一話
拙い部分しかありません。
______コツッ__コッ___コツッ___
薄暗く、湿った空間で足音が響く。
辺りを照らす光源はある程度間隔を開けた蠟燭のみで、足音以外の音は辺りになく、鉄格子が左右に広がっているのみだった。
___コツ___コツ______コッ。
不意に音が止んだ。どうやら目的地に着いたようだ。
ギィィ……………
足音の主は格子の扉を開き、中に入り琥珀色の無機質な瞳で此方を見る十七ほどの一人の少女がいることに微笑んだ。
そこにいた少女の腰にまで届く長い髪は色素が抜け落ち、着ているものは裸に薄い布を羽織るだけで、折れそうなほど華奢な体躯をしていた。しかし顔立ちは整っていて、どことなく神秘的な雰囲気を出していた。
その瞳に映る女性も美しく、ブロンドの髪を肩甲骨辺りまで伸ばしていて、その高い身長以外は平凡な体躯をしていたが顔立ちはそれを覆すほどの絶世の美女だった。しかし、少女とは対照的に少し切れ長の紅い目は狂気を宿していた。
女性は少女に歩み寄ると、声をかけた。
「身体に異常はない?リア」
「……ヒュー………」
「今日も続けられそう?」
「………ヒュッ……」
「良かった。じゃあ、ついてきて。」
リアは話す素振りをしたが、空気しか出なかった。どうやら彼女は喋れないようだ。
リアは抵抗などもせずにそのまま女性に連れられ、先程まで自分がいた空間の奥にある重厚な扉に閉ざされた部屋に入れられる。部屋の中は何もなく、鏡合わせにするかの様に同じような扉があるだけだった。
女性はリアが入ったあとその場から退出し、自身が左手首に着けているアンクレットについている緑色の宝石に触れ、
「実験開始」
と呟いた。
その瞬間宝石は赤色に変わって、部屋の内部にある扉が勢いよく開き、獣とも人間ともつかない異形な生物が十数体出てきた。
目に宿している狂気の色が一段と濃くなった女性が見守る中、リアの地獄が始まった。
春川 菜月です。カクヨムにも同じ名義で投稿しています。
次の話は残酷描写が酷いと思われるので、苦手な方はご注意下さい。