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26. 四国大会 愛媛県予選 初戦 前

俺たちの戦いは本当にこれからすぐ始まる。


初戦は私立ナンチャラ高校。カタカナが多すぎて覚えられなかったが、多分宗教系の学校だろう。そしてなんとなく宗教系の学校はガッチリとした防御陣を敷いてきそうな予感がする。前世のゲームでもクソ耐久技使ってくる天使キャラとかいたし。




……予感がしただけだった。あっれー、おかしいなあ?人並外れた直感の持ち主というのが俺の売りなのに、このままでは人並外れた直感(笑)の持ち主になってしまう。これは現代に蘇った神算鬼謀の今周瑜(自称)と名高いこの俺が、生まれてくる時代すら間違えたうっかり八兵衛と呼ばれてしまうぐらい屈辱的なことだ。ぐぬぬ、この恨み晴らさでおくべきか。やろう、ぶっ潰してやる(責任転嫁)!



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 FW:11番 火暮ひぐらし まこと(1年)・10番 国松くにまつ さとし(2年)・9番 栗田くりた しげる(2年)

 MF:8番 土御門つちみかど 辰馬たつま(1年)・7番 石川いしかわ 颯太そうた(3年)・6番 木谷きや 楓悟ふうご(3年)・5番 中野なかの 瑛士えいじ(2年)

 DF:4番 金田かねだ のぞむ(2年)・3番 渡辺わたなべ 一郎いちろう(2年)・2番 石清水いわしみず 八幡はちまん(3年)

 GK:1番 葉隠はがくれ 和義かずよし(1年)


 ────────────────────



 味方の編成:DF-MF-FW=3-4-3

 相手の編成:DF-MF-FW=3-5-2



割とうちのチームに近い、ゴリゴリアタッカー編成同士の対決になった。もしかしたら相手もレギュラー陣を入れ替えたばかりなのかもしれない。知らんけど。




キックオフは相手から。まずはじっくり攻めようという判断なのか、バックパスで繋いでいる。もしかしたら体を解しているのかもしれない。がしかしそんな(ぬる)いことを許すような火暮ではなかった。前線に飛び出しパスカットを狙い始めたのだ。そしてそれに釣られるようにして国松先輩も前線に飛び出した。


徐々に最終ラインまでボールを下げた相手だったが、これ以上ラインを下げる訳にも行かず縦パスで中盤にボールを送った。しかしボールの落下地点を読んでいた中野先輩がカットし、さらに徹底攻勢を相手は受けることになった。木谷キャプテンがボールを素早く回せと指示を出し、相手の意識が追いつかないうちに木谷キャプテンからの裏パスをしっかりと受け取った栗田先輩がミドルシュートを決めた。


寝ていた頭を叩き起こされた相手であったが、最初の1点を決めたことで調子付いて来たウチの攻勢防御には対応できず、更に1点を与えることとなった。今度の得点は左サイドを駆け上がった渡辺先輩が土御門と共にディフェンスを崩しての1点。これで相手はウチのチームがなんちゃって攻撃偏重チームでないことを悟った筈だ。そして相手もそれならばと点取り合戦の構えを取るようになるだろう。しかし残念、選手交代だ。



OUT 11番 火暮ひぐらし まこと ⇒ IN 12番 佐藤さとう 大地だいち

OUT 10番 国松くにまつ さとし ⇒ IN 16番 七留ななとめ たすく



これまでの攻撃一辺倒から、まさかの守勢重視のポジションチェンジに相手は相当戸惑っている。



味方の編成:DF-MF-FW=4-5-1



因みに七留ななとめ先輩はリフティング先輩の本名で、土御門と入れ替わりにレギュラー落ちしてしまった先輩だ。ポジションはオフェンシブミッドフィルダーという両サイドハーフの中央でフォワードの真後ろ。滅茶苦茶攻撃的なポジションの癖に司令塔としての仕事もしなければならないポジションだ。さらに栗田先輩はどちらかというとガツガツというよりも機を見逃さないタイプのFWなので実質的な編成がDF-MF-FW=4-6-0。完全に相手を舐め腐ってるだろと思わなくもない。


相手のスローインで試合が再開した。前に進もうにも中盤が厚すぎて裏を抜くしかないのだが、出場したての佐藤が張り切って走り回っているせいでスペースが見当たらない。そこで相手FWは強引にドリブルで突っ切ろうとした。まさにその時、審判の笛が鳴り響き、前半戦は終了した。

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― 新着の感想 ―
[一言] 打ち切りじゃなくてホッとしたのは私だけではないはず
[一言] うっかり八兵衛は、そのうっかりも愛嬌として上も下からも愛され最低限礼儀を弁えてて、専門知識に饒舌だけどそこまででしゃばらず、格さん助さんに隠れてるけどチンピラ程度になら負けない程度に強く、誰…
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