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17-8 最果てからの凱旋

 門を閉じたと里長プレアに報告して、その確認作業が終わった。

 箱船の民としては、長年の憂いが消えたことになる。


 そこで代価として、まず13名の技術師団をエリンに連れ帰ることになった。

 有角種の精鋭たちは、編成を整えてから後発して出発する段取りだ。


 帰ると決まったからには、一足先に俺たちは大きなホロ馬車を一台借りた。

 こんなに高い馬車を借りずに、馬車を二つにしたらどうかと業者に言われたが、そこは一頭がいいと押して通った。


 馬車に技術師団とアウレウスのおっさんを乗せて、俺たちはエリンへとひた進む。


 速度二倍の超特急だ。

 有角種の技術者たちは正体不明の現象に驚き、理屈が合わないと困惑していた。

 すまんな、これは技術ではない。ジラントによる神の奇跡だ。


 こうしてあっという間に旅が終わり、俺たちはエリンへの凱旋を果たした。

 あの日帝都から発ってより、19日目のことだった。


 領主の館に到着し、技術師団を引き連れて、プィスたちの出迎えを受けた。プィスはあきれていたようだ。


「どうして普通に戻ってこれないのですか、貴方は……」

「有角種の技術者を連れ帰ったというのに、その言い方はないだろう」


「ええそうですが、貴方と一緒にいると奇想天外なことばかりで困りますよ。ようこそおいで下さいました、偉大なる有角種様。エリンは皆様を歓迎します」


 主人に対しては慇懃無礼に、客人には敬意を払って、プィスが技術者たちを受け入れた。


「うっそー♪ このキザ男くんがアシュレイくんの家臣なのぉー? ぷっ、うけるんですけどぉー♪」

「おや、なんですか、この娼婦は?」


「ひどっ、プレアちゃんがお手伝いしにきてあげたのにぃー、娼婦ってひっどぉー? あ、そういうエッチな目で見てくれてるってことみたいなー? きゃっ、うれしっ♪」


 あの皮肉屋のプィスが困り果てて固まるという、珍しい光景を見せて貰えた。

 プレアも技術者だそうだ。まあ、シグルーンの制御ができる数少ない人材でもある。


「んでよ、ゲオルグ皇子はいつくるんだ?」

「明日にはこちらの練兵にいらっしゃる予定ですが、貴方は?」


「俺は騎士のアウレウスだ。ヨルド皇子とはまた別に、アシュレイ皇子っていう保険をかけておきたくてよ、まあはせ参じた感じかね」

「騎士、ですか。そうは見えませんね……」


「はははっ、ナイトつったって、しょせん俺たちは田舎者よ。今後ともよろしく頼むぜ、プィス!」

「プレアちゃんもぉ~、プィスくんと仲良くしたーいー♪」

「…………ッ」


 またプィスが青い顔になって固まった。

 わかってはいた。プレアはプィスの美的感覚には合わないようだ。


 かくしてこの日より、有角種たちの技術者たちが、実に自重をしない技術供与をエリンに傾けてくれるようになったのだった。



 ・



「あっ、アシュレイくん! ねぇねぇ、この階段さー、自動で動くようしちゃぅー?」

「エスカレーターか。いや、うちの爺がスッ転ぶのが見えるので止めておこう。便利ならそれでいいというわけではないだろう」


「お爺さんいるんだぁー♪ じゃあ、マッサージ機とか作っちゃう系?」

「ああ、よくわからんがそれで頼む」


 有角種恐るべしだ。

 ちなみにマッサージ機という、イス型の機械が完成すると、エリンの館に年寄りどもが大挙してきたのは言うまでもない。



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 ☆

 ★

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【邪竜の書】


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- 冒険 -

 【冒険者ギルドの昇格試験をクリアしろ】

 ・達成報酬 EXP150

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- 探索 -

 【帝国を2500km歩け】947/2500km達成

 ・達成報酬 移動速度LV3(全ての移動速度+50%)

『残り1553kmか。最初は無謀かと思ったが、そなたならば不可能ではなさそうだな……。何より皆が馬車の加速を、我が輩の力だと勘違いするところが滑稽だったぞ』

――――――――――――――


 俺は力の発生源など意識したこともなかったぞ。

 便利な力があるからそれを使う。ただそれだけのことではないか。

 細かい理屈はそれこそ技術屋に任せておけばいい。


――――――――――――――

- 探索 -

 【沿海州の玄関口、ザルツランドに到達しろ】

 ・達成報酬 EXP10

――――――――――――――


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- 探索 -

 【沿海州の最果て、ポート・アケに到達しろ】

 ・達成報酬 なし

――――――――――――――


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- 開拓 -

 【エリンを自由に発展させよ】

 ・発展度12950→23770/50000

 ・達成報酬 EXP1000/最強の人造兵器

『エリン港の周辺に新しい町が生まれた。目ざとい貿易商人たちは、帝都により近いこの港に注目の目を向けている。そなたが切り開いた開拓地にも、食い詰めた移民者たちが集まっているようだぞ。そして極めつけは、有角種の技術師団だ。よくやった、これからこの地は飛躍的に成長するだろう』

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――――――――――――――

- 事業 -

 【ヘズ商会を大型船10隻を有する大商戦団にしろ】6→7/10隻達成

 ・達成報酬 船団の航行速度+50%

『一隻買い足したようだ。もうそろそろ帰ってくる頃だぞ、キャラルに会いたかろう?』

――――――――――――――


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- 粛正 -

 【悪党を7人埋めろ】残り3人

 ・達成報酬 EXP1100/スコップLV+1

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- 粛正 -

 【汚れた富を100万クラウン盗め】 986000/ 1000000

 ・達成報酬 空間探知LV+1

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- 投資 -

 【合計1万クラウン使え】8550→8895/ 10000

 ・達成報酬 EXP1000/出会いの予感

『1105クラウンほどのいい壷がある。もう待ってられん、我が輩から買え』

――――――――――――――

 

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- 目次 -

【Name】アシュレイ

【Lv】45→46

【Exp】9220→9685

【STR】113→114

【VIT】292→295

【DEX】265→268

【AGI】249→253

【Skill】スコップLV5 

    シャベルLV1

    帝国の絆LV2

    方位感覚LV1

    移動速度LV2

    穴掘り30アクティブ

――――――――――――――

ここで章区切りとなります。

宣伝ですが来週、超天才錬金術師二巻が発売します。

今なら一巻がKindleアンリミテッドで読めますので、興味がわきましたらどうぞ!

割烹で、二巻の表紙絵も公開中です。宣伝失礼しました。


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9月30日に双葉社Mノベルスより3巻が発売されます なんとほぼ半分が書き下ろしです
俺だけ超天才錬金術師 迷宮都市でゆる~く冒険+才能チートに腹黒生活
新作を始めました。どうか応援して下さい。
ダブルフェイスの転生賢者
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