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【もう出ない 五・七・五の 在庫がない】第19話 関越道0ビヨンド~新潟×離島~ その19

 ※佐渡島の旅進捗状況

1、トキ…未発見

2、ツチノコ…未発見

3、佐渡島図鑑 5/50種

4、歩行距離約10キロ

5、レア生物……未発見

6、メシの化け物に遭遇しない…未遭遇




「メェー」


 プロレス好きがツンツンイチャイチャし、3人のジャッキー・チェンが痛がる異常な空間に突然かわいらしい子ヤギが登場。


「お、子ヤギだぞ。癒されるなぁ」


「わぁ、かわいいですね。ね、トッピー。ウン、ボクニハ負ケルケドネー」


 しばし癒される当事者以外。


「子ヤギか。『となりのトトロ』ってあるだろ。あれで出てくるヤギってマジ怖かったよな。でも一つ気になるんだが、メイちゃんがいなくなってみんなで探すシーンあるだろう。あれで、池に浮かんでたサンダルが見つかって、メイちゃんのじゃなかった、ってだけでみんな安心するシーンあるけどアレ引っかかるんだよなぁ。メイちゃんのサンダルじゃなかったってだけで、どっかの子供が池に沈んでるかもしれないんだぜ!?」


 そして英雄さんがコロンボや古畑が気付いたらスゴイけど英雄が気付くとつぶやきシローのネタみたいに聞こえるネタ。


「青と黄色のスカーフ巻いてるぞかぁわいいなぁ」


「……青と黄色?」


 ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ……

 急に空気が張り詰めてきた。吸った息がそのまま肺に張り付くような緊張感が。

 ピーヒョロロロロロロロ~

 突如流れたオカリナのこのメロディは、歌詞をつけるならそう、「あんまりソワソワしないで」……。

 ハイジさんと小林氏が冷や汗をかきまくりながら目を皿のように見開いて音源に目を凝らすと、足元にゴージャスな日傘を転がし、セレブ用のサングラスを波紋戦士最強の女のようにかけ、口元にオカリナを添えた女性が一人。そして我々の視線に気づき、サングラスを外す。


「ごきげんよう」


「明星さん……」


 間違う訳もない、大学のラスボス・鬼畜お姉さんこと明星真琴さんだ。オカリナを鞄にしまい、華麗に日傘をさしてこっちにやってきて、子ヤギに触れる。かわいかった子ヤギが急に黒王(コクオウ)(ゴウ)に見えてきた。


「ごきげんいかが?」


「鬼畜お姉さん、違うんです。違うんですよ」


 小林氏が謎の弁明。だが鬼畜お姉さんは大学の影の権力者。今後、大学ヤクザという組織が結成されるなら、初代組長か次期組長は間違いない。というかこのままいけば理事は確実だろう。在学時は学祭のミスコンで前人未踏の4連覇を成し遂げており現在でも美しいまま、昨年は卒業生・職員としてミスコンに参戦した。全てにおいてスペックが高すぎるため、大学側から全力リミッターというものを課せられており、「パチスロ」「料理」「高橋留美子トーク」以外で全力を出すことが許されない。悪い人ではない、決して悪人ではなく、大学を負かすこともできるぐらいの人格者であり、超ハイスペックなのだが怖いことは怖いのである。ちなみにパチスロが大好きだがとんでもなく弱く、唯一の弱点である。それでも大晦日は唯一、オールナイトでパチスロが打てる三重県に飛び、ラムちゃんのコスプレで打ちながら年を越す。


