表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
55/146

【それぞれの 思いがあるから さておいて】第4話 アンチマテリアルライフル選手権 その3

「アッハッハッハ。これはたまんないなぁ。病みつきンなるね。これこそまさに特権(トッケン)!」


 アンチマテリアルライフル選手権は司会者の味を占めた星野さんの進行でお送りしています。


「暑い~」


 これまで小林氏が得点に絡んでいないため全く動けていないSッ気のありそうなマドカちゃん、自分から動く。スピーン! とヒールをスコープの前にかざして挑発。


「あぁ~生足魅惑のマーメイド!」


 なんだこのおかしな空間。ダブルバトルでカプ・レヒレvsミミッキュの先発でカチ合ってミストメイカー発動後、先手を取ったレヒレが『雨乞い』で場を雨状態にし、後手ミミッキュのトリックルームでミストフィールド発動の雨状態でトリックルームみたいな謎空間。


「クイズを続けましょう。陣内!」


「じゃあ『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』が入る余地なさそうな『懐かし』で行くか」


 うむ、そうだな。懐かしならば、比較的最近の番組である『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』は入れないし、戦国時代を懐かしむほど留年している者もこの場にはいない。


「問題です。『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』を手掛けたスタッフがテーマをウルトラマンシリーズにして制作した番組『ウルトラゾーン』のドラマパート、『THE() LOVE(ラブ)』にも登場したニセウルトラマンの正体とは?」


 バキューン! 小林氏回答権獲得。


「ザラブ星人!」


「正解!」


 小林氏―2ポイント


「あずきバーで」


 Sッ気のあるマドカちゃんがあずきバーとバケツを星野から受け取り、自分ごとバケツの氷水を小林氏に浴びせる! これは涼しい!


「なんだこれは!?」


 急に氷水を浴びた小林氏、混乱!


「小林って‐留っしょ? オヤジ顔だし超頷ける。マジ老人の冷や水。もう学生的にも社会人的にもその年齢でその顔って終わってるっしょ。サヨナラゲーム、イェーイ」


「冷や水って君ねぇ!」


「あーはいはいアイスバケツチャレンジアイスバケツチャレンジ」


 これもう全くコケティッシュじゃない。マドカちゃん必死過ぎるだろう。マドカちゃんの白くてなまめかしい体を伝い、水がどんどん小林氏に降り注ぐ。


「女の子の体経由ならなんでも喜ぶとでも思ってるのかい!? 僕たちぁもうニキビ面の高校生じゃないし、無礼講破天荒キャラなんて流行んねぇんだよ!」


 小林氏ブチ切れ! 本当にもう、それな。俺たちもこの年齢になると「オールっすか?」って聞いてくる1年生に対してまずは自分の胃と相談する。まぁ、俺は1年生と話したことねぇけど……。


「桜井くん怖いわぁ」


「はーいOKOK。じゃあこの桜井くんが扇風機と日傘とってきてあげるからねぇ」


 桜井は何か悟ったのかあしらう様な声。


「ほんまに桜井くんに指名されてよかったわぁ。男前やし、浴衣着て鴨川の納涼床でお冷でも飲んではったら惚れてまうわ」


「はは、俺は至って普通のフツメン中のフツメンだよ」


「何事も適度がええんよぉ」


 一方でミサキちゃんはキャラも指名者も超アタリと言えるだろう。桜井は完全にハマリに入っている。一周先に行くことでフェチを超えた無我の境地に至っている。


「じゃあ小林、ジャンルを」


「『芸能』!」


 芸能か。まさに『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』の主戦場とでも言えそうなジャンルだが実は!  『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』の出演者は知名度が低すぎる!  『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』が絡むと一般的な芸能とは少し毛色が異なるマニアックな問題になってしまう。さすがにそこは自重するだろう。


「問題です。以下の名台詞を何かの映画、ドラマなどで演じた俳優は誰でしょう!」


 すぅと雨宮さんが息を吸った。


「あぁー! そんなのありかよぉ~! 冗談っぽいですねぇ~。ゴメンナサイ。そりゃ選択肢としてはありだろうが、選ぶなよぉ~」


 『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』は逃れたが既に偏りが! バキューン! 桜井回答権獲得。


「高橋一生」


「桜井の回答は、『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』を手掛けたスタッフがテーマを戦国からウルトラマンシリーズに変更して制作した人気番組『ウルトラゾーン』のドラマパート『ホシの招待状』で主人公の探偵を演じた高橋一生……正解!」


 桜井―4ポイント

 もっと代表作あるだろうが!  『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』から金銭でも授受してるのか?


「お冷酒!」


「いや、さすがに酒はねぇんじゃねぇか?」


 ハイジさんのツッコミが入るが、鬼畜お姉さんがお猪口をミサキちゃんに渡す。


「待った! ミサキちゃん俺がじゃんけんで勝ったらお冷酒飲んでいいよ」


 本格的な舞子遊び! どこで覚えた桜井! やったことあるのか?


