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【やめるんだ! 利き手はやめろ! ブルガリア!】第9話 驚くなかれ! 大学発見 その7

7thステージ 芸能学部お笑いコース


 100人単位で囲まれた。


「ようこそ『演劇サークル』! ここでお前らにやってもらうことは『ザ・イロモネア』だ」


 『ザ・イロモネア』とは! 芸人力の極限が試される伝説にして究極のネタ番組である!

 観客の中からランダムで5人の観客が選ばれる。観客は自分が裁定者に選ばれたことは知らない! その5人を

『一発ギャグ』

『ショートコント』

『モノボケ』

『モノマネ』

『サイレント』

 で笑わせねばならない! どのジャンルをどの順番でチャレンジするかは挑戦者の自由! 第1~4のチャレンジまでは5人中3人を笑わせればよいが、ファイナルでは5人全員を笑わせねばならない!


「そっちは10人がかりで来い! もちろんチャレンジ成功したら100万円だ!」


 司会役の人はここまで屠られてきた経済学、お水、テーブルゲームの仇を取るかのようなケンカ腰で笑わせようとかそういう気が全く見えない。


「10人?」


1、陣内

2、水原

3、リーベルト

4、曾根崎

5、小林

6、マスカラス

7、鬼畜

8、円谷

9、深山

10、エーデル


「クソ卑怯者が」


 マスカラスマンが声高に叫ぶ。彼はずっとテンション上げ続け作戦をやっていたのでみんながマジギレして無口になってる時でもエアランニングをしたりレッドブル一気飲みをしていた。レッドブルにテンションを上げる効果があるかどうかはわからないが、マスカラスマン曰くレッドブルを大量に摂取すると心臓が破裂して死ぬらしく、いつ心臓が破裂して死んでもおかしくないほどのレッドブルを摂取することでスリルを味わいハイテンションを保っているのだそうだ。ハイジさんからスマホでエロ動画でも観てれば一番楽だろという提案があったがマスカラスマンはもう今月の通信料の限界を超えていて通信速度が遅いのでそれはできないそうだ。


「テンションをあげられずに笑いを取れるか! それに10人でやったら100万とっても一人頭10万だぞ!」


 ハイジさんが手招きして10人で作戦会議。


「10万は正直デカい」


 ズッシリ響く10万円という言葉。


「そして俺ら6人は心拍計がついてて、鬼畜はなりふり構わず笑いを取るなんて姿はさらせない。エーデルはその他大勢に笑いを乞うなんてプライドが許さないだろうし、深山みちるは……。だから円谷くん、頑張ってくれ」


「やっぱりボクかい」


 円谷くん、苦笑い。


「一応、俺らもアシストする。一回だけはペナルティ覚悟で助ける。いいか、作戦は……」


「サイレントは4回目だね。一発ギャグ、モノマネ、ショートコントで取った笑いの重ね、つまり天丼で狙える。モノボケは一番やりやすいから最後だ」


「わかってるじゃねぇか」


 エーデルと深山みちるが円谷くんの両肩に手を置く。


「わたしたちがついてる」


「ありがたいね」


 円谷くん、出陣!


「さぁ、一回目のチャレンジは!?」


「ショートコントにしよう」


 ファーストチャレンジ『ショートコント』


「……ハァ。なかなか仕事上手くいかないなぁ」


 円谷くん、一人芝居開始。その後、ちゃんと一人でそこそこショートコントをするも観客全てが凡リアクション! イタズラに時間ばかりが過ぎていき、『イロモネア』でよく見られる残り10秒からの悪あがき状態に! 円谷くん! 無様! 円谷インドア最強伝説もここまでか……と思われたその瞬間! 残り1秒で全員が大爆笑!


「クリアー」


 1000円獲得


「……」


 卑怯すぎる! 59秒までは絶対に笑わず悪あがきをさせ、最後の最後に笑って59×5秒分の晒し者にする気だ!


「さぁ、続くセカンドステージ、1万円! チャレンジしますか?」


「モチのロン!」


「ジャンルは!」


「一発ギャグにするよ」


 セカンドステージ『一発ギャグ』


「さぁスタート!」


 デデンデン!


 エーデルが前に出てブーツを脱ぎ両手にはめ、ぐったりした感じに。そして深山みちるが普段からは想像できないほどのハイテンションと大声で両手を振り上げ


「ガァァァイガァァァァァッン!」


 そして両手をクロスさせ振り払いながら


起動(きぃどぉぉぉぉぉぉう)!!!」


 するとグッタリしていたエーデルが急に元気になってブーツをカマ代わりにしてガイガンとなり大暴れ! しかし会場の反応は一つ! 凡リアクション!


 渾身のネタをやりきったのにウケなかった深山みちるとエーデル、円谷くんに全てを託し真っ白な灰となり後ろの方で目立たないように心掛ける。

 その後、円谷くんが一発ギャグを連発するも結局ファーストと同じで59秒まで悪あがきのパターン。なんという卑劣な公開処刑!


「さぁ、サードチャレンジ! 10万円! やりますか」


「やるよ」


「ジャンルは!?」


「モノマネ」


 サードチャレンジ『モノマネ』

 デデンデン

 

 再びエーデルが前に出てくる。


「白人モノマネ、ハーマイオニー」


 ものッスゴイうざいドヤ顔で


「あなたのはレビオサー! あなたはわたしが知る限りで一番優秀な魔法使いだわ!」


 ハイ、凡リアクション。エーデルさん顔真っ赤にして円谷くんに託す。エーデル……そうだよな。結局彼女も俺らとそう歳の変わらない若い女性だ。たまにハメ外したくなることもあるしいつか披露するための鉄板ギャグの一つくらいは用意してただろうしキャンパスライフへのあこがれもあるのだろう。こんな卑怯卑劣な大学ですまない。


「龍原砲と戦ったスタン・ハンセン」


 良崎が挙手してペナルティ覚悟で挑戦。


「ウィ!」


 ウィ、はハンセン要素なのだろう。そして良崎ハンセンは龍原砲のツープラトンの直撃を食らい失神! そう、有名なハンセン失神事件である。


「ウィ? ウィイイイイ!」


 気絶から復活した良崎ハンセン! ビーッと心拍計が鳴るが怒りに我を忘れたハンセンはそんなこと気にも留めず本能の赴くままに大暴れ! 観客席に殴り込み椅子をぶん投げ、近くの人にマウントを取って殴打の連打! 良崎はそのまま59秒まで観客席で殴る蹴るの暴行を続けたが、お約束通り59秒でクリア。


「フォースチャレンジ50万円! やりますか?」


「もちろんやるさ」


「ジャンルは!?」


「サイレント!」


 フォースチャレンジ『サイレント』

 デデンデン


 エーデルが再びブーツを脱ぎ、深山参報のエア起動合図でサイレントガイガンに! 一方の良崎も再び龍原砲vsハンセンをサイレントでやり、サイレントガイガンとサイレントハンセンが観客席で暴力の限りを尽くす! これでは59秒経つ前にサイレントガイガンとサイレントハンセンにより観客が全滅してしまうと判断されたのか、30秒ほどで向こうが音を上げクリア。


「次観客に暴力振るったら失格にします。さぁファイナルチャレンジ100万円。最後は5人全員を笑わせなければなりません。残ったジャンルは『モノボケ』! 挑戦しますね?」


「いや、棄権だ」


 円谷くんの発言に観客司会スタッフが非凡リアクション!


「どうせ最後は取らせてくれる気ないんだろ? だったらボクはここまでキミたちが獲得させてくれた50万円を持って帰るよ。ルール上問題はないだろう? だから棄権するよ」


 円谷くん大逆転勝利!


「二度と来んな」


 出禁にはなったが50万円はもらえた。いやぁあ! すがすがしいねぇ! 百人がかりで俺たちの心を折りに来たヤツらが逆に負けて50万払わされる! 超気持ちいい!


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