「どうしたの小林くん」


「違うんですよ……」


 安心しろ小林氏。今のところ、小林氏の失態は早朝の無断釣りぐらいだ。ピカチュウなりきりパーカーは小林氏の失態ではない。


「本当に、マジ、違うんですって」


「大丈夫よ。今回は小林くんに減点はないわ」


「ホント、誰も悪くないんですって……」


 ピーッ! 鬼畜お姉さんが明星ホイッスルを吹いた。明星ホイッスルとは、鬼畜お姉さんがそれを吹いた瞬間に鬼畜お姉さんが審判になる笛である。


「彼らね」


 三人のジャッキー・チェンに手を向ける。ジャッキー・チェンたちがジャッキー・チェン特有のビビり描写も出来ずに素ビビり。


「もう少し頑張って。いえ、わたしが悪いんだわ。しかし事情があるの。陣内くん」


「はいごめんなさいもうしません本当にすみませんでした」


「あなた学祭の準備あるじゃない?」


「本当にすみませんでした。すぐ手伝います。手伝いますから許してください」


「その通り、早くあなたに手伝ってもらわなければならないの。でも、あなたは今こうやって佐渡島にいるじゃない? そして帰る目途も立っていない。でもそれは運営に問題があるからよ。それは即ち刺客。刺客である彼らの配置を間違えてしまったから、学祭の必要な人材がなかなか帰ってくることが出来ない。わたしの采配が悪かったのね。もう少し上手くできると判断したわたしが悪かったわ。円谷英雄先生」


 鬼畜お姉さんが英雄に美大生が持っているような細長いケースを手渡す。英雄がそれを開くと、中から日本刀が!


「おっとこいつは俺の相棒じゃあねぇか」


「持ってきましたわ。こうやってお話するのは初めてですね」


「おう」


 英雄と鬼畜お姉さんが悪手。暴力と権力が手を組んだ。


「それでは、一緒に陣内くんたちがささっと本土に帰ることが出来るように刺客たちのお尻を叩きましょう。まずは君たち、自己紹介なさい」


 鬼畜お姉さんの口調が変わると本当に威圧的。そしてリーダー格のサスペンダージャッキーが口火を切る。


「はい、えー僕たち」


「わたしはいないものと思っていいから」


 鬼畜お姉さん必殺“口挟み”。これをやられるとまずユーモアが消され、次に冒険心が消える。


「はい、えー僕たちは、学内最大手のお笑いサークルの、サークル内グランプリを突破した三人組です」


「そうなのー。トリオではないってところがポイントなのよね?」


 いないものと思ってくれと言った鬼畜お姉さん本人が相槌。英雄さん以上のハラスメント!


「そうなんですよー。我々は元々、ミツビシ、というトリオでコントをやっていました」


「面白かったわよね、ミツビシ。名前の由来は、三菱のエンブレムだったかしら」


「おっしゃる通りです。しかし、今はこの高城(タカギ)以外の、高城(タカジョウ)高城(タカシロ)の二人が、メルセデス名義で漫才もやる、という形になってます」


 セーラー服のJ(ジャッキー)C(チェン)高城(タカシロ)

 半裸のJ(ジャッキー)C(チェン)高城(タカジョウ)

 サスペンダーのJ(ジャッキー)C(チェン)高城(タカギ)


「僕たちがメルセデスでーす」


 タカシロ&タカジョウが挨拶。鬼畜お姉さんが戒めにやってきたのではなく、進行を円滑にするためにやってきたこと、そして学祭に向けて大きくアピールできることでジャッキー・チェンたちに勢いが戻る。


「で、このメルセデスはしゃべりの上手さと表現力が高い二人に任せて、ネタは僕、タカギがメインで書いてます。で、トリオのミツビシの時は僕もネタに参加します」


「本格派なのよ。コントでは東京03、漫才ではハマカーン! ネタを披露してもらっていいかしら?」


「では、コントのミツビシで」


「わかりました。では、ミツビシさんのコントですどうぞー」




【帰ってきたうぉくのふぉそみつ】

【帰ってきたうぉくのふぉそみつ】




 ミツビシは、それはそれは頑張った。タカシロがツッコミ、タカジョウがボケで漫才を披露するが、そこにタカギがタカギ、という謎のポジションで漫才に割り込み、自由気ままに話に参加してボケたり、タカシロより先にツッコんで一人で笑うなどをするが、漫才をしているタカシロとタカジョウにはタカギが見えておらず、全く無視して通常のまま漫才ネタを展開する。つまり、タカギがめちゃくちゃテンションの高い観客が一人、漫才のステージとテレビの間の謎の空間で漫才を見て楽しんでいる、というシュールなコントであった。設定も、作中作である漫才ネタもよく作りこまれている。


