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第8話 新入生歓迎会当日【後半】

~前回のあらすじ~


 無事にプレゼンを成功させたイベント部。あとは入部希望者が来るのを待つばかりだが…果たして?

 放課後、イベント部のメンバーは、自分たちの教室で入部希望者を待っていたが、一向に来る気配がなかった。


「やっぱりイベントを盛り上げるって趣向はハードル高かったのかなぁ…。」


「そんな事はない!ただこの場所が分からんだけかもしれんだろうが!」


「それはないだろ…。ん?」


 三人でどうして入部希望者が現れないのかあれこれ話し合っていたところ、余ったビラになんとなく目を落としていた山本が重大なミスに気が付いた。


「おい、このビラのお前たちの名前のところに、名前しか書いてないぞ、これじゃあ入りたいと思ってもどうやってコンタクトをとればいいのかわからないじゃないか。」


 みるみる顔が青ざめる部長と副部長。受け取る側のことを何にも考えていなかったらしい。そこに校内放送のチャイムが鳴り、もはや聞きなれた不良生徒のような喋り方をする男性教師の声が校内に響く。


『イベント部の吉田、結城、山本は至急職員室へ来るように。繰り返す…』


 突然の呼び出しへの反応は三者三様だった。


「入部希望者か!」


「やっぱり問題になったのかな…?」


「職員室嫌いなんだよな…。」


 職員室へ向かっている三人の前に宮野が現れた。


「ごきげんよう、イベント部諸君。部員は集まりそうか?」


 突然現れた彼女に、吉田と結城は驚いた様子だったが、山本は驚いた様子などなく自然に返す。


「イマイチってか、てんでだめだ。なんか用事か?」


「山本、お前に用があるんだ。校内放送で呼び出されてたから、わざわざここで張ってたんだ。おい部長さんよ、山本借りてくぞ。」


 宮野は吉田の返事も待たず、山本の手を持ち連れ去る。


「宮野さんそれはちょっと待て!というか山本も少しは抵抗しろ!!」


 吉田の抗議の声に山本が返す。


「詳しい話はあとでするから~。お前らはとりあえず職員室行って来~い。」


 唖然とする二人を置いて、山本は宮野に引っ張られながら保健室に向かった。


 保健室にたどり着くと、宮野は山本の手を放し言う。


「お前をここまで連れて来たのはほかでもない。田中に頼まれたからだ。おそらくは、昨日の返事をするつもりだろうな。二人きりで会いたいといわれたので私はここで待っているが、不審な音がしたら入るからな?」


「最後のところはいらないだろ。」


 山本はツッコミを入れながら保健室のドアに手を掛ける。


 中には、昨日の女子生徒、田中がベットに腰かけていた。彼女は山本が入ってきたことを確認すると、おもむろに口を開く。


「改めて自己紹介します。田中香織(たなかかおる)です。クラスは1-Bです。」


 自己紹介をしてから、ゆっくりと立ち上がり、まっすぐ山本のほうを向き軟らしい笑顔で話し始める。


「プレゼン、聞かせてもらいました。イベント部設立にかける思いとても素晴らしいと思いました。それで、やっぱり私には、イベント部の部員になるには志が低すぎて、お荷物になると思うので、入部はできないです。ごめんなさい。でも陰ながら応援していますからがんばってくださいね…って、どうかされましたか?」


 山本は、田中の話の途中ぐらいから俯いていた。彼は、感情を押し殺しながら、言葉を絞り出す。


「そんなこと言うためにわざわざ、呼び出したのか?」


 田中には、山本がどうしてここまで起こっているのか理解できていないようだった。そんな田中に構うことなく彼は言葉を続ける。


「さっきから黙って聞いてりゃ、志が低いとか、荷物になるとか。自己評価低すぎだろ。」


 山本に睨みつけられた田中は完全に硬直している。


「俺が聞きたいのは、できない理由じゃなくて、田中、お前の気持ちが聞きたいんだ!お前は、イベント部に入りたいのか?入りたくないのか?どっちなんだ!?」


 山本の気迫に田中は本音を言わざるを得なかった。


「そっ、そんなのやってみたいに決まってるじゃないですか…でも…。」


「言い訳はいらん!」


「はひっ!」


 完全に山本がペースを握ったようだったが、ここで山本が落ち着きを取り戻す。


「怒鳴ってすまない…、頭に血が上ってた。」


 本当にすまないと、山本が頭を下げる。そんな彼に田中が恐縮して答える。


「いっ、いえ!うじうじしてた私が悪いんです。でも私が入ったって…。」


「田中?」


 山本が怒鳴り散らしたトーンで名前を呼ぶと、途端に固まる田中。


「さっきも言ったろ。言い訳はいらないって。そういえばプレゼンで言い忘れてたな…。一番大事なのはやってみたいっていう気持ちだって。」


 頭を抱える山本に田中が声を掛ける。


「ありがとうございます。山本さんのおかげで、決断できました。欠点だらけの私ですけど、入部させてもらってもよろしいでしょうか?」


 山本は頭を掻きながら答える。


「大歓迎ですよっと。しかし、欠点だらけってことは、いいこともたくさんあるってことだよな?」


「えっ?」


 突然の発言にきょとんとする田中。


「いやだってうちの部長は、後先考えないバカだけど、裏を返せば思い立ったらすぐ行動できる行動力の持ち主ってことにもなるだろ?ものは捉え方だって。」


 副部長の受け売りだけどな。と笑う山本に田中もつられて笑い出す。すると突然結城が保健室に駆け込んできた。


「山本君!大変なんだ!!入部希望の女子生徒が犬井先生のところに来たんだけど…。」


 結城の言葉を遮り、山本が口を出す。


「それならもう、イベント部発足できるじゃないか。ここにも一人入部希望者がいるし。」


 田中のほうを指さしながら結城に報告する山本。


「それはそれで嬉しいし、喜ぶべきところだけど、今ちょっと職員室が大変なんだよ!いいからちょっと来て!入部希望の君もおいでよ。君の意見も聞きたいから!」

 やっとこさ四人目の部員が確定しました。自分の無計画さと、文章力の無さ、語彙の無さと無い無い尽くしで萎え気味ですが、無いものねだりをしても仕方ないので、地道に、最後までやりたいと思います。


 次回は、五人目の部員となるであろう人物が登場します。吉田並みのトラブルメーカーの模様、大丈夫か、イベント部?


【人物紹介】


田中香織 保健室にいた女子生徒。山本達と同時入学だが、とある理由で留年、今は保健室通学中。自己評価が非常に低く、周りとも壁を作りがち。


 とある理由は今後、しかるべき時に明かされる予定です。

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