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【やめるんだ! 利き手はやめろ! ブルガリア!】第11話 驚くなかれ! 大学発見 その9

「よぉし。お前ら何が食いたい!? 肉か? 寿司か!?」


「寿司ー」


「イタリアンー」


 ハイジさんの煽りに乗っかり盛り上げる良崎と小林氏。


「江戸前カルボナーラー」


「陣内のカキタレは黙ってろ」


 水原さんがちょっと乗った途端に星野がバーン! あまりに唐突過ぎて言われた本人じゃないのにハイジさんの心拍計が鳴る。やってきた目玉模様の白装束がハイジさんの首根っこを摑まえグリっと首投げ!


「これ細川がベニーにやられたヤツだ!」


「なまじ声がでかいと頭弱いのバレるぞ」


「クッソガキが!」


 ここで権藤教授が鬼畜お姉さんに何かパス。


「あらアケボシホイッスルだわ」


「アケボシホイッスル?」


「説明しましょう! アケボシホイッスルとは吹いた瞬間わたしが審判になる笛よ! そうね……。今の場合、陣内くんと星野さん、二人の言葉の汚さが目立つから、あまりにも汚い言葉を使った場合はアケボシホイッスルの権限でペナルティね。でもヒートアップする分には学生らしい荒々しさや若々しさが出るから構わないわよ。つまり汚い言葉チキンレースのかたちになるわね」


 汚い言葉封じられたらもう星野なんもできないな。


「どれくらいの基準で笛が鳴る?」


「星野さんは何故わたしにタメ口なのかしら?」


 星野一瞬凍てつく。


「ペナルティは! わたしたちは誰からも恨みを買っていません!」


 雨宮さんがルール説明を要求。被害者役とルール説明要求役で陣内政権から星野政権に移った後の水原さん役と良崎役を兼任か。


「今までの陣内くんと同じくらいのダメージのペナルティよ。星野さん、あなた兄弟いる?」


「一人っ子」


「……『一人っ子』?」


「……一人っ子……です」


「じゃあ星野さんの場合はお父さんかお祖父さんね」


 星野が右手で横に立ってた桜井のテンプルにホセ・メンドーサばりのコークスクリューパンチ! カーロス・リベラが(ピー)になった一撃だ! そして拳を傷める星野!


「……ッ!」


 すごい。ハイジさんは受難の際に自らがリアクションを取ることが出来たので、まだその「醜態」というリアクションを晒すことに慣れていない星野には時期番長は早いのでは、と思われたがちょっとずつちょっとずつイジられ要素を積み重ねハイジさんの言う「弱み」を出している! そしてリアクションがまだ弱い、というポイントも桜井への八つ当たりでカバー、今は及第点! そして八つ当たれ役としての桜井は鉄壁のノーリアクションを誇るため、その分リアクションが出た時のインパクトは大きい! そして八つ当たられの鉄壁のノーリアクションはオーバーリアクションよりも痛々しくない! マスカラスマンのエッちゃんの八つ当たられは着ぐるみで表情が隠れる、そして中身が普段プロレスで鍛えてるから素人の殴打なら大丈夫だろうという安心感がある。引退できるな! ハイジさん! そしてマスカラスマン!


「……まぁ、俺たちはさっき50万もらったし俺は金持ちだから多少の出費は大丈夫だけどお前らどうすんの? あぁ、雨宮さんは心配すんな。お前だけはちゃんとバイトとか金銭管理とか就職とかできそうだしいざとなったら本当に陣内のカキタレやればいいから。星野は発展途上国の下級労働者のタコ部屋で性欲処理ぐらいしか働き口見つからないだろうけど」


 ピィーッ!

 アケボシホイッスル発動!


「陣内くんに1ペナルティ」


 目玉模様の白装束がハイジさんの胸に頭突き!


「がほ……ッ今の、状況! 例えツッコミしてみろ、星野!」


「え……それマセラッティがやられたヤツだ!」


「60点」


 ひどい悪あがき。一応、後任のツッコミスキルを育てようと言う気持ちもあるのか。


「じゃあ、桜井、意気込み語れ」


「9時までには帰りたいです」


「なんだ、どうした」


「今日の金曜ロードショー『ナウシカ』なんで」


「面白れぇ」


 ピーッ! アケボシホイッスル発動!


「桜井くんに身代り一枚あげて」


 桜井―身代り一枚


「身代りって?」


「ペナルティが一回免除です。よかったわね、桜井くん」


「ありがとうございます」


 星野が舌打ち。


「なんで桜井はタメ口きいてよくてわたしはダメなんだよ!」


 コークスクリュー! 星野、鬼畜お姉さんとの息ピッタリ。地盤が固まってきてる。


「じゃあ次雨宮」


「はい! 今日は――(夜も更けてまいりましたね。ご近所迷惑にならぬよう、音量を下げてお楽しみください)――りたいと思います!」


「はい、そうですかー」


 思った以上に面白いこと言わなかった。


「それじゃあ、いい加減にジャンケンなさい」


「ちょっといいですか明星さん」


 星野が敬語!


「なにかしら?」


「ジャンケンは一本勝負で、後出しは負け、出さなきゃ負け。というルールでいいですか」


「いいわよ」


「わかりました。じゃあ行くぞ陣内!」


「なんだァ! 星野!」


 こんなボルテージの高いジャンケン岸辺露伴しかできないだろうな。


「だっさなっきゃまっけよぉ! ジャァ~~~~ン!」


 音頭を取りながら大きなアクションでゆっくり振りかぶる星野。ハイジさんもタイミングを合わせて大きく振りかぶる。


「ケッポッ!」


 星野が急にタイミングをズラしテンポが急に! 突如のチェンジオブペースでハイジさんが出し遅れる!


星野→グー

陣内→パー


「あっ」


「今の後出しですよね明星さん!?」


「いや今のは本当に汚ぇ! 星野! 今のは本当にありえない!」


 鬼畜お姉さん、少し首を傾げてからアケボシホイッスル発動。


「正直今の星野さんの卑怯さにはヒきましたが」


 卑怯なのは校風だからな。


「陣内くんが後出しをした事実は揺るぎませんし、星野さんの卑怯さも事実非常に巧い! でも一本勝負と認めてしまったのでどうしたものか。覆したかったら、陣内くんが面白く抗議したら陣内くんの勝ち、とします。面白くても面白くなくても陣内、星野両サイドにペナルティはありません。所謂チャレンジ制度ね。さぁ、どうしますか、陣内くん」


「保健室に貼ってあったポスターのいっぱいタバコ吸った人の肺ぐらい汚いぞ星野!」


「さぁ、星野さん。どこでいくら分食べますか」


 ハイジさん、敗北宣告すらされず!


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