「普通に見入っちゃった」


 ハイジさんも素直な感想。


「お前ら、マジでいいじゃん。なんでジャッキー・チェンとかやっちゃうの。ネタで普通に行けるじゃん」


「そう上手くはいかないんですよ。必死こいてネタ作りこんだところでですね、脱いだヤツの方が受けるんですよ。不況なんですよ芸人も。必死こいてネタやったところで売れんのはイケメンか脱いだヤツ」


 実力者ゆえに腐りトガってしまったか、タカギ……。


「こっちが会議室や公園でネタ合わせしたりライブで場数踏んでやっと学祭でステージ出れんのに、俺らがネタ合わせやる時間と同じ分カメラ回してハシャいでるヤツの方が評価されてんですよ。お笑いってなんですかね。ウケるってなんでしょう。『演劇サークル』はいいんですよ。大学をPRするっていう役割がありますから。でもそうじゃないヤツらもいるでしょう。だから、ジャッキー・チェンも、正当評価されないことへの、一種の自傷行為なんです」


「タカギくん、大丈夫よ。キョウ☆ヘイくんなら、『演劇サークル』が道中潰してきたわ」


「マジっすか?」


 ハイジさんがグータッチ。


「塩まみれにしたまま群馬県のSAに放置してきた」


「アイツ、暴れることが面白いって思ってますからね」


 そりゃそうだろうな。ジャッキー・チェンズはマジで実力者。キョウ☆ヘイくんは迷惑行為をしてもカメラが回ってれば許されると思ってる馬鹿だ。


「まぁ、そういう訳で、俺らもジャッキー・チェンという手っ取り早いパッケージに行ったということです。俺たちがコントをします、漫才をします、ってネタ見てもらうよりも、3人でジャッキー・チェンのモノマネするほうが手っ取り早くウケるんですよ」


「なんだろうなぁ。鬼畜お姉さんがいるから優等生ぶるんじゃないが、お前らもっとやれるよ。キョウ☆ヘイくんなんかより1万倍面白いぜ。いや0倍だな。0にゃ何かけても0だ。でも、悪いな、一つ説教してもいいか?」


「はい」


「今のお前らって、YouTubeの自分らのチャンネルとか持ってる?」


「持ってないです」


「SNSのアカウントは?」


「個別名義ならありますけど、ユニットとしてはないです」


「そういうの、やった方がいいと思うぜ。知名度がなけりゃ売れねぇさ。知名度があっても売れねぇヤツもいるけど、お前らはそこそこやれそうな実力はありそうだ。ロマンチックツッコミとか最高だったよ」


「ありがとうございます」


「事務所に所属してる芸人でも自分で自分のPRはしなきゃならないだろ。ネタ書いてやる、までがお前らの仕事じゃない。ネタ書いてネタやって、それを広める広報までやってってのが一揃いだろ? お前らの怠慢なんじゃない。ツールの方が発展しすぎてそうしなきゃいけないんだ。職人気質の芸人は嫌いじゃねぇよ。でもいくらライブで評価高くて賞レース勝ち取っても、テレビで売れなきゃ銀行も金を貸してくれねぇ。そうなると、お前らがやることはジャッキー・チェンのモノマネをやって腐ることじゃなくて、ジャッキーのパッケージも使ってもっと名を売ることだろう」


 悪意のない、愛に溢れているが故のフルボッコ!


