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-猫達の居る一角-




「ユウ…?何してるんだー?」


僕に話し掛けるのは

まだ小学校一年生の時

ちょっと仲良しだった男の子優夜君(仮名)

背が一番高くて野球が好きな男の子

優しくて強くて僕にも

仲良くしてくれてた

たった半年間の友人…

その後の事は深くは語らない


「あんねー…猫達に餌上げてるんだ

可愛いよぉー黒に三毛に茶虎ー

綺麗な花束もあるし」


「猫??」


僕はランドセルも背負ったままに

とある一角にしゃがみこんで

"猫達"と戯れる撫でたり抱きしめたり

でも優夜君には見えないらしい


僕にはきちんと見えるから

ムスッとしながら優夜君に怒った


「猫ちゃん居るもん!!」


「すまん…ごめんなユウ」


後日冷静になり聞いた話優夜君の目には

手向けられたのだろう

花束だけが見えたと言う

僕には猫も見えたが

優夜君は見えなかったと言い張る


仕方がないので

僕と優夜君は他の友人である

浩君(仮名)と大之君(仮名)と

4人で現場へと赴いた


僕には見える はっきりと

様々な色の猫達が

にゃあにゃあと鳴いてすり寄ってくる


「あっ!超可愛いじゃんかよ!!」


浩君がにこり笑って言い

僕と一緒にしゃがみこんで

猫を撫でたり抱きしめたりする

大之君も優夜君も固まって

青冷めた表情を浮かべる


だって彼等には見えないから


僕と浩君には共通点があった

とにかく猫が大好きだと言う事だ

草に足を絡まれた猫を助けた事もある

捨て猫を密かに飼った事もある

浩君と僕はとにかく猫が大好きなのだ


でも僕も浩君も

猫達が本当は存在しなかったと

思い知らされる事になる


それはまた

僕 優夜君 大之君 浩君で

現場へと赴いた時だった

ほとんど同時に僕と浩君が泣き出す


『ありがとう』


猫が喋ったのだ人間の言葉で

5匹 6匹ほど居た猫が

僕達の前から薄くなって

キラキラ光り消えていく


そこには少しだけ枯れた花束と

平缶に汲まれた水 平缶に盛られた

猫の餌だけがあった


僕達が見たのは何だったんだろう

確かに猫達はそこに居て

一緒に遊んで居た


猫がありがとうなんて

言う筈もないのに僕達には聞こえた


近所の方々の話では

死んだ野良猫を供養するため

お墓を作ったそうだ…


当時は野良猫が多く

僕は猫に好かれやすいのか否か

よく野良猫と遊んで居たので

見えたんだと思います


消えてしまい 僕自身が転校するまで

出来るだけ欠かさず

その猫達を忘れないように

手を合わせてから帰るようにしてました


転校後の今も猫達からは

よくすり寄られていたりします

自分と同い年の愛猫も

今は天国に居ますが

きっと僕を見てくれてると信じてます


だって自転車乗っていて

猫が飛び出してブレーキ使わなきゃ

青信号を真っ直ぐ行って

信号ギリ無視した

車に轢かれる所でしたもん


瞬間的に見た猫が

僕の愛猫と全く同じだったから




コレが僕自身の体験談

怖いと言うより少し感動モノかな?


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