11. ツンデレ
さて、本格的にサッカーを始めることに決めたはいいが、たった1日で本入部を決めたと思われるのも癪なので明日からの仮入部には参加しない。そのかわり本入部受付開始とともに部活の練習に参加することに今決めた。
『べ、別にアンタのためにサッカー部に入るわけじゃないんだからね、勘違いしないでよね!』
俺の脳内で金髪青目ツインテ美幼女エリーちゃん(ロリ巨乳)が喧しく囀っている。……可愛い。懸念も晴れたことだし、母さんの作った飯食って風呂入ってくる。
さて学校の宿題を終わらせたところで今日サッカー部のミニ試合で俺が他のポジションだった時のシミュレーションをしてみる。
まずFWから。俺のポジションは火暮と同じ右側のFWに配置する。MFはチャラ男を配置。キックオフと同時にチャラ男からパスを受け取り右サイドに展開する。あの時火暮はDF1人とMF2人を惹きつけるように動いていたためか随分とゆったりしたペースで動いていた。しかしスピードに自信ニキの俺なら加速して一気に抜けるだろう。これは先輩DFの一歩目の踏み出しが遅かったのを判断基準としている。脳内の俺はDFを置き去りにしてそのままゴールの右上にシュートを捩じ込んだ。
次にMF。俺のポジションをチャラ男と同じ左側のMFに配置する。今度は右側FWに火暮を配置。スローインを受け取ったチャラ男はパスを繋いで左サイドを駆け抜けたが、あの時右サイドの火暮がほぼフリーだったのに気付いていなかった。俺ならワンツーで駆け抜けるよりも一度バックパスで下げてから一気に右サイドに展開するという案を推す。俺の認識範囲ならばそれぐらいの察知は余裕だと思いたい。シミュレーションでは無事に火暮にボールが渡り念の為のカバーとして左サイドから切り返して中央に向かった俺を囮にして無事に得点していた。
最後にDF。ルールを知らなかった所為で、というのは恥ずかしいものがあるがフリーキックになった瞬間の配置を思い出す。あの時は団子状態になっていたが、おとなしDF君の横にはそれなりに高身長の先輩が居た。俺をそのおとなしDF君と同じ場所に配置してどう動くか考える。俺的にはFWやMFよりも考えることが多いポジションだが、空いている空間を潰す作業は今は必要ない。如何にしてフリーキックを止めてこちらの攻撃に繋げるか、それだけを考えればいい。……敢えて俺の横に空間を作ってそこ目掛けてシュートを打ってもらうのはどうだろうか?より高身長先輩に体を密着させて飛び上がりにくい状況を作る。ぶっちゃけ俺がキーパーなら直接ゴールを狙ってこようが更に別の人物にパスをしてゴールを狙ってこようが守るのは容易だと思う。だがDFとして考えると直接狙ってくるシュートよりも二の矢三の矢を防ぐ方が大事だろう。というわけで7割を高身長先輩を抑えることに、残り3割をシュートを防ぐ意気込みでシミュレーションに臨む。
こんな感じで俺が出場した後半部分のシミュレーションを終えた。これが正解かどうかは分からないが、少なくとも振り返りながら考えるのは良いことだろう。
『……ハイッ!別にアンタのために用意したんじゃないんだからね、勘違いしないでよね!』
『美味しい?……良かった(小声)。……ってあたしが作ったんだからそんなの当たり前でしょ!フンッ!』
『……んしょ……んしょ。はい、汗拭けたわよ。えっ、マネージャーなんだからこのタオル持って帰れって?それでこのタオルを使ってナニしてもいい?ボンッ(顔が真っ赤になった時の擬音)!……うぅ。バカッ!アンタなんてもう知らない!バカバカ!!ポカポカポカ(俺の頭をグーで叩く音)』
脳内で黒髪赤目ツインテ幼馴染美幼女あかりちゃん(和服貧乳ロリ)が俺専属のマネージャーになってハチミツレモンやらタオルを用意してくれていた。……最高だな。飯食ったし風呂も入ったから今日はもう寝よう。




