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最終話

 そう言いながら、そこにある塀をよじ登り、自分も記憶を辿り塀伝いにビルの隙間を歩くと今度はセルフィが不平をもらした。


 「どうでもいいけど、いい加減行き先くらい教えてもらえないかしら、不安になってきたわよ?」


 「さっき言ってたじゃないですか、その区間に向かってるのですよ」


 「はあっ、アンタ、ふざけないでよ。


 だったらどうして、こんな手間のかかる方法をとっているのよ?」


 するとその声を聞きつけたのか上の方で窓が開いた音がしたのでそそくさと、さらに曲がると姉は思い出したようだった。


 「そういえば、まだ警備がとかれてなかったな?」


 「ええ、だから、こういう方法を…」


 『あっ、こっちだった』とまた先ほどの曲がり角まで戻り、進路変更をしようとすると、その前に猫が前の方からやってきたので、前方優先をして譲った。


 「けもの道ならぬ、ねこ道ね。アンタ、どうやってこの道を知ったのよ?」


 「そうだな、私ですら、知らなかったぞ?」


 「レンジさんから、教えてもらったのですよ。


 彼らは、警備が厳重な時はここから抜け出すのではないのでしょうか?」


 「ふん、いい情報ね。


 今度からは、私たちも参考にさせてもらうわ。


 …て、どうしたのよ?」


 「黙っておいた方が良いですよ」


 「どうして?」


 「今度、あれくらいの騒ぎが起きた時、今度こそ手の付けられない事件になるからですよ。


 さて、ここからは一人で行かせてほしいのですが?」


 「ふむ、お前がそうしたいのなら、そうさせてやりたいのだが…な?」


 「アンタね、ここまで案内したのなら、私達が引き下がると思う?」


 どうも大事な事を妹に言わせたような気がしたが、顔をしかめながら、洞窟を思わせるような、ビルの隙間から、飛び降りた先には自分にとって見慣れない光景が広がっていた。


 「お、お前ら!?」


 …塀を飛び降りてくる自分たちに注目している数人の孤児たち中にレンジがいたが、

 その仲間が邪念を振りまきながら乗り出して向かってくるのを、レンジが制したので聞いてみた。


 「やっぱりここは、こういう場所だったようですね?」


 先ほどの向かって来ようとした仲間も、どうもここにある湿っぽい空気から抜け出したかっただろう、大きく息を吸い込んだまま『それ』を見ていた。


 それは前にレンジに教わった夜の抜け道をほんのりと照らしていた弱々しい光の『正体』だった。


 夜だったから、あの時はイルミネーションにしか思えなかった。


 真新しい太陽電池で光る照明と、今までに立てられた照明は、まるで墓標その時とは別の違う光景だった。


 「墓も立ててやれないから、だけど夜くらい明るく照らしてほしいからって、俺がここに来る前からあった風習だな」


 アスファルトを土が見えるくらい掘られて作られた墓標の下には、当然何もない。


 道しるべ…。


 ただ、そう口にしていた彼女はあの時、どんな気持ちだったのだろうか、わかってやれたのだろうかそんな事を考えてはいたが、そんな思考は少し後回しにした。


 そこに彼女がいたからだ…。


 そして…。


 ……。


 「すごいな腫れているぞ?」


 彼女が言ったように『腫れる』ような事があり、そのまま帰路につく、するとセルフィは少し笑いながら言った。

 「私の時よりも、威力があったようね?」


 「姉の時よりも痛かったですよ…」


 「アンタ…、姉さんに何したのよ?」


 だが、それっきり会話が続かなかった。


 『帰って!!』


 そう彼女の言った叫びが耳に残っているのだろう。


 「だから、一人にさせてほしいと言ったワケか?」


 「計算していたワケではありませんがね、何となく…。


 まあ、『話はレンジさんから全部聞いた』と言った後なので、安いモノでしょう?」


 あの後、彼女がセルフィやみんなに全部を言ったら、全てが終わっていた。


 レフィーユも『ふむ』と頷いて、自分の腫れた頬を見て答えた。


 「結果としてはそれでよかったかもしれないが、だがな、少しくらい心配くらいさせてほしいモノだな」


 「ふん、でも随分と神経が太いじゃない。


 全てを知ったのなら、貴方が責められる必要なんてないでしょう?


 言い返す事くらいしても、文句は言えないわよ…て、どうしたのよ?」


 「いや、レフィーユさん、いいジレンマですね?」


 『そうだな』と、微笑みながら頷く姉にさすがに妹は苛立っていたので姉は言った。


 「さて、帰るか、このままでは欠席扱いになるぞ?」


 「おや、私は今日は休むという事になってますが?」


 「残念な事に、数日前の事なんだがセルフィによって、無断欠席になっているトコロがあってな。


 このままでは補修を受けるハメになるぞ?


 だから、遅刻扱いでも最後の3時間目くらい受けておけ」


 「そうですね」


 「ちょっと、話はまだ…」


 「では、駆け足!!」


 そういわれたからではないが、勝手に足が走り出していた。


 おかげで頬が痛かったが、この痛みは絶対忘れる事はないだろう。


 その痛みが、まだ自分の存在を許しているという事なのだから。


 つづく…

 


 これはR−15作品なのだろうか?


 どうも薬物が出るような作品を扱う際にはR−15指定にしなければならないらしいようです。


 このR-15指定の基準を知ったとき、もう大体の話の構造が決まり、カエデ、アカネが登場していました。


 どうしよう、このまま設定を変えようか?


 でも勝手に設定なんか変えると、作品全体が壊れるような気がするな…。


 こんなまどろっこしさの中、結局、最後まで辿り着いたような感じがしました。


 正直、いい作品を作り上げた気がしません。


 ホント、すいません。


 まあ、反省はまだ多くありますが、ルールに乗った上で作品を書くという事は大変重要だと思い、次回を書く際には設定を少し変えて。


 魔力強化剤の設定をなくしたいと思います。


 薬物に頼らなくても人間は悪い事をするでしょうからね。


 …一番、問題発言だな。


 では最後になりましたが、こんな失敗作ではありましたが最後まで読んでくれてありがとうございました。


 読んでいて『R-15ですよ』と指摘したら、変えますので感想も遠慮なくお願いします。


 それでは…。



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