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【もう出ねぇ! 五・七・五の! 在庫がねぇ!】第11話 学祭バトルレボリューション その11

 狼藉仮面V2でベルトと最強の座を防衛し裏学祭終了。テントがあちこちで組み立てられ、文学部地下闘技場キャンプ地へと変わっていく。

 テーテレレー


「ん?」


 今回の裏学祭で賭けに勝ったのか水原さんと良崎とマスカラスマンはかなり派手にお金を使っている。極地観測ゼミの南極料理を食べていると、場内にファンファーレが鳴り響いた。


「さぁ学祭1日目お疲れ様でした。と、言いたいところですが、皆さまはもう少し見なければならない戦いがある! 『ポケモン大好きクラブ』プレゼンツ、スクールフェスティバルスタジアム! 8人のジムリーダーを倒し、初日に『ポ大ク』が誇る四天王に挑むのは、コイツだ!」


 舞台に顔と体型はさえないのに派手なTシャツのオタク3人とオタサーの姫が1人の四天王が上がって超ポーズ決めてる。そして係員に案内され、3DSを持った桜井が壇上へ。


「心理学科2年、桜井! さえないヤツかと思ったか? さえないヤツほどメチャ強い、それがE-sportsだ!」


 桜井が身内なので我々は興味があるが、桜井にもポケモンにも興味がない大半がステージをシカト。舞台上でインタビュー等のやりとりがあった後、桜井が四天王の一人を指名。テーブルにつき、両者ヘッドホンをかける。そしてワイプで抜かれる彼女サキちゃん。


「勝敗予想の倍率は」


 ウワァッと賭博のにおいを嗅ぎつけた裏学祭の賭け敗者が盛り上がりポケモンブースに殺到。ポケモンサークル会員が止めに入るが、勝敗予想のアドバイスを求められておだてられている。そういうマッチポンプか! ポケモンのギャンブルなら、ポケモンに詳しい人間に効くのが最適(ベスト)!


「さて挑戦者桜井くんと四天王マグナの手持ちを確認しましょう。桜井くんが左上から」


 りょう

・カプ・コケコ

・ミミロップ

・ファイアロー

・ギルガルド

・ルカリオ

・ガブリアス




マグナ

・ランドロス(れいじゅう)

・ミミッキュ

・サンダー

・リザードン

・ギャラドス

・ポリゴン2


「……と、なります。どう見ましょう」


「いやぁこれは挑戦者桜井くんキツいですね。全体的に技の通りも悪い上に火力が足りないんじゃないでしょうか。しかしルカリオがいますので、このルカリオがメガシンカをして『つるぎのまい』或いは『わるだくみ』でステータスアップをしてから畳みかけていくっていうのが一番ある勝ち筋なんですが、四天王マグナにはメガミミロップが『れいとうパンチ』なんかを持ってると刺さりますし素早さで上をとれるので、桜井くんはルカリオとミミロップのどっちがメガシンカかってところですよね。四天王マグナはサンダー、リザードン、ギャラドス、れいじゅうランドロスの4枚がひこうタイプですが、リザードンはメガリザードンX、ギャラドスはメガギャラドスへのメガシンカでひこうタイプを消すことが出来ます。桜井くんのアタッカーが物理気質なポケモンと思われるので、メガリザードンXで『おにび』を使う、れいじゅうランドロスとギャラドスのとくせい『いかく』で相手のステータスを下げながらポリゴン2で耐えたり、ミミッキュで『つるぎのまい』を積んだりになるでしょうか。桜井くんは全体的に火力不足なので、メガルカリオで積んでいきたいですが選出しにくいですね。解説の仕事を引き受けたはいいですが、この後どれぐらい試合が続くかわかりませんが、初戦から『いかく』でクルクルはこっちが疲れます。桜井くんの手持ちではファイアローがやはり不気味ですね。全盛期のハチマキブレバが使えないので、おにびで弱化しないアタッカーとしてなら十中八九Zです。しかしファイアロー、弱化したとは言えまだ素早い部類ですので、素早さととくせい『ほのおのからだ』と『おにび』を使ってやけどをばら撒く仕事があるかもしれません。四天王マグナ側も物理に寄ってるので、ファイアローの『おにび』の可能性を考えるなら、リザードンがXならメガリザードンXは確定で選出ですね。ただ、よっぽどファイアローにこだわりがない限り、ファイアローは来ないでしょう」


