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-使い古しの人形-




僕 ユウは幼稚園時代

人形やぬいぐるみが好きでした

大きなト〇ロやし〇ちゃんの

ぬいぐるみが我が家にはありました


しかし喘息持ちと言うのもあり

僕は人形やぬいぐるみには

触らせてもらえませんでした

触れるのは親が仕事か買い物に出ている

ほんの僅かな時間だけでした

だから目一杯大切にして

目一杯遊んでいました


幼稚園を卒園する頃には

僕がもう触れないように

ぬいぐるみや人形は全て捨てられ

我が家にはもう無くなっていました


その時の怖いと言うか不思議なお話です

今思えば夢物語だったのでしょうか


僕の目の前には捨てられたはずの

人形やぬいぐるみがありました

驚くのはコレだけではありません

なんとぬいぐるみ達が自立してるのです


卒園し間もない僕です

好きなぬいぐるみ達と話せるのが

すごく嬉しかったのを今でも覚えて居ます

いや 今思えば有り得ない事でしょう

普通は怖がるべきなのだが

僕は怖がる事無く普通に話をし

捨てたことを詫びていたり

逆にぬいぐるみ達が色々と

僕の家の話を聞かせてくれたり


とにかく楽しい時間を過ごしていました


最後は手を繋いで歌を歌ったり

ぬいぐるみ達と抱き合ったり

子供からすれば夢のような時間を

長々と過ごしていました


「お別れだね…僕達を覚えててね」

そう聞こえた瞬間僕は

現実世界へと引き戻されました


母に聞けばぐっすり眠っていたとか

父はお前の夢物語だと言いました

少しの期間が流れ僕も小学校へ入学し

そんな事はもう忘れていました

約束なんてもう忘れていました


小学校へ上がり数ヶ月し

疲れ果てて布団か何かにダイブしました

寝たのか寝てないのか変な視界で

自分の意識はグルグルしてました


グルグルし始めて少し経った頃

僕はまたぬいぐるみ達に出会いました

ハッとその時思い出しました

僕はなんて馬鹿だったんだ

約束を忘れてしまうなんて


皆に謝ったけどケラケラ笑いながら

「まぁ仕方ないよね」「子供だしね」

なんて話してました

話す息のリアルさが肌に残ってました

2度目は少し怖さがあった気がします


僕の気を察したのか否か

ぬいぐるみ達は笑いながら

「次は忘れないでね?寂しいから」

って言って消えていきました


それから2度目に出会った時

多分この時は完全に夢だった気がします


僕は実は未だに忘れ切れません

またあの子等が出て来て

寂しげに笑う姿は見たくなかったし

何よりちょっと怖いから


それから何があったのか意外と

鮮明に記憶があるんですよね


過去の記憶は中学3年以降以外

今は全てうっすらとしか

記憶に無いのですが

我が家にあったぬいぐるみ達は

綺麗に記憶にあるんですよ



人形やぬいぐるみって

人の思いや願いを受けやすいらしいから

きっと僕は未練が強かったかと

遊びたいのに遊べないから特に

だから遊びたいって願いが

ぬいぐるみ達を動かしてのかもです

いずれにしても子供の頃自分は

何を考えて居たのかさえ

今になってはわかりませんね


怖いと言うより不思議な体験

実体験のお話でした


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