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【冬景色 寒くなければ いい景色】第2話 オーストラリア大陸縦断 その1

「あけましておめでとうございます」


「うぃ」


 寒さに身を縮こまらせながら返事をする我々。それぞれコートにマフラー、帽子、カイロなど各々防寒具バッチリ装備だ。場所はいつもの旧荒地テニスコート。ハイジさんだけは薄手の長そで。寒すぎて唇が紫色になり歯がガチガチ言っているがかなり無理をして我慢している。足元には恒例の棺桶鞄、背後には布を被ったホワイトボード。旅だな。新年一発目のサークルは、旅!


「それじゃあ旅に出ましょう」


「いきなり本題ですね」


「ああ。さぁリーベルトさん! 今回の旅の行先はどこでしょうか!?」


「えぇ? あれじゃないですか。また勝手知ったる新潟じゃないですか? 正月休み猛ラッシュの関越道を行ってゴールデンウィーク、盆休み、正月休みの三冠王! とか言いたいんでしょう」


「残念ながら不正解です」


「じゃあ離島」


「違う」


「じゃ東北屋久島北海道ロシア23区完全制覇もう寒いんですよ! もったいぶらずに正解教えて室内に入れてください」


「寒い? 言ってられるのは今のうちだけだぜ。これから俺たちが行くところはここ!」


 ハイジさんがホワイトボードの布をバサッとひくと積もっていた粉雪が舞い散り、日テレのエンブレムみたいなヤツに似てる地形が現れる。


「……四国?」


「また練馬じゃないのか?」


「オーストラリア?」


 ハイジさんがビシィッと水原さんを指差した。


「水原正かかかか」


「もうやめましょう陣内さん! 室内に行きましょう! もうあなたは寒さでしゃべれないんですよ!」


「俺たちは今から、初めての海外旅行に行くぞ」


 凡リアクション。


「はい」


「っていうことで空港に行こう。速やかに」


 ハイジさんが棺桶鞄と自分の荷物を持って駅に向かって歩き出す。やっぱり寒いようだ。




(容赦(ゆる)さんぞ! 彼女(アイツ)仇敵(カタキ)! 復讐(たたかい)終了(おわ)らない! 次回、『熱血魂(ヒートザソウル)僧侶(プリースト)!!!』 “大聖戦(だいけっせん)! 俺の(さばき)(キサマ)火葬()やしてやる!”)


「新潟だと思うんですよねぇ。少なくとも海外はない」


 空港に来てもまだ良崎は新潟だと思っている。確かに前回、海外とハイジさんが出発前に断言したロシアは、新潟にある新潟ロシア村跡地だった。前科がある。だがハイジさんは薄着だ。ハイジさんの出発前の服装は本当の行先に準じたもののことが多いので本当にオーストラリアの線も捨てがたい。……が、沖縄ならあの服装でも行ける……か?


「チケット」


 ハイジさんがチケットを俺、水原さん、良崎、マスカラスマン、空港で合流した小林氏に配布する。


「アレ? 本当にオーストラリアって書いてあるんじゃないですか?」


「いや、信じるなリーベルト。さっき調べたら北海道にオーストラリア村というものがあった」


「でもチケットに書いてあるんですよ」


「陣内家の力を甘く見るなと言うことだろう。チケットを改ざんして自家用機で俺たちを北海道に連れて行くことなど容易なのだろう」


 ベクトルは違うが最近マスカラスマンと良崎はバカのシンクロを起こし息が合ってきている。キタキツネよりも人間不信のマスカラスマンも国内に一票のようだ。だがマスカラスマンの北海道説だとハイジさんの薄着の理屈が合わない。北海道なんてここよりも寒いのに? それとも北海道にあるオーストラリアだから薄着なのだろうか。死ぬ気か。


「おい、搭乗アナウンスだぞプロレスバカップル」


 凡リアクション。なにこいつら。二人して完全にハイジさんを躱すメンタリティを身に着けたの? それとも本当に付き合ってて照れ隠しでリアクション取れないのか? え……? そうなったら……。ハイジさんと水原さんは付き合ってるんでアレしてるだろう。それに加えてコイツらまでアレしてたらなんかすっげぇキショいんだけど。想像したくねぇ。アレというのはつまりプロレスごっこだ。こういう時は小林氏を見よう。俺はああなるんだから。ああいう形にステータス伸ばすんだから。


「まぁ、新潟ですよねぇ」


「いや、北海道だな」


「どっちにせよ1.4新日東京ドームが気になるんで、それまでには宿に着ければいいですよ」


「チャンネル入ってないだろうけどな」


「SNSとかの実況見て」


「ネタバレ見る派かよ」


「だって気になるじゃないですか」


 え、ちょ、コイツらマジで付き合ってるんじゃないの?


【自己批判】

東北もほとんど行ったことないし離島も種子島しか行ったことないがまだ日本だった。本当に未知の土地を書きます。

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