってバンバン得点するんだけどね(有言不実行の鑑)。
予想外に相手へのプレッシャーを与えることができたことでベンチ内は割といい雰囲気だった。先輩たちは上機嫌に笑いながら土御門の背中や肩を叩いたりしているし、それに対して土御門は「やめてくださいよー」なんて照れ笑いしながら言っちゃってる。……なんかよく分からんがムカつく光景だな。俺なんてGKなのに割と得点王みたいなムーブしてるんだぜ……。ぐぬぬ、そんな俺が全く褒められないのはおかしいと思います(嫉妬)!
「土御門を褒め揚すのは別にいいんすけど、いい加減に後半の話しません?あと、ぶっちゃけ先輩たちが浅い位置でトラップミスとかパスミスとかしなかったらもっと点取れたんすから、褒めるとかよりもまずちゃんと反省してくださいっす。
……えっとそんでまず後半なんすけど、前半は火暮が良いタイミングで裏に抜けてたんで、その動きに合わせてパスを出す選択肢を持つべきっす。正直あんまり使えない先輩方が下手糞な連携するよりもよっぽど得点のチャンスになるんで。
そんで次は浅い位置でパス回されてるんだったら積極的に圧掛けてカウンター狙うべきっす。キーパーが自分な時点でどうせシュートは全部止めるんすから、先輩たちは得点決められたらどうしようとか考えなくていいんでちゃんと詰めて下さいっす。
あとはいい加減に『個人技がー』とか『チームプレーがー』とか負けた時の言い訳みたいなんを使うのやめて下さいっす。なんか全国制覇したいそうなんで言っときますけど、勝ちは勝ちっすし負けは負けっすよ。折角よその高校と試合できるんすから、『実戦練習』とかそういう舐め腐った態度辞めた方が良いんじゃないっすか?そーゆーの、木谷キャプテンが新レギュラー発表の時に言ってた自分の礼儀云々よりもよっぽど失礼なんじゃないんすかね。
自分からは以上なんでまああとは適当に喋っといてください。」
土御門はいっぱい褒めるのに俺をほとんど褒めなかったお前らが悪い。チームが弱いのもやたら税金が上がるのも地球温暖化の深刻化も、もうなんもかんもお前らが悪い。そんなんだから場の空気が悪くなるのなんて是非もないヨネ(今世ほぼ成人男性の精一杯の裏声)!
葉隠君のSEKKYOほど薄っぺらいもんはないなって。




