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水泳しかできない  作者: 野菜ジュース
大人のクレーム
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続けてきた水泳

<続けてきた水泳>


 翌日。それぞれが気持ちをぶつけ合ったトラブルから1日が経ち、学校を終えた翔太はその事態を忘れるように同級生達と3人で、とあるゲームセンターで遊んでいた。


友達「なあ、翔太!次はあれやろうぜ、あれ!!ド・リ・フ・ト!」


翔太「おっ、いいね!今日は負けねーぞ!!」


楽しく会話をする翔太。3人は、レースゲームがあるゲームセンター奥へと進んで行った。


若者の客「なんだよ、てめーは!!ふざけんなよ!!」


大声に気づいた3人が目を向けると、そこには店員が掴む腕を必死で振り払いながら暴れる、キャップを深く被った腰パンの若者が1人。


店員「落ち着いて下さい!とりあえず、警察が来ますから別室まで!!」


若者の客「取ってねーよ、財布なんか!!やめろよ!!」


2人が揉める横には、2人の女子高生がブランドの財布を握り締め、寄り添い怯えながら佇んでいる。恐らく、その横にあるプリクラを撮っていたのだろうか、椅子の上には2人の開いたバックがそのまま置いてあった。


 状況から考えると、2人がプリクラを撮影している途中、足元に置いてあったバックから見える財布を若者が抜き取ったか何かをしたのだろう。


若者の客「くそっ・・・・・やめろって!!!」


すぐに駆けつけた警備員の応援にさすがの若者も観念したのか、そのまま別室へと連れ込まれていった。


友達「あ~あ・・・・・バカだな、財布盗むなんて。監視カメラついてんだからバレるの当たり前だって。」


友達「そこまで度胸あるなら、店員殴ってでも逃げりゃ良かったのに・・・・」


殴るという言葉に反応した翔太が、晴人に殴りつけられたそのシーンを頭に思い出した。


友達「ばーか。殴ったら罪が一気に重くなるぞ!先に手を上げたら、どうやってもそっちの有罪になるんだから。手を上げるなんてバカがする行為だよ!」


友達「そーだよな、訴えちゃえば絶対に勝てるもんな。」


何気ない2人の会話だったが、翔太はその会話に真剣な眼差しで割って入った。


翔太「殴った方が悪いとは限らねーよ!!」


友達2人は、何をかばっているのかわからないそんな態度で反感する翔太を見て、目を丸くさせて驚き固まった。


友達「なっなんだよ翔太!どーしたんだ?何が言いてーんだよ。」


翔太「親に殴られたって、訴えたりなんかしねーだろ?大切なのは信頼なんじゃねーのか?」


そんな発言をする翔太を見て、またしても不思議な顔でしか返事を返せない2人。


翔太「あっ・・・・そろそろ水泳の時間だ。わりっ、もー行くわ」


友達「おい待てって!もうちょっといいだろ!!ドリフトしよーぜ!!」


呼び止める友達に一瞬振り返ると、すぐに言い逃げの一言だけを漏らす。


翔太「俺には、水泳しかねーんだ。今日はその水泳の気持ちを素直にぶつけて見るわ。じゃーな!」


走り去る翔太の後姿を見ながら、友達が呟く。


友達「ちぇっ・・・行きやがった。何だよあいつ、付き合いわりーな・・・・・」


呟く友達の横で、もう1人の友達が思い出したように言葉を漏らした。


友達「でもあいつ、昔っからそーだったよな・・・・・・中学、高校の部活ならまだしも、あいつは小学校からずっと毎日水泳ばっかやってたよな。」


全ての時間を費やさなければ成長が出来ないスポーツ、それが水泳だ。もちろん友達との遊ぶ時間すら制限されてしまう。それでも水泳を続けているのには理由があるのだ。もちろんその答えである今の彼らの目標、それはインターハイ。その気持ちは2年3年続けてきたスポーツに対しての気持ちではない、それまでの人生を捧げてきた水泳だからこそ生まれる深すぎる熱い感情が込められていた。


最後に言った翔太の台詞。


『今日はその水泳の気持ちを素直にぶつけてみる』


大久保との衝突が、解決に向かう・・・・・・その言葉は、そんな事を感じさせる前向きな言葉だった。

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