「ええよん。やぁきゅぅうすぅるならぁこぉういうぐあいにしりゃさんせ~あうと、せぇふ、よよいのよい」


「よい! シャア!」


 ミサキちゃん→パー

 桜井→チョキ


「はぁ。火照ってまうよ~桜井くぅん。次は冷たいものにしてや」


「オッケェ~イ」


 先がないと思われた芸能コースの女子、ミサキちゃんだけはまだ遅くないなら舞子さんになろうよ。見事な桜井転がしだ。まるでネイマールの如し蹴鞠!


「じゃあ桜井ジャンル」


「マニア10!」


 禁断の扉マニア10が開く……。


「問題です。週刊少年ジャンプで連載されていた漫画『BLEACH』の主人公、黒崎一護の卍解……」


 バキューン! 小林氏回答権獲得。


「“天鎖斬月”」


「不正解! お手付きペナルティは……規定はないんだけどどうするマドカちゃん」


「アイスバケツチャレンジっしょ」


「オッケェ~イ」


 マドカちゃんが星野からアイスバケツを受け取り、ひっくり返さずそのまま小林氏の背中に落とす!


「ぐはぁ……なん……だと……」


 マジ悶絶。


「最後まで問題聞けよクズ。卒業はちゃちゃっとできないのになんでクイズは早くイっちゃうんだよクソジジイ!」


「おいこの娘大丈夫かい星野さん!? 『家庭の医学』に記載のある精神状態じゃないかい!?」


 星野さん大爆笑。


「問題は最後まで聞こうよ。じゃあ続きを雨宮」


「はい、問題です。週刊少年ジャンプで連載されていた漫画『BLEACH』の主人公、黒崎一護の卍解“天鎖斬月”が登場するまでに登場した卍解を、登場順に答えてください」


 バキューン! 桜井回答権獲得。アイツの場合は外して詰られても京都弁で詰られるからどちらかと言えばプラスだ。怖いものが何もない。アイツはもうミサキちゃんになら何をされてもいいと思っているだろう。


「“金色疋殺地蔵”“狒狒王蛇尾丸”“千本桜景厳”“鈴虫終式・閻魔蟋蟀”“黒縄天遣明王”“天鎖斬月”」


「……正解」


 桜井―14ポイント


「線香花火ある?」


「それがあるんだなぁ」


「ああミサキちゃん連れて一緒にビーチで線香花火してぇ」


 円谷くんがフッと鼻で笑った。


「なんだい、追いついてきたのは君かい。確かに君には似た空気を感じるよ」


「俺なんて全然、円谷くんほどイカしてないですからね。でもたまには勝たせてもらいますよ」


「いいじゃないか。でも全力は出せないよ」


「俺じゃ不足でも?」


「いや、スコープで遠くを覗いていたらね、あっちの木陰にみちるちゃんの軽自動車が停まっててさぁ。しかも乗ってんだよね。こんな日に中にいるってことはエンジンかけて冷房入れてるってことだからアクセル踏んだらこっちに突っ込んでくるかもしれないんだよね」


 円谷くん家族崩壊の危機。


「でもボクはわかってる。キミもそういう関係をミサキちゃんと作っていけばいいよ」


「……」


「お座敷遊びはここまでだ。マジでやろうぜ、桜井くん」


「本気出させてやりますよ。ミサキちゃんが見てるんでね。マニア10!」


 桜井、続けてマニア10で勝負に出る! ここで円谷くんに取られれば、円谷くんにプラス10ポイント、そして桜井からはマイナス10! 一気に20点差に広がる。白熱した試合になってきた。


「問題です。週刊少年ジャンプに連載されていた漫画『BLEACH』で、黒崎一護の卍解はメダライズできないので卍解させてはなぬというダーテンを得てハイリッヒ・ブファイル、ブルート・アルテリエ、ブルート・ヴェーネといった基本スキルからクインシー・フォルシュテンディッヒによるピスキエルの能力スクラヴェライで大暴れしたヴァンデンライヒのウェコムンド・ヤークトアルメー統括狩猟隊長の名前は?」


 これ練習したのかな。してないなら雨宮さんスゲェ! みんなでイマイチパンチが足りないと思われていたが、女子アナでも目指せばよくない?

 バキューン! 桜井回答権獲得。


「キルゲ・オピー」


「せぇーかぁーい! これはすごい!」


 桜井―24ポイント


「パラソル」


 雨宮さんから桜井&ミサキちゃんにパラソル贈呈。


「これは嬉しいわぁ」


「マニア10!」


桜井が続けてマニア10! 円谷くんを引き離しにかかる。


「問題です。週刊少年ジャンプの漫画『ドラゴンボール』の原作漫画に登場した技で、一つの技に漢字、ひらがな、カタカナが含まれている技とは!?」


 バキューン! と桜井速攻!


「ゴテンクスの連続死ね死ねミサイル」


「正解!」


 桜井―34ポイント


「あの座椅子みたいのある?」


「ミサキちゃんにビーチ座椅子を」


 アイス、お冷酒、パラソル、ビーチ座椅子。あそこだけ充実してる。


「次はグラサンとってくるよ。マニア10!」


「問題です。ゲーム『ファイナルファンタジー ディシディアデュアデシム』に登場するキャラクターのEXバーストで、原作には登場していない技名がEXバーストに設定されているキャラクターとそのEXバーストを2つ挙げよ!」


 バキューン! 円谷くん回答権獲得。


「ライトニングの『ゲシュタルトドライブ』とジェクトの『キング・オブ・ブリッツ』の2つでいいかな?」


「正解!」


 円谷くん―24ポイント

 そして桜井から10ポイント減点!

 桜井―24ポイント


「ゲームのことでボクに敵うと思うのは甘いぜ。リオちゃんに麦わら帽子を」


 シャイなリオちゃんがはにかみながら麦わら帽子をかぶる。あれもうやる人がやったらプロポーズできるレベルのカワイイ動作だ。円谷くんだけ見られないけど!


「手は抜かないぜ。マニア10!」


 これはもう不動心のスナイパークイズじゃない。桜井と円谷くん、二人のモテ男の意地をかけたバチバチとした殴り合いだ。


「問題です。この人誰でしょう?」


 バキューン! 桜井回答権獲得。


「マット・ガファリ」


「正解ってかなんでわかるの!?」


「クイズ☆タレント名鑑で見飽きた顔だぜ!」


 円谷くん―14ポイント

 桜井―34ポイント


「ミサキちゃんにスイカを」


 ビーチパラソルとビーチ座椅子とお冷酒とアイスとスイカとスナイパー。


「マニア10!」


「問題です。ゼットン、バラン、ゴジラを倒した……」


 バキューン! 桜井回答権獲得。


「平田昭彦」


「不正解! 焦ったな、桜井。雨宮、続きを」


 雨宮さんが咳払い。


「問題です。ゼットン、バラン、ゴジラを倒したことで有名な怪獣キラー俳優平田昭彦は、それぞれ岩本博士役の無重力爆弾でゼットンを、藤村博士役の特殊火薬でバランを、芹沢博士のオキシジェンデストロイヤーでゴジラを倒していますが、ゴジラシリーズ最後の出演となった真船博士役では何を研究していたでしょう!?」


 しばしの沈黙……。

 バキューン! マスカラスマン回答権獲得。


「『メカゴジラの逆襲』で怪獣のコントロールの研究をしていなかったか?」


「その怪獣の名は!?」


「チタノザウルス!」


「正解!」


 桜井―24ポイント

 マスカラスマン―11ポイント


「俺を忘れてもらっちゃ困るな。マニア10!」


「いや、もうクイズは終了です。最後は! 『救急救命! スナイピング心臓マッサージ』!」


 星野が宣言すると女の子たちがハケていく。ばいばーいとミサキちゃんも桜井に手を振って帰っていく。


「顔よく見たらそんなに可愛くなかったな」


「お前のサキちゃんに比べりゃそうだろうな」


 まぁでも舞妓さんは化粧濃いから。中学の修学旅行先の京都で、「舞妓さんは化粧濃いから美人かわかんねえし」と言っちゃった中山くんが先生に笑えるほど怒られてたし。

 ルール説明のメモを雨宮さんではなく星野が読み上げる。


「えー、戦場では戦友が死にかけることがままあります。そういう時には射線を切らないまま、動かせる位置だけで心臓マッサージをする必要があります」


「動かせる位置って、下半身しか動かねぇよ」


「そういうことで、動かせる位置だけで心臓マッサージをしてください。一応クッションはあるから」


 星野がスナイパーたちの腰の下に恵まれない男たちのための枕を設置。……道理で雨宮さんがルール説明できないわけだ。


「スタート!」


 パスパスパスパスパスパス!


「ハァハァ、ウッ!」


「アー」


「ハッハッ、フゥー」


 雨宮さんが目を背ける。見せられないな。特にそれぞれ彼女&婚約者がいるハイジさん、桜井、円谷くんは生々しすぎて見えない。そういう中で、小林氏だけがコツをつかんでいないというか、ぎこちないあたりやっぱりあの人、そういう経験ないっていうか不慣れというか……。


アンチマテリアルライフル選手権 最終結果


1位 桜井

2位 円谷くん

3位 マスカラスマン

4位 ハイジさん

5位 小林氏←ガンセキオープン確定


 収まるところに収まったじゃない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
小説家になろうSNSシェアツール
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