↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
60/146

【もう出ない 五・七・五の 在庫がない】第4話 関越道0ビヨンド~新潟×離島~ その4

 関越道の朝は早い。……早いのだが……。


「申し訳ございませんでした」


 女子全員、痛恨の寝坊! 良崎が髪ボサボサのメガネ姿で出てきて正座で先制謝罪。それに引き換え星野!


「本当に申し訳ないです。わたしがしっかりしていれば……」


「まぁ、女子が多少遅れるのはしょうがない。お化粧とかあるから。それ差し引いてこの遅刻はない。もう致命的な時間なのにリーベルトさんは寝起きのまま来てんだぞ!」


 ハイジさん八分ギレ。二日目で八分ギレなら明日にはもう満開ですな。


「まだ目を瞑るとですねぇ、自分の顔に憑りついた自分よりもハンサムな幽霊を必死に誰かに移そうとしている陣内さんの夢が瞼の裏でリスタートされるんですよねぇ」


 夢うつつ!


「まさかこんなに待つんだったらカブトムシでも取りに行けばよかったな。星野!」


「ふぁい」


「お前昨日から一人だけ時差ボケしてんだけど」


「海外行っちゃうぅ~?」


「ハメを外していいのはその日の宿が決まった食事の後だけだ。図に乗るな。お前はハメ外すタイミングすらも時差ボケしてるぞ」


「……」


 そしてまた星野さんも夢うつつ! キレのいい返しの一つもない! そんな夢うつつの星野の胸ぐらを夢うつつの良崎が掴み、反射的に星野も胸ぐらをつかみ返す一触即発の夢うつズ! そこから星野が良崎を殴ろうとするが振り上げた手で良崎の肩を叩くオカダ・カズチカ式クリーンブレイク。そして夢うつつのままハイジさんのご機嫌を窺う。


「……」


 表情は依然変わらず! 許されませんでした!


「雨宮!」


「はい!」


「お前は……なんもないか」


「すみません……」


 ハイジさんが腕組みをした。


「処分に困るなぁ。クレームが来ています。主にリーベルトとマスカラスマンになんだが」


「なにゆえに俺だ!」


 マスカラスマンは既にシャッキリ起きてる。朝のスクワットももう終わってるぐらいだ。


「3年生、4年生という高学年の人々があまりにも若々しいことをしすぎていると、1、2年があの年になってもあんなことしなきゃ学内では目立てないのか、とマジの無茶をする」


「まぁ、マジの無茶をさせているのは陣内さんと関わっちゃったからだからなんですけど」


「マジの無茶を実現させる陣内家の財力あってこそだ。絶対に真似させてはいけない」


 ※財力がないなら絶対に真似しないでください!


「よって今回はリーベルトはペナルティ免除。星野、雨宮、お前ら二人でペナルティだ。まずは雨宮。お前にはこれを被ってもらう」


 ハイジさんが雨宮さんに、ミル・マスカラスレプリカと簡易エッちゃんが禍々しく融合した禍々しいプロレスマスクを差し出した。


「お前は今から、悪のマスカラスマン、そう、その名もマスカラスマンベリアルだ」


「何ィ!?」


 本当の本家はミル・マスカラスだがマスカラスマンの本家のマスカラスマンが一番の驚き。


「いつまでだ? 俺の個性が死ぬぞ。雨宮のメガネという個性も死ぬんだぞ!?」


「案ずるなマスカラス。お前よりキャラ濃い奴なんてナメック星探してもいねぇ。それに雨宮のメガネは死なない! なんとマスカラスマンベリアルのマスクは、耳が出るのだ! メガネをかけられるぞ! プロレスマスクの上からメガネ! なんという個性! もう北海道移転後の日ハム歴代センターのような個性だ!」


 新庄→稀哲→糸井→陽。確かにスゴイ個性だがなんでナメック星よりスケールダウンしたんだよ。


「シャキーン! マスカラスマンベリアル様だ!」


 遅刻したとはいえしっかり目が覚めてるのか割とノれてる雨宮さん。顔が隠れているからか普段よりはなんかがマシだが雨宮さんが前向きに何かやるとなんでもつまらなくなるなぁ。


「まずはお前を殺してやろうか!」


 マスコット+プロレスマスク+メガネの強烈なビジュアルと声のハリから出る捻りのない脅し文句!


「じゃあ、そういうことで、リーベルトは抜きで、星野とマスカラスマンベリアルでなんか面白いことやって今日始めまーす」


 金のかからないムチャもあるじゃないか!


「面白いことするまで今日始まりませーん。もう早めに出発して渋滞避けるとか無理だからしませーん。手遅れ手遅れ」


 ハイジさん結構キレてると見た。


「雨宮と面白いこと……。ワーイ! オイラは面白いこと大好き少年だよー! 面白いって最高だぁよぉね! あ! こんなとこで、面白発表会があるぞぉ!」


 無茶からの無茶! 星野、手は汚さず雨宮さんがとにかくきつい! 


「ワーイ! 俺様はマスカラスマンベリアル様だ! お前からぶっ殺して、次はお前をぶっ殺してやろうか!」


 雨宮さんの中ではマスクを被るだけで面白いのだろうな。手ごたえを感じているようだ。面白の代表格、被り物をするだけで、いい感じに受けると彼女は思っていたのかなぁ。でも誰も彼女にパスは渡さない。それだけではそんなに面白くないというコミュニケーションも取れていないようだ。アイツ英語はできるのか? だからそれを見ている俺たちはもう、痛々しくて痛々しくて……。良崎が泣きそうになっている。きっと女子勢の目も覚めただろう。ただ雨宮さんだけは夢うつつだけではなくマスカラスマンベリアルの幻影という別のものからも目を覚まさなきゃいけない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。