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犯人

 カラカランと扉を鳴らし、加賀は喫茶クロエに入った。カウンター内の篤太郎と目が合う。

「いらっしゃい。どこ座る」

「待ち合わせなんで」店内を見渡し、窓際の席に目をつける。「あそこ行きます」

 席に着き、加賀はメニューを眺めた。手書きの「鶏肉トマト煮込み」が目に留まる。食べていくかと考えていると、入り口のベルが鳴った。

「すみません待ち合わせで」

 入ってきた客に目を向けると、加賀と同じ年頃の男性だった。声をかけられた篤太郎がこちらを示すと、彼は窓際にやってきた。

「和那?」

加賀は頷く。

「すごい。変わってないね」

「冗談だろ? 小学生以来で変わってない訳ないって」

「そっか! ごめんね」

「あぁ、うん。とりあえず何か頼もう」

 正面に座った藍にメニューを渡すと、加賀はボーっとしてしまった。苗字も顔もピンとこないのに、「ごめんね」だけは昔の記憶と結びついていた。


 その日、加賀が藍と出会った日。遠回りをして帰ったのは偶々だった。

「じゃーな和那! 明日はバスケしようぜ~」

 小学校から連れ立って歩いてきたクラスメイトたちが、手を振っている。分かれ道で加賀は左に、みんなは右に行くのだ。

「分かったバスケな」

 じゃあまた、と背を向けて歩き出す。後ろからみんなの話し声が聞こえてきた。

「今日お前クラブは? 無いの? 公園寄ってこうぜ!」

「毎日毎日なにすんだよ~」

「僕ありじごくやる」

 加賀も今日の習い事は無いし、門限だって公園で遊ぶ余裕くらいはあるけれど。振り返って「俺も行きたい」と言い出す勇気が無かった。

 何度もあったことだったが、その日は遊びに行けない理由をこじつけることも思いつかなかった。いつもは妹の遊び相手を、とか夕食が好物だから、とか早く帰った方がいいと自分を納得させられた。だが、今日は何も思いつかない。モヤモヤしたものだけが残っていて「いつもと違う道を探検する」という用事を作り出してしまった。

 通学路から一本だけ道を外れて、大丈夫ここは通ったことがある。次に曲がって、ここも車で通った。道を渡って真っすぐ歩くと、見慣れた鉄橋の下に出た。見覚えはあるけれど歩いたことは無い、その道に加賀は降りていった。

 日当たりが良く芝生もあって、小学生の加賀よりも小さい子が大人と遊んでいる。シャボン玉を吹いてキャッキャと笑ったり、転がって泣いたり。

 その中にぽつんとランドセルが置かれていた。横には背中を丸めて座っている子がいる。近づいていくと、小さく鼻をすする音がした。周りの風景と違う大人しい感情表現と、自分と同じランドセル。ただ心のモヤモヤだったものがその姿で「なんで俺もって言わなかったんだ」という後悔の形になっていった。

「はあ」

 わざとらしくため息をついてみる。だが、気持ちは収まらずに目に涙が溜まってきた。泣くようなことじゃないと思えば思うほど、反対に気持ちが膨らんでくる。

 ズッと鼻をすすった。彼がこちらを向いた。

「あっ」

 目が合う。お互いに目が充血していた。

「俺も、座っていい?」

 彼が頷いた。知らんぷりをして通り過ぎるには気まずくて、つい口から出たそのままに加賀は彼の隣に座り込んだ。

 しばらくは涙をハンカチで拭ったり、垂れてきた鼻水をティッシュでかんだりしていた。隣にいるのが誰かより、自分の気持ちに向き合うので一杯だった。

「ごめんね。僕が泣いてたから、つられた?」

 顔に涙が流れた痕を残したまま、彼は加賀に微笑みかけた。


「急にハガキなんて、どうした? 嬉しいけどさ」

 加賀が尋ねた。藍は「それは」と言って一息置き、テーブルのコーヒーを一口飲み込んだ。

「身の回りの状況が変わってね、自分のことを考える必要が出来たから。和那は印象に残ってる友達だから、会いたくて」

「へぇ、印象」

「僕にとってはね。どの場所でも和那みたいな人、出会えなかったよ」

「俺みたいって?」

「いじわるな言い方すると、泣き虫」

 まぁな、と加賀は笑った。そこに篤太郎が「本日の食事、トマト煮込みです」と二つの皿を並べた。会釈をして、また会話に戻っていく。

カウンターへ戻った篤太郎は、ケタケタと笑う加賀を見た。今朝とは大違いだ。妙に肩が張っていた加賀と、ヘルメットの男。少なくともああやって笑い合う関係ではなさそうだった。篤太郎はむず痒く感じながらも、口をつぐんだ。


