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水泳しかできない  作者: 野菜ジュース
はじめての大会
17/71

運命のメドレーリレー

<運命のメドレーリレー>


開会式も終わり、大会準備も終わって、競技役員がその配置に着く。ついに待ちに待ったその競技が開始された。次々とレースがスタートをする。一気に高まるレース前の緊張感。


今回、男子選手の4人がエントリーした種目は個人種目が、4つの泳ぎの中で一番得意な泳ぎの100mを1つずつと、4人で100mずつ泳ぐ勝負の400mメドレーリレーだ。最初に泳ぐのがそのメドレーリレー。翼の背泳ぎから始まって、道春の平泳ぎ、拓也のバタフライ、翔太のクロールの順番だ。それぞれが100mを泳いで全部で400m。目標にしているインターハイのタイムは、4分00秒82。このタイムと同じか速ければインターハイに出場ができる。もちろん、インターハイの予選でそのタイムを切らなければ出場はできないが、この大会でどれだかよいタイムが出せるかが大きなポイントになっていた。


レースの時間が近づき、極度の緊張に襲われる4人と晴人。その緊張をほぐすように晴人がコーチらしい態度を見せる。


晴人「大丈夫だ!!俺を信じてくれ!!今までとは違う!!お前らならできるよ!!」


お互いが信じあえるようになった選手とコーチ。そのコーチの言葉として、その一言一言に確かな重みを感じた。


4人はもう1年以上もベストタイムを更新していなかった。それは、個人種目でもリレーでも同じ。そんな4人にしっかりとした自信を持たせるその言葉。それを聞くと、4人は強くうなずきあい、気合いを入れてプールサイドへ向かった。


ついに、今までの成果を試すそのレースがスタートをする・・・・・・緊張の瞬間だ。プールに入り、スタートの合図を待ち構えるのは最初に泳ぐ翼・・・・晴人は息をのんだ。しっかりとした、数字の結果を求めて・・・・・・。


その奥では、4人の女子選手達がそのレースを静かに見守っていた。


出発合図員「よ~い・・・・・・・ピッ!!!!!!!」


スタートのピストルシグナル音による合図!勝負が始まった。


勢いよくスタートを切る翼。大きな泳ぎで進み、ターンもしっかり決めて・・・・100mタッチ!!すぐに、2泳者の道春が飛び込んだ。それと同時に、コーチである晴人が手持ちのストップウォッチのラップを止める。翼のタイムがここでわかる!そのタイムを見る晴人。


晴人「よし!!速いぞ翼!!いける!!いけるぞ!!」


気持ちが入る晴人。止めたタイムは間違いない、翼のベストタイムだった。続く道春も100mのタッチ!!


晴人「よし!!そのままだ!!いけいけ!!!」


続く拓也の応援に熱が入る。女子選手達がそんな興奮する晴人を見て、一瞬うらやましそうな・・・・悔しそうな表情を見せた。


晴人「よし!!!ラストだ!!!翔太ぁぁぁぁ!!!いけぇぇl!!!」


更に興奮する晴人。そんな興奮のままついに・・・・・最終泳者の翔太もゴールをした。


そのタイムが表示される、頭上に輝く大きな電光掲示板。


彩香「どーですか??ベストタイムですか??」


同じく興奮状態の彩香がその結果に焦り晴人に問いかけた。その言葉を聞いてか聞かずにか、晴人は大きなアクションでガッツポーズをとった。


晴人「やった!!!ベストタイムだぁぁぁぁぁぁ!!!!!」


まだインターハイの標準タイムには届かない4分01秒92。それでもそのタイムは間違いない彼らのベストタイムだった。


観覧席から立つと4人に手を振り、片腕で力強くガッツポーズを見せる晴人。4人はそんな晴人を見ながら涙ぐむ目で手を振り返した。


ずっと出なかったベストタイム。諦めかけたその夏の勝負。その勝負をまだ諦めなくていいとそのタイムが教えてくれた。涙ぐむ選手達にはそんな思いが感じられた。晴人がコーチとして間違いない結果を出したのだ。

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