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純真の朝顔  作者: ちゃんず
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日常-1

「んんー……。」

部屋の照明に不快感を覚えつつ、早苗(さなえ)

重たい瞼をこじ開けた。


デジタル時計を見ると21時30分。

脇に広がった雑誌を見て、ああ自分はうたた寝をしていたのか、と数分前の記憶を思いやる。


むくりと起き上がり、てきぱきと雑誌を積み重ね

部屋の隅に寄せる。

台所に浸け置きしていたフライパンは綺麗に洗い流し、フローリングの床にはクイックルをかける。


朝型の私がいちばん生き生きする時間。

一人暮らしのアパートの部屋も、この時間が一番綺麗で嬉しそう(な、気がする)。


携帯の通知をチラチラ確認しながら、

ストレッチをしてみたり、髪を結びなおしてみたりして、

その時が来るのを待つ。


大好きな彼が来るのを待つ。


心がけているのは、あまり期待しないようにすることだ。

彼は仕事が長引いて今日は来れないかもしれない、

はたまた急な飲み会に誘われて飲んでいるかもしれない、

いやいや仕事でくたびれた彼はそのまま眠りこけているかもしれない……。


そんな沢山の予防線を張って、


彼が来るのが楽しみで楽しみで仕方がないという気持ちを押さえつけて、


でもやっぱりソワソワして、彼を待つ。



20時をすぎた頃、待ち望んだインターホンの音が家に響いた。


パタパタと玄関に向かい、

彼への愛しさを解放させるみたいにドアを押し開く。



「おかえりなさい!」



満面の笑みで彼にそう言うと、

彼もまた、優しさに溢れた顔でただいまとこたえた。

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