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【転校生-! お前を殴らにゃ 気が済まん!】第6話 小林くんの記憶補完計画 うろ覚えヴァンゲリ その4

 序盤の山場を迎えたぞ、うろ覚えヴァンゲリ!


「これはわたしがまずやられるんですね?」


「いや、そうは決まってないから別に星野が『ヴァンゲリ』1号で行ってもいいけど?」


 星野が目を丸く見開いた。このままうやむやにパイロット役を避け、この先来るであろう『ヴァンゲリ』2号もうまくすり抜ければきっと『ヴァンゲリ』搭乗はないと踏んでいたのだろう。そしてこの後合流するマスカラスマンが『ヴァンゲリ』2号のパイロットだろうと計算してしまったのだろう。


「え……そういうのアリなの?」


「アリだぞ。だから次はお前が撃たれても別にそれは問題ない。リーベルトはもう結構やられてるからな。交代はルール上問題ない」


「くうっ……」


 星野がすさまじい形相で超速思考状態に突入! 現状を打破できるか!?


「大丈夫ですか星野。でも、どっかでやんなきゃいけないわけですから。受け入れましょう」


「そうだね、ちょっと待って……」


 マジ嫌がり。そうだろうな。あの角ばって透けた金持ちの灰皿みてぇなヤツ、屈指の強さだもん。


「フゥー、そうだね。わたしが行くしかないか……。そうだね」


 終わりの見えない牛歩強行軍の星野、ピコーンと何かに気付いた。


「まぁわたしは金持ちの灰皿のビームを胸に受けてもえぐれるものも焼け落ちるものもリーベルトや雨宮と違ってないから性的に映らないしさ……」


 悲しすぎる理由……と言うとでも思ったか! これは悪質だ! コンプレックスをイジられると義憤に駆られてしまう先輩リーベルトの優しい本能に付け込んだ悪質な自虐! 久々に出たな、この星野の卑劣な態度!


「……わかりました。じゃあ今回も私が出ますよ。……ッしかしお前、次それやったらもうわたしも擁護しないですから。お前がどれっだけ言われてももう割って入ることもありません」


「今のはねぇな」


 リーベルトさんと桜井くんも今のはさすがに許せなかった! 星野の今回のこれは本当にいろいろ失う結末になったな。


「そういうことで、リーベルトはチュートリアルを受けてくれ。あと星野、今のはマジでないわ。お前にはがっかりだ。ついでにネタバレイエローカードも出るスレスレだったからな。それでもなんでお前にネタバレイエローが出なかったかわかるか? 今、お前がその行為で失った信頼や関係のことを考えると、それにプラスしてネタバレイエローはさすがに気の毒だという判断だ。それほどのことをお前は今、やってしまったからな。星野。ここからが勝負だぞ。ここからが正念場だ。今失ったものは大きい。取り戻すのは簡単じゃない。反省してくれ」


 ハイジさんからもガチ説教。


「本当に今のはよくなかった。ごめんなさい」


 星野も反省。


「さぁ、反省案件があったということだけ覚えておいて気持ちはリセットしろ。連絡によれば雨宮は次も『ヴァンゲリ』0号で出るそうだから。そういうことで序盤の山場を迎えたが、俺たちはここで一度ヒゲを残して移動するぞ」


「なんだ、どこですか?」


「そりゃあもう特撮スタッフが全精力をかけて作ったvs金持ちの灰皿撮影現場だよ。ネタバレになるのでヒゲは連れていけない。それでもお前らだけでも連れていきたいのは、マジで頑張ってる特撮スタッフたちの姿を目に焼き付けてもらいたいからだ。だってこれ、ヒゲがこんな場面は記憶にないですねぇって言ったらなかったことになってバキッとお蔵入りになっちゃうから」


「あぁ、それは見ておきましょう」


 小林氏を残して移動。ネタバレ防止と特撮スタッフの頑張り見学であると同時にこれは『ヴァンゲリ』筐体のメンテ時間延長の気もする。この先危ない展開多いから。

 移動。


「おぉ、本当にジオフロントですよ!」


「ああ、ここが俺らの最新撮影スタジオ、第三撮影所だ。機密情報があるので質問は基本的にこのホワイトボードで答える。何か質問は?」


「カメラはいいの使ってるんですか?」


 ホワイトボードで回答。


「それがいいやつかわかんないですね……。聞き方が悪かったです。値段で言ったらどれくらいでしょう」


 ホワイトボードで回答。


「ほぉおぉ……」


 そういう反応しかできない数字が出た。


「あ、金持ちの灰皿出てきましたよ!」


「ああ、撃つ撃つ。音声は後で合成するし完成品も後で観せるから今はここで観ていこう」


「うわビル爆破してるじゃないですか! 煙が! 戦車もビルも溶けてる! マグマみたいになってますよ! すごいですねこれ! 本当に作ったんですか」


 見とれるほどの圧倒的技術力! これ鬱憤溜まってたんだろうなぁ! スキルはあるのに就職できなかった、そんなマイナスエネルギーがこういう機会と予算を得て公に“技術力”として日の目を見られたこの絶景と感動! 主役ではない名もなき“その他大勢”の誰かが作る“完成品”! そのメイキングに必ず彼らはいるのだ!


「これちょっと泣きそうになりますね。完成品はあるんですもんね? ちょっと『ヴァンゲリ』乗りながらこれの完成品を観るのが楽しみになってきましたよ」


「ああ。もう光学合成とか完ッ璧にやってあるからな! 見たか世界よ。これが取りこぼされた人材の力だ。世間からは1円に満たないから0円とカウントされた何銭かが……積もり積もって実現したこの『ヴァンゲリ』! 筐体の方もぜひどうぞ! 最新の体感型バトルシミュレーションアクション『ヴァンゲリ』! お買い求めはこちらから!」


 今思えばそういうシナリオか。特撮スタッフと『ヴァンゲリ』筐体製作スタッフのPRのためには一番リアクションがでかい良崎と悪だくみのヒゲをメインに面白おかしく使うのが一番効果があるというシナリオ。


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