「でも、これ以上ジャッキーで売ると、もうジャッキーから戻れなくなる可能性もあるの。ジャッキーの人たちって認識されたら、そうなると骨太のコントや漫才をしてもみんなキョトンで変な空気になっちゃうわ。コントや漫才はいいからジャッキーやれ、ってなるのはかわいそうだわ。そういえばさっき、リーベルトさんに物申すことがあるって言っていたわね?」


「ツッコミ痛いんですよ。こっちはどつきもプロの技術でやってるんです。痛くないようにやってるんですよ。プロレスだってあれは見た目と音は派手だけどなるべく痛くないようにやっているでしょう?」


 良崎のビンタはやっぱりガチ痛いようだ。だがタカギ、腐りすぎてるぞ。トガりは必要だがイタいのはダメだ。


「それでは、ここで対決を開始しましょう」


「はい」


「ミツビシが、バラエティでワイプで抜かれたりワイワイやるタイプじゃなくてライブでキッチリとネタをやるタイプのトガった芸人だってことはわかってるの」


「はい」


「でも、陣内くんの言う通りまずは名を売ってから。それではここでの対決は、『叩いてコラえてじゃんけんポン』!」


 天を仰いだジャッキー・チェンズ! そしてハイジさん!

 叩いてコラえてじゃんけんポンとは! 叩いて被ってじゃんけんポンの亜種である。叩いて被ってじゃんけんポン同様、じゃんけんで勝った方には数秒の攻撃権が認められるが、この競技ではじゃんけんで負けた方に防御の権利が生じない。つまり攻撃をすべて受け入れ、コラえきらねばならないのだ! 過去の対決ではゴボウで殴る、ゴムでバチンってやるやつ、ヒゲが抜けるまでつねるヤツ、コブラツイスト、蒙古覇極道などが出た。


「タッグ戦よ。そして、わたしが審判として呼ばれた理由がここにあるわ。攻撃時間は5秒、しかしその5秒でやりすぎ、つまりオーバーキルをしたらその時点で敗北。オーバーキルの判断はわたしがするわ」


 鬼畜なようだがこういうところは鬼畜お姉さんはものすごくキチっとしているので、そういうところで卑怯なジャッジはない。むしろ公平を期することが鬼畜お姉さんの身上である。スペックが高すぎるゆえに不公平な全力リミッターをかけられている鬼畜お姉さんゆえに。


「じゃあ、タカシロとタカジョウ」


 ジャッキー・チェンチーム→タカシロ&タカジョウ


「ジャッキを使って知名度ジャキジャキアップ!」


「?」


 硬派で職人気質なミツビシのタカジョウ、一発ギャグに浮気!


「だからそういうのはウチでやんねぇんだよ」


 そしてトガったリーダーからダメ出し。


「リーベルト、行くぞ」


「はぁん? なんですか?」


「俺たちのプロレスを見せてやろうって言っているんだ」


「えっ!?」


「……!!」


 マスカラスマンの顔の見えている部分が真っ赤に紅潮! そしてマスカラスマンと良崎がお互いに目を合わせられなくなる。大丈夫だ! プロレスごっこ、じゃなくちゃんとプロレスって言ったからそんなに卑猥じゃない。


「べっ、別に深い意味はないんだからな!」


「もっ、もちろんですよ誰がお前なんかとっ! ……でも、プロレスが一番スゲェエンターテイメントだって知らしめるんなら、わっ、わたしがてっ手伝っても……いいですよ?」


「勘違いするな。プロレスのためだからな!」


 なんだこの見てて胸やけがするラブコメ……。二人とも知ってる人過ぎて感情移入ができなかったり出来すぎたりするからもう面白くもなんともねぇ。生々しくて不快なだけだ。


「でも……イヤァオ! ですよ」


「ああ! イヤァオ!」


 『演劇サークル』良崎&マスカラスマン


「えー、叩いてコラえてじゃんけんポン対決では、4人で同時に手を出して、勝利数の多かったチームが攻撃権獲得。二人とも勝った場合のみ、同時(シンクロ)攻撃が可能よ。チームのどちらか一人が勝った場合は攻撃可能なのは一人だけど、その場合はチームのどっちが勝っても、チーム内なら誰が攻撃してもいいわ。例えば、リーベルトさんがパー、マスカラスマンくんがグー、タカジョウくんがグー、タカシロくんもグーの場合、勝ったのはリーベルトさんだけど、攻撃はマスカラスマンくんがしてもいいわ。攻撃時間は5秒まで! どっちが勝ってどっちに攻撃権があるかの判断もシビアだから、気をつけてね!」


 星野がボソッと「女はさすがに殴れないからマスカラスマンだけやられる」と呟いた。そういえばそうか。マスカラスマン、早くも判断ミス。


「叩いてコラえてじゃんけんポン!」


 ジャッキーチーム攻撃権×1獲得!


