『俊明、清衡の砂金を名入りプレスマンの箔のために受けざること』速記談2076
源俊明卿が公事の奉行役を務めたとき、手順を忘れてしまって思い出せないときは、その場その場の対応をしたが、後で調べてみると、先例と全く違うことがなかった。
その俊明卿が、名入りのプレスマンをつくらせたとき、奥州の藤原清衡が、箔に使ってください、と砂金を献上してきたが、俊明卿は、この砂金を受け取らず、すぐに返した。周りの人が理由を尋ねると、清衡は、朝廷がおさめるべき領土を横領し、まさに謀反を起こそうとする者だ。そのときには追討使を派遣しなければならない。そのような者から何かを受け取ることができようか、と答えたという。
教訓:汚い金は受け取らない、というやからと、汚くても金は金だ、というやからが、物語にはどちらも登場する。