「四天王マグナのメガシンカはリザードンかギャラドスか。はたまたリザードンはXかYか! ただ桜井くんこれは非常に選出から厳しいです。ジムリーダーと8連戦してパーティメンバーが割れてますから。ジムリーダーとの戦いではゲッコウガ、テッカグヤ、バシャーモ、アーゴヨン、ボーマンダ、けしんボルトロス、メガサーナイトと言った定番ポケモンから、変わったところではイーブイなども使用したようですが、だいぶポケモンのグレードを落としてきた印象があります。四天王も4連戦となりますから、温存というところでしょうか。言い換えれば、このあとはそのあたりの定番ポケモンを使う可能性があります」


「というか、メンバーを変えずにこの後四天王連戦で勝ち抜きは不可能と言って過言ではないでしょう。こういう言い方をするのは本当はいけないんですが、ファイアローやミミロップで四天王に挑もうってのはちょっとナめてるでしょう。第六世代の環境ならまだ通用しても」


 だけどあんなかわいい彼女に応援されてポケモンのプレイヤー名を自分の本名にしてる時点で人間としては桜井がもう圧勝してるだろ。さらに客席で『帰ってきたウルトラマン』で実現したハヤタとダンの握手のようにサキちゃんと雨宮さんが握手。そして並んで座り、桜井に熱視線を送っている。桜井、クールな表情で見事四天王を一人撃破!


「これは惚れてまうやろ」


 桜井vs四天王←これを観てるサキちゃん&雨宮さん←これを観てる俺ら。


「これもミスコンの作戦の一環ですかね? 絶対に亀裂ビキビキですよ雨宮とサキちゃん。過ごした時間の長さvs“彼女”の肩書! 桜井への応援で大バトルですよ。激しく燃えるバトル! ピンチはチャンスだぜ! 起死回生、絶対に諦めない!」


 良崎先輩の下世話ブースト。だが、まぁ実際注目を集めているのは桜井よりも応援席の雨宮さん&サキちゃんだろう。美人が二人並んで座ってゲームしてる地味男を応援してるってだけでまず目を引く。


「おっと桜井くん手持ちを変えてきましたね」


・ジャローダ

・サザンドラ

・バシャーモ

・テッカグヤ

・ミミッキュ

・トゲキッス


「いやぁ総入れ替えかぁ! 地味な顔して勝負師だなぁ挑戦者桜井くん! 狙ってる形もバレバレですが、これは四天王二番手対策してないパターンですね。研究してきました、桜井くん。『ポケモン大好きクラブ』略して『ポ大ブ』は定期的に動画を配信してします。おそらく桜井くんは研究してきています」


 1戦目の地味な顔の男が地味なポケモンでトップメタ大破壊に大興奮の解説実況席。


「おっとぉ、ここで星野が登場だ!」


 そして応援席には星野! おそらくステージで桜井がやってることのすごさはイマイチピンと来てない雨宮さん&サキちゃん。それを解説できる星野がそこに乱入! 戦況が大きく傾くぞ。桜井は今、目の前の敵しか見えていない。だが、雨宮さん&サキちゃんにとってのその目の前の敵とは、互い! その戦いは、まず星野を味方につけることが出来るかどうか! そして星野は、雨宮さんの隣に座る。


桜井vs四天王

  ↑

星野‐雨宮‐サキちゃん

(左) (中)  (右)

  ↑

それを見てる俺ら


「やはり雨宮リードか」


「サキちゃんが少し憐れに見えてしまうほどですね。あのフォーメーションならサキちゃんを右端においてハブれますよ」


「それに、あの間に入ったら、一番惨めなのは星野だからな!」


 美人ビトゥイーン美人はキツイ。


 そんなこんなで桜井2連勝!


「コオリZ!?」


「コオリZ!? フェローチェ!?」


 桜井3連勝! しかし桜井本人は! 逆に応援しがいのないポーカーフェイス。ヘイトしか溜まらない。


「これもう星野が何かしらをポケモンサークルに渡してやってる八百長にしか見えないですね」


 桜井が四天王ラス1、姫を指名。倒せばなんと桜井がポケモン学内最強になってしまう。そうなったらサキは鼻た~かだかだ。なにせ、今はまだ桜井はサキちゃんのもの。明日雨宮さんのものになってるかは知らんが今はサキちゃんのもの。




【帰ってきたうぉくのふぉそみつ】

【帰ってきたうぉくのふぉそみつ】




「……」


「……」


 桜井:ライコウ@こだわりメガネ HP:60%

 四天王カナエ:メガバシャーモ HP:50%


「……」


「……」


 桜井vs四天王最後の一人、姫カナエ。互いにラス1である。


「……」


「……」


 解説実況も黙っちゃう超緊迫のこのシーン! 


「あのライコウ」


「ええ、色違いです。色違いのマスボ入りライコウということは……」


「雨宮から借りたライコウの可能性があるな」


 そうなのだ。雨宮さんは昨月の佐渡島への旅の途中で購入し、みんなでやったVC『金/銀』で色違いライコウと遭遇し、マスターボールでゲットしている。それを雨宮さんが『ウルトラサン/ムーン』に送り、そこから通信交換で桜井に送れば桜井が色違いマスターボールライコウを使える。


「ライコウって今どうなんです?」


「カプ・コケコがいるから無用の長物のハズだが、桜井のカプ・コケコが壁張りサポ型だったから、エレキフィールド下でのメガネ『10まん』ははまれば弱くはない」


 難しいがな。「せっかく雨宮さんから借りたし」ってだけのライコウ起用で学内最強になられたらポケモンサークル立つ瀬がない。




 バシャーモのまもる! ▼


 ライコウの10まんボルト! ▼


 バシャーモはこうげきからみをまもった! ▼


 バシャーモのすばやさがあがった! ▼


「さぁぁぁぁぁぁ……次の……一手です……」


「次に四天王カナエのバシャーモが『まもる』を決められたなら、バシャーモが『かそく』でライコウより速くなります。しかし『まもる』という技は連続で使うと失敗しやすくなってしまうため、次のカナエ選手のバシャーモが『まもる』を決められるのは約3割です。ここで『まもる』が決まらないと桜井くんのライコウの『10まん』でバシャーモが落ちます。もう両者、決まってるんですよ出す技は。降参しないなら出す技は決まってる。桜井選手は『10まん』。カナエ選手は『まもる』。3割の確率です。なんてすごい勝負でしょう。運ゲーです! 完全な運ゲーになりました!」


 バシャーモのまもる! ▼

 キンッ


「いったァー!!!!」


「2連『まもる』成功です!」


「さすが姫、ガードもポケモンも硬い!」


 ライコウの10まんボルト! ▼


 バシャーモはこうげきからみをまもった! ▼


 バシャーモのすばやさがあがった! ▼


「さぁここはもう桜井くん、姫の技の押し間違いに賭けるしかなくなりましたよ」


「あと『とびひざげり』外しもありますか」


 桜井がバシッと技を選択。両手を合わせて姫の押し間違いとバシャーモの『ひざ』外しを天に祈る。一方の姫は冷房が効いている地下闘技場だというのに冷や汗でビチャビチャだ。


 バシャーモのとびひざげり! ▼


 ライコウはたおれた! ▼


「ここでゲームセットです!」


 桜井と姫がヘッドホンを外し握手。やっと桜井が表情を崩し少し疲れたような仕草をとって姫と二、三言葉を交わす。なんだアイツ……。姫まで攻略するつもりか? 派手なのは円谷くんだが、実際の暴れっぷりでは桜井の方が上だぞ! 拍手万来の観客席にお辞儀して挨拶。そして応援席をチラッ。しかし、チラッ、だけでは、その一瞥が雨宮さんへなのか、サキちゃんへなのか、はたまた星野へなのかがわからない。或いはその三人に「やっぱり姫にしまーす」なのか? これ以上桜井ヨロコビ組が増えるようなら桜井に死を! ソイツが一番のクスリだぜ!


「なんか、本当に学祭終わった後に謝罪か弁明を聞きたいですよね」


「素でああであってほしくはない」


「このままだとマズイですよマスカラスマン! 陣内さんがキレます。そして来月桜井への禊が行われる羽目になって巻き込まれますよ。リヤカーを牽いてまだ行ったことない区まで歩くとかありますよ。そうなったらリヤカーを牽くのはあなたです」


「ああっ。マジでそれあるな」


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