【ロス・インゴ ベ~ルナブレス デ! ハポン!】第5話 クイズ! 賭博発見! その2
「じゃあ俺とマスカラさんで100点取るって形でいいですかね?」
「ああ。俺とお前で速めに100点取ったら雨宮には適当な問題を外してもらえばいいからな。雨宮にはとにかく場数を踏ませよう」
おいおいハードルえぐいな。
「それでいいな? 星野」
「うん、それでいいと思うよ。桜井は器用だから雨宮がどうにもならない時も桜井の2回目のローテが回ってきたときに調整できるし。な? じゃあマスカラスマン、とりあえず桜井にムチャぶりしてみなよ」
良崎苦笑。
「じゃあ桜井、ライブ感のある変化球しりとりをしよう」
これマスカラスマンに対する無茶ぶりだったのかな。
「ストレートのト、からな。じゃあ俺から。『とんでもねぇフォーク』。さぁ桜井!」
落ちるんだろうな! 速度もあって!
桜井が腕組み。
「く……『クルクル三振をとるシュート』」
おぉ、具体的に場面が想像できるすごそうな変化球!
「と……『とにかく曲がるカーブ』」
「『ブンブン振らせるスクリュー』」
「『由々しきカット』」
「マスカラさんもうやめましょう」
「そうだな」
桜井がタオルを投入するタイミングはいつもベスト。
「マスカラさん、クイズですよ」
「そうだな。俺も様子見で、星野クイズのスポーツで行こう」
2問目:星野のスポーツ(20点)
※現在の持ち点→30点(峰打ちまであと70点)
回答ローテ マスカラス
「問題です! これは、もうさっきのしりとりの後なら楽勝でしょうが」
星野さんものすごくリラックスした表情。これなら手首も切らないだろう。
「初めてメジャーリーグでホームランを打った日本人は誰でしょう!?」
「‼?」
「‼?」
マスカラスマンの硬直と同時に星野も凍てつく。
「ポジションは……外野か?」
「言え……ない。ヒントを言うならこれ割とマジで定番の問題なんだよ。本当によく出る。それを踏まえると、意外性がある選手だからイチローや松井ではない。え、何々? 答え言ってないじゃん!」
星野が威嚇戦隊能面ジャーの威嚇を受ける。確かに直接答え言ってないけどイチローと松井以外ってなったらもう、え、誰だ。怪しいのは城島、岩村、青木くらいか? 西岡とかじゃないだろうが……。確かにイチロー松井以降だと誰でも意外性はありそうだが、それはイチロー松井がホームラン打ってないわけがないからだ。となると、投手か? ……野茂? 野茂だ! そして、マスカラスマンは、不敵に笑った。
「野茂だ」
「正解!」
星野が良崎とハイタッチ。仲良くなったんだな、あの二人。仲良くなりすぎても怖いけどな、赤裸々になつきすぎた星野は「ねぇねぇ見てリーベルト!」とかいっては手首の断面とか写真で送ってきそう。
「そしてさぁ続け雨宮!」
「はい! では星野さんの歴史で‼」
3問目:星野の歴史(20点)
※現在の持ち点→50点(峰打ちまであと50点)
回答ローテ 雨宮
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「これはやってしまいましたねぇ……」
割り勘で一人1000円の罰金。良崎が右京さんみたいな仕草と口調になってる。
「ルール上は5人全員で合計5000円払えばいいんですが、負けが込むときついじゃないですか。なんか救済策はないですか?」
パフュームみたいなムーブから能面ジャーが王様ゲームの割りばしをサッと戦犯雨宮さんに差し出す。そして雨宮さんがスッと一本引くと、クジの先端に“漫才”と書いてある。
「良崎さん、これは」
「パッと見てわかりなさいよグズ」
急に辛辣! 良崎⇔雨宮間のパスワークがまだ不安。こういう圧力をかける役割も今までハイジさん持ちだったからなぁ……。
「漫才か……。誰かがやればいいの?」
星野が渋い顔で能面ジャーに尋ねるとOKっぽいムーブ。
「桜井」
星野が桜井を手招きし、星野がスマホを見せながらピンチで強打者を迎えたマウンド上のバッテリーのように。これは歩かせていいんじゃないかな。素直に1000円払おうよぉ。
桜井がしかめっ面で首を横に振り続ける。そして何回か横に振った後、渋々縦に振る。
星野が迫真顔、桜井が全盛期のザードのような爽やかで優し気なほほえみを浮かべる。そして迫真顔の星野がその桜井の首を片手で握る、なんかリアルに裏でやってそうで生々しくて笑うに笑えない怖いシチュエーション。でもあれだよな。全盛期ザードってルックス×歌唱力=の数値では芸能界史上最強クラスだよな。そこにさらに楽曲の良さも含んで
ルックス×歌唱力×楽曲の良さ=ザード力
だったらもう誰も勝てないんじゃないかな。
「僕が生き続ける事が、僕の運命だからだよ。結果、ヒトが滅びてもね。だが、このまま死ぬ事も出来る。生と死は等価値なんだ、僕にとってはね。自らの死、それが唯一の絶対的自由なんだ」
桜井カヲルくんか!
「カヲルくん、君が何を言っているかわからないよ!」
星野シンジ!
「……僕もだよ」
「そんな……君がわからなかったら僕もどうしたらいいかわからないよ!」
「……僕もだよ」
「カヲルくん、君が何を言っているかわからないよ!」
「……僕もだよ」
「カヲルくんは使徒なんだろう?」
「……僕もだよ」
「上辺だけでわかったような言葉でごまかさないでくれよカヲルくん!」
「……僕もだよ」
「やっぱりカヲルくんはちょっとおかしいのかな?」
「……僕もだよ」
「それは答えじゃないよ! きちんと答えを出そう!」
「……僕もだよ」
「成り立ってないんだ! 日本語として成り立ってないと僕は思うよ!?」
「……僕もだよ」
「うん、今の感じだ! もう一回やろう。じゃあ、君が何を言っているかわからないよ!」
「……僕もだよ」
桜井のザードのほほえみが消えた。そしてポケットから5000円をスッと抜いて能面ジャーに渡し、星野の手を振りほどいてから腰に手を当て怒気を孕んだため息をつく。クイズではキチンと役割遂行したのに巻き添え、そりゃ腹も立つ。
「これでなかったことにしてくれますね?」
金でなんでも解決できると思ってやりたい放題やって金をばらまいてきたハイジさん。そうやってばらまかれた金は安い。だが‼ 金がすべてを解決すると、そうは思ってはいない大学生の青年が、金を払ってでもなかったことにしたかった出来事が今起きた。
「でも冒頭の長台詞できたってことは桜井はネタの暗記とネタ合わせはやってると思われるんで星野を単独で戦犯にするのはおかしいですよね。ああ、もうそれ以上はいいです。お金は大事にしなさい。簡単にお金を出すような人間になってはダメですよ」





