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追憶の季節
春が好きだと思った。
君と出会った季節だからだろうか、私の恋が始まった季節だからだろか。
春のやさしい空気に包まれると、君のあたたかい微笑みを思い出した。
夏が似合う人だと思った。
夏生まれの君は暑がりで、多分夏が苦手。
だけど、太陽みたいに眩しい君には、
夏の青い空がよく似合う。
秋が恋しいと思った。
秋の夜は、月の下を二人で静かに歩きたい。
私よりも少し体温が高い君と、繋いだ手から温もりを分かち合いたいと思った。
冬は一緒に地元に帰ろうと思った。
私が育った街にいつか、一緒に帰ろうといつも言っている。
雪の深い私の地元で、雪道に慣れない君の手をとって、
寒さなんて消えちゃうくらいにはしゃぎたい。
君に出会ってから、ただの毎日、ありふれた日々の一コマ一コマに、
言い表しようのない愛おしさを覚えるようになった。
どんなことも君となら楽しめる、どんなときも君となら笑っていられる。
叶うことなら、
これからもずっと、君のとなりで笑っていたい。