翌朝、加賀は牛乳を飲んでいた。止まらない欠伸を噛み殺しながら、紙パックを空にした。口をゆすいだらベッドに倒れこむ。枕がボフンとへこみ、スマホが弾んだ。

 プルルルッ! スマホは着地すると、枕元を揺らし始めた。

「眠すぎるのに」

 大きく口をあけながら、加賀はスマホを取った。「もしも~し」と深い声で返事をする。

「加賀くんおはよ~」

「はい、おはよう」反射で答える。

「分かってる? 大樹だよ!」

「あ、おぅ。今わかった」

「じゃあ用事言うね! 僕、今日、朝から暇なんだよね。遊ぼうよ」

「そっか日曜か」

「だから遊ぼうよ。僕んち来てくれる? ちょっと気になる話もあるんだよ」

「分かった行く。けど、二十分待って。寝る」

 そう返すと、「やった! 待ってるから!」という大樹の声で通話が切れた。

 十五分のタイマーをセットし、目をつむる。「気になる話もあるんだよ」という大樹の声が頭を回った。結果、加賀はタイマーの鳴る頃に大樹の家に着いた。

 家の中に招かれ、目の前のテーブルには汗をかいたグラスで麦茶。同じものを大樹がゴクゴクと飲んでいる。

「俺入って大丈夫なの? 家の人いないけど」

 加賀が尋ねると、大樹は「うん」と頷いた。

「お父さんがいいって。広場の防犯カメラ見て、こないだの話、ウラどり? したんだって」

「君の父さん警察だったな」

「うん。でさぁ、これ見てよ」

 大樹はテーブルに小さな携帯を置いた。画面には二枚の顔写真が映っている。

「見にくいな」

 加賀がテーブルに顔を寄せると、大樹は「メールで送るよ。スマホ出して」と自分の携帯を取り上げた。連絡先を交換し、加賀のスマホに画像が送られてくる。

 片方の人物は狭山だ。もう一枚は加賀の見覚えがない人物だった。

「これ何の写真?」

「お父さんが『広場か研究所、どちらかでも見た人物はいないか?』って聞いてきた。おじさんの方は見たこと言ってないけど、防犯カメラに映ってるのは当然でしょ? 銃持ってて怪しいし」

「まあ、なぁ。で、もう一人の方は? 俺は知らない人だ」

「僕も。でも、聞いてきたってことはおじさんと同じくらい怪しいんだよ」

「これが気になる話か」

「加賀くん、おじさんと何か話をするって言ってたじゃん。それってあの化物のことでしょ」

 ジッと見つめられて、加賀は言葉に詰まった。そうだ、と言えば怖がっていた大樹をまたトメノウに関わらせることになるかもしれない。だが、違う、と言ったところで大樹の中で確信に近い考えを崩すことは難しい。

「そうでしょ。だから、力になろうと思って。だって、だってさ」

 目線を泳がせながら、大樹が続ける。

「怖いんだよ、僕。また化物がやって来るんじゃないかって。それを止められるのは、おじさんと加賀くんだけなんだ。きっとそう。お父さんだって……敵わない」

 だから、と拳を握る大樹。加賀はその拳にそっと手を重ねた。

「止めるよ。俺も自信があるわけじゃない、必ずって約束はできない。でも」

 大樹が鼻をすすりながら顔をあげた。

「同じことは二度と起こさない」

 ほらティッシュ、と微笑んで加賀は紙を差し出した。大樹は握っていた手をほどき、爪の跡が残った手のひらで紙に鼻をかんだ。

 麦茶のおかわりを入れて、二人はスマホをのぞき込んだ。見当のつかない顔写真をインターネットで検索してみると、いくつかの顔が並んだ。

「ん~」加賀は唸った。「元の写真がなあ、拡大したのか画質が悪い」

 年代、印象などはおおよそ同じように見えるが、ガビガビの写真と同じだと言い切れる顔は見当たらない。シュッシュと画面を動かしていくと、狭山の顔も現れた。

「あ、おじさん。狭山鉄だって」大樹が指さした。

「うん。こりゃあんまりあてに」

 その隣、瓜巣典秋。彼の顔が映った。

「この人、怪しさで言ったら満点だな」

 ページを開き、