「てぇぇいあぁ!」


 タカジョウがマスカラスマンにどつきツッコミ! バァァァン! と(イカヅチ)のような見てる方がヒくような音が鳴るがマスカラスマンはキョトン顔!


「?」


「プロの技術ですよマスカラスマン! プロの技術で叩いてるから本当に痛くないんですよ!」


「そういうことかコレ! すごいぞお前たち! 本当に痛くないぞ!」


 タカジョウが自慢げに手首をクイクイ。


「今度は俺の文化系プロレスを見せる番だな。叩いてコラえてじゃんけんポン!」


 ジャッキーチーム攻撃権×2獲得!


「お前かー!」


「それだ! っつってんだろ!」


 タカジョウがマスカラスマンの頬に顎から回り込んで下からはたき上げるオードリー若林ツッコミ! そしてタカシロは良崎の額を人差し指でコツンと一発、少女漫画のイケメンが女の子をからかう時のアレ! ネタでも披露した、ミツビシオリジナルのツッコミ、“ロマンチックツッコミ”だ!


「ロマンチックですねぇ。見た目はジャッキーですけど」


「すごいなコイツら! どの角度からでも痛くないぞ!」


「これ、もうジャッキーたちはお笑い捨てて本気で攻撃してこないと向こうの勝ちはないんじゃないでしょうか。プロの技術スゴイですよ。でもこっちは容赦しませんよ。叩いてコラえてじゃんけんポン!」


 良崎&マスカラスマン攻撃権×2獲得!


「これが天命だ!」


「親を恨みなぁ!」


 良崎がタカシロに打点の低いトラースキック、つまりただの後ろ蹴り、マスカラスマンがタカジョウにプロレスの方のプロの技術の痛くない逆水平! どっちもまともに入ったのかジャッキーたちは仰向けに吹っ飛び、ジャッキー映画でよくあるジャッキーが痛がって口をアオアオさせるヤツでリアクションをとっている。これは難しい! プロの技術を持っていない良崎の後ろ蹴りは大変危険である! まずはそれを声を大にして言わねばならない。世界最大のプロレス団体WWEでは、必ず番組中に「Don`t try this,at home」と、試合中に大ケガを負った選手たちの映像が流れる。それを良崎はやってしまった。しかし対するジャッキーチームはジャッキーのモノマネをする余裕がある。逆に言えば、良崎がそんな攻撃さえしていなければ、ジャッキーチームのリアクションは鬼畜お姉さんからシミュレーションファウルが出てもおかしくない。そして、そんなリアクションを取られたら良崎はますますヒートアップするだろう。危険だぞ、この試合。


「叩いてコラえてじゃんけんポン!」


 良崎&マスカラスマン攻撃権×1獲得! さきほどマスカラスマンが逆水平を打ち込んだタカジョウの胸板に同じく逆水平!


「てぇあこのぉ! ッッッ!」


 そして殴った良崎の方が手を痛める! プロの技術! 殴る方もプロの技術で叩いてるんですよ! 痛くないようにやってます。マスカラスマンを見てみろぉ同じ逆水平でもケロっとしてるぞ。そして一方のタカジョウは悶絶! ジャッキーリアクションも出来ずにのたうち回っている。シミュレーションファウルにも見えない。あれは「入った」かな。ここで鬼畜お姉さんホイッスル。


「リーベルトさん&マスカラスマンくん勝利ー!」


 敗れはしたが、鬼畜お姉さんが直々で来るぐらいだから大学側も猛プッシュなのだろう、ジャッキー×3もとい、ミツビシ。そしていまだに立ち上がれないタカジョウ! 審判が鬼畜お姉さんじゃなかったらオーバーキルで判定が覆っていたかもしれない。


「リーベルトの方が痛かった。マスカラスマンはプロの技術で叩いてきてた」


 虫の息で放った言葉はやはり「Don`t try this,at home」!


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