晴人と彩香
<晴人と彩香>
彩香「水元コーチ!!あんな事言ってほんとに本社クレームになってしまったらどうするんですか?!」
わだかまりたっぷりのその事態にいつになく興奮をする彩香。
みんながいるスタッフルームを抜け出た彩香と晴人が、別室に入りそのいきさつについてもう一度話し合いを始めていた。
晴人「すみません。思わずあんなことを言ってしまって。・・・・でも、道春がベストを出していなかったのは確かだし・・・・・結局俺が悪いと思える部分もあるし・・・・」
彩香「水元コーチは何も悪くない!!絶対おかしいですよ!!」
選手コースもまったくうまくいかず、問題も多くて・・・・・やっと軌道に乗り始めたと思ったら、また大きな問題が起きてしまって・・・・そんな事態に対して弱気になり落ち込んでしまった晴人は、涙を目に浮かべてしまった。
晴人「いつも・・・こんな俺の味方になってくれてありがとう。彩香コーチの存在は大きいです。助かってますよ・・・・・・・」
男女の友情はないとも言われているが、年齢差もあるこの2人には恋愛感情でも上下関係でもない特別な友情が芽生えていた。いつでも、どんな事態でも味方になってくれる彩香。いつの間にか、そんな彩香の存在が唯一の晴人の支えとなっていた。
晴人のそんな気持ちを察したのか、大きくうなずき強い眼差しを送り返す彩香。そして、自信たっぷりな笑顔を安心させるように作る。
彩香「大丈夫です。水元コーチの味方は私だけじゃないですよ。もう・・・・選手達だって分かってくれているはずです。明日、直接道春君と話をしましょう。」
今日まで一度も文句を言わずに晴人の練習を続けてきた道春。もう晴人とは堅い信頼関係が築けているはずだ。母親が納得しないのであれば息子の道春を納得させる。それが出来れば問題も解決するはずだ。彩香が思うその考えを理解はできていた晴人だったが、正直まだ不安を隠しきれない。そんな晴人は自信のない表情のまま、うなずくだけの返事を静かに返した。




