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【やめるんだ! 利き手はやめろ! ブルガリア!】第3話 驚くなかれ! 大学発見 その1

「うぃ」


「うぅーい」


 それはめんどい時のあいさつ、うぃ。


「そういう訳で来月から新しく生徒たちが入ってくるわけですが」


 ハイジさん敬語。そして集合場所が旧荒地テニスコート……というか開墾してからもう1年間経っているので旧荒地テニスコート改め荒地。これはハイジさんの思いつきじゃないタイプのアレだな。そしてそういうアレの場合は、実は我々としては助かる。大体都を出ずに済む。ハイジさん原因だと都を出る羽目になる。そういう訳で安心。水原さんの卒業旅行と題した連行とかでなくてよかった……って水原さん卒業? 身代りで陣内が卒業しろ。


「リーベルトさんのせいで我々が、いや、大学が非常に迷惑していることをリーベルトさんはご存じだろうか」


「はい?」


「こちらのボードをご覧いただこう」


「はい。なんにも書いてないですね」


「うん、だから今から俺が書くから」


「じゃあ別に見るのは書いてからでよかったですね」


「うるせぇな殺すぞムカつくんだよクソガキが! と思う陣内一葉であった」


 三人称でキレられてる! そしてそれでなんとなくスルーしちゃう良崎(バカ)!


「まずリーベルトさんがバカだね?」


「え? まぁ、あまり頭良くはないと自覚はあります」


①リーベルトがバカ


「そして君はバカであるにもかかわらずその見た目で学祭のミスコンで優勝。演劇部の『北斗の拳 乱世覇道編』に出演したり他のサークルの食レポに出たり、在学生代表でスピーチをしたりと、無知と生き恥さらしを重ねつつ知名度を伸ばし一躍大学の顔に。しかし我らが母校は元々知名度は高い上、地理や自然、学ぶ環境、教師陣、多彩なサークル活動と環境的に非常に恵まれた学校であることをよくも悪くもアピールしてしまった。まぁここはお前の働きを評価している人もいる」


②バカなのに悪目立ち


「そしてそれを知ったバカな高校生が我らが母校を目指す訳だ。バカでも入れるって」


③バカが集う。


「どう落とし前つけてくれるつもりだ?」


「どうって……」


「ちなみに」


陣内一葉 文学部日本文学科

水原銀子 文学部日本文学科

小林桜 文学部日本文学科

参座嘉文 文学部日本文学科

島村学駈 文学部日本文学科

(文学部日本文学科 偏差値60)


烏丸椿 心理学部心理学科

(心理学部心理学科 偏差値60)


明星真琴 家政学部食物学科

(家政学部食物学科 偏差値60)


「お前らの身近な先輩方の所属はこうだ」


「はい」


「ここでポイントなのが水原の出た高校な。偏差値72あるから」


「え、なんですかそれスカウター壊れなかったんですかその数値で?」


「端的に言えば今回はお前にそういう知性のない言動や行動を慎めっていう話だってことをこれから話すんだよ大人しく返事だけしてろ脳ザコが! と思う陣内一葉であった」


「その手で来ても次でキレますからね」


「偏差値72あってそこで首席だったヤツが偏差値60如きのところに来るってそりゃその偏差値60が60以上に価値のある学校だったからだろうが。お前はこの学校の歴史を知ってるか? 創設130年だぞ。敷地面積日本1位だ。確かに60くらいは狙いどころかもしれない。お前がどんな不正をして受かったかしらんが、まぁ――や――のヤツらとは違う方法で入学してきたことは知ってる。だけどさぁ。困るんだよねぇ。学校のさぁ、権威ってものがあるでしょぉう? 陣内家の人間は大学に進むんならここしか選ばない。日本の名家がそこまで入れ込むこの素晴らしい大学がさぁ」


「その名家の長兄ともあろうお方が――留とはとても恥ずかしいですね」


「それだけ長居したくなる大学だから。まぁ寛大な心で次の陣内家は安泰ですな、と評判のいい陣内一葉は可愛い後輩に来るそういうクレームに対してこう思うのだよ。ふざけんな! とね」


「はい」


「お前らが見た目がいいってだけで勝手に祭り上げて面白おかしくさせて目立ってきたらやれ知性がないだの大学の恥だのと言ってそんな勝手を言うヤツは許さんぞ、と。リーベルトにも大学を満喫する権利はある。本当に懐の広い大学ならそういうヤツが一人くらいいたってむしろいい宣伝になるじゃねぇかと思う陣内一葉であった」


「はい」


「と、いうことで、大学アピール! 『驚くなかれ! 大学発見!』」


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