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【このラオウ 涙はとうに 捨ててきた!】第8話 クイズ! スタービューコロシアム! その3

~ここまでのあらすじ~


「『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』!」

「『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』!」

「……『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』?」

「『戦国鍋TV 〜なんとなく歴史が学べる映像〜』~~~ッッッ!!!」


「不正解!」

「不正解!!」

「不正解!!!」

「不正解!!!!」


 毒霧!

 毒霧!!(2回目)

 毒霧!!!(3回目)

 毒霧!!!!(4回目)




「アッハッハッハ! お前それ盛ってたらグーパンだからなぁ?」


「いやいやいや! 盛ってないから面白いんじゃんこの話! なぁ桜井?」


 クイズ! スタービューコロシアムも盛り上がってきた。タカギがバクチを外しまくるのでその都度、同じチームの試食のプロ兼死んでもいい人のマスカラスマンがペナルティの毒霧(※口に含んだ緑・赤などの液体を霧状にして相手に吹きかけるプロレス技)を食らいまくっているが、タカギくんは平然! 他のチームは堅実に正解を重ね食事や防寒具を獲得し、他のチームの鍋で食べたりといよいよ野外の忘年会となってきた。これぞハイジさんの目論見だろう。


「……」


「……」


「……」


 しかしスーパースターチームの空気は最悪だ! 円谷くんがタカギに説教をかましたにも関わらず、タカギは一人よがりにお笑いの解説と見切り発車の不正解を積む。そしてペナルティはマスカラスマンが受ける。


「次、正解したら俺がマフラーもらいますから」


「あぁん!?」


 毒霧をポタポタと滴らせるマスカラスマンが半ギレ。


「年末年始にライブあるんで」


「で!?」


「喉痛められないんで」


「で!? 知らん! 自分で正解して自分でとれ」


「……」


「なんだその態度は? タカギ……。お前、それ先輩にする態度じゃないだろう」


「陣内さん、問題ください」


「タカギ! お前それ先輩にする態度じゃないぞ! スマン陣内! 俺が言って聞かせる」


 あまり上下関係で人に迫ったりしないマスカラスマンですらキレさせるタカギの態度よ! そして当のハイジさんは、豆乳鍋のところで良崎と指相撲をやってる。つくづく仲いいなあの二人。


「チッ、うっせーな。じゃあ行くぞ。問題! 『戦国鍋……ハイ、タカギどうぞ」


「『戦国鍋TV』!」


「不正解ぃ~。お前、もうそれオイシくないからな? 最後まで聞けよ。他のチームを見ろ。最後まで聞けばわかる程度の問題しか用意してねぇから」


 そして罰執行人であるドラゴンプロレスサークルのヒラサワが登場。マスカラスマンに5回目の毒霧が執行されるはずだが、何かハイジさんに耳打ちを……?


「なんだ? お前口くっせぇ! え、あ、そう。マスカラスマン。お前に二つニュースがあるようだぞ」


「いいニュースから聞こう」


「残念ながらどっちも悪いニュースだ。一つ、毒霧が切れた。もうない」


「ほう」


「もう一つは、何が何でも罰は執行するとのことだ」


「そうか」


 ヒラサワがミネラルウォーターの水を口に含む。もはやヒラサワを経た水をぶっかけるだけになってしまった。


「待てヒラサワ」


「!」


 技をかける直前でハイジさんが止めに入る。そして一応覆面プロレスラーで来ているのにクイズ主催者からも本名を呼ばれてかなりビックリしているようだ。


「やはり水は芸がない。水程度じゃかけられても……なぁ? かけられてイヤなものをかけねぇと罰にならねぇ」


 人の口を経た水は相当イヤだけどな!


「これで行こう。もうベットベトだ!」


 ハイジさんがヒラサワに差し出したのはすき焼きのタレの原液! ハイジさんが用意した高級なタレだ!


「やれ」


「!!」


「やれ。ダメなら熱湯な」


 そして普段から歳の力でハラスメントするハイジさん!


「行けるな? よしマスカラスマン! 構えろ!」


 マスカラスマン、すき焼きタレの毒霧を食らうために漢の仁王立ち!


「ブッフォン!」


 しかしやはり口には含めなぁい! すき焼きタレは味が濃すぎる! 舌が痺れたのか、ヒラサワがベロを外気に晒して冷やす。


「行けるな?」


「……。イッツォ!」


 ヒラサワ、またもや失敗。


「行けるな?」


「……。バロテッリ!」


 ヒラサワ、またもや失敗! だがハイジさんはやめさせない! すき焼きタレの毒霧が成功するまで、何度でもヒラサワにすき焼きタレを飲ませる気だ!


「行けぇ、ヒラサワ!」


「ザザ!」


 吐血のように何度もすき焼きタレを口から噴き出すヒラサワ。口の端からどす黒い液体が伝っている。だがヒラサワは諦めない!


「ネバーギブアップ、ネバーサレンダー!! ……ベロッティ!」


「もうやめろヒラサワ! 味覚が消えてしまうぞ! 熱き心はプレーで見せてくれ! 水の毒霧でいい!」


 マスカラスマンが悲痛な声を張り上げる。


「黙れ! どっかのバカが不正解を繰り返す限り、罰は止まらねぇんだよ!」


 ああ、これハイジさんと鬼畜お姉さんがよくやるやつだ。本人ではなく別の誰かを痛めつけることで、良心の呵責によってターゲットを追い込むこの手口。あの二人もつくづく仲いいな。




【帰ってきたうぉくのふぉそみつ】

【帰ってきたうぉくのふぉそみつ】




 ビッと良崎がボタンを押し、回答権獲得。


「これは決まったでしょう。『戦国鍋TV』!」


「……不正解だ。残念ながら美女(笑)チームに初の罰執行~~~!」


 良崎呆然。


「え? 女子なんですけど」


「女子でもだ」


「毒霧ですか? 毒霧か……でもキン肉バスターとかトライアングルドリーマーみたいに開脚させられるよりは毒霧がマシか……ね? 星野」


「んん? わたしが食らう流れ?」


「だってそう、お前年下じゃないですか。それに罰を食らう鬼畜お姉さんを見たいですか? その後に呼び出しからの陰湿グーパンチを食らいますよ」


「リーベルトが受けなよ」


「わたしはイヤですよ!」


「言いきった……正真正銘に最低なことを言いきりやがった」


 しかし星野もやらねばならぬと覚悟を決めたようだ。


「毒霧じゃないパターンもあるぞ」


 ここで天の助けのハイジさんだ!


「だから、毒霧じゃないヤツはキン肉バスターとか恥ずかし固め系でしょ? さすがに星野が可哀想ですよ」


「いや、プロレス技やセクハラじゃないヤツだ。ただし、これはチーム全員でやってもらう。それは、『次の得点まで関西弁』だ!」


 ビシッ!


 ※

 良崎……東京都練馬区出身

 星野……東京都文京区出身

 鬼畜……東京都中野区出身


「いいですか? わたしたちは3人とも東京出身です! 東京弁しかわからないんです! そもそも東京弁なんてものもないんですよお! あるのは江戸弁と標準語だけです! そしてわたしたちにできるのは標準語だけですよ! でもこれを断ったら毒霧ってんなら関西弁の方でお願いしますよ!」


 美女チーム(笑)、次の得点まで関西弁。


「ほないきまっせリーベルトはん」


「しゃあないのぉ星野」


「ほな大阪来たらアレ食わな、アレ。お好み焼きとタコ焼きでんがな! でも一番美味いんは女やな! 道頓堀行ったらベッピンの姉ちゃんぎょうさんおるでぇ」


「ホンマかなわんなぁ~。……オイコラァ。いつまでも見てんと早よ問題出せや陣内コラァ! 終わらんやろが! 楽しんどんのとちゃうぞボケェ! こんな生殺しみたいな所業、新世界のオッサンでもヘド吐くでぇ!?」


 鬼畜お姉さんは何も言わないという賢い選択。だが良崎が言ってくれただろう。「早く問題出せ」だ。


「うぃ。じゃあ行くぞ。サービス問題だ。え~、マメを煎じて淹れた黒くて苦い飲み物を冷やしたもので、スタバやドトール、タリーズで飲める飲み物はなんでしょう!?」


 ビッと鬼畜お姉さんが回答権獲得!


「アイスコーヒー」


「ファイナルアンサー?」


「ファイナルアンサー」


「……不正解~」


「!?」


 鬼畜お姉さん、まさかの不正解。だがこれでアイスコーヒーがハズレな意味が分からない。


「お前さん、関西人なら答えは“アイスコーヒー”やのうて“冷コー”やがな!」


「ダボがッ! ちょけとんちゃうぞ!」


 鬼畜お姉さんに代わり良崎憤慨! ハイジさん(東京都新宿区出身)の関西弁スゲェ癇に障るな! やりたくない関西弁をやらされてる人間の前で関西弁でチャラチャラする、これはムカつく!

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