仕事ではない大会
<仕事ではない大会>
晴人「えっ!!どういうことですか?店長!」
スタッフルームにこだまする、晴人の怒りこもった激しい声。何度と無く起こる衝突や揉め事になれてしまったスタッフ達が、いつも通りに身体をビクつかせ目線を事の矛先に向けた。
晴人「なんで自分が大会会場に行けないんですか??」
それは、大会会場に行くのを断られた晴人の悲痛な叫び声だった。
店長「そんなね・・・・お金にもならない大会なんかに、スタッフ1人出してられないんだよ!!!!」
会社としてまったく利益にならないその仕事。選手が大会に参加をするからといって会社に何らかの利益が入るわけではない。むしろ、晴人を大会に選手引率をさせてしまうと、逆に晴人にかかる人件費で会社としての利益がマイナスになってしまう。
店長「なので行かせられない!!もう高校生と中学生だろ?勝手に自分達で行かせておけばいいんだよ!!!」
晴人はその表情を、更にむっとした表情に変えた。
晴人「何を言っているんですか店長!選手と言ってもお客さんですよ!!勝手に大会に行かせて、何かあったらどーするんですか!!うちの会社の責任になりますよ!?そんな事ばかりしているから選手達がコーチを信頼できなくなってしまうんです!」
店長「それがうちのやり方だ。それで文句を言う親や選手がいるなら・・・・・そんなやつは、やめてしまえばいい。」
晴人の説得ある叫びを聞いても、無情な言葉しか漏らさない店長。晴人には心ないその発言が、遠まわしに言う『さっさとやめてほしい』という言葉に聞こえてならなかった。晴人はもう完全に店長に対する信頼をなくしてしまった。
晴人「・・・・日曜日はもともと自分の公休日です。『休みだから、大会を見に行く!』それだったら構わないんですよね?」
店長は興味ない話を聞き流すように、そっぽを向く態度を見せる。
店長「・・・・・勝手にしなさい。」
会社に対する不信感。それが日に日に大きくなる晴人。膨らむ不信感と同じように店長との衝突は、日に日に激しさを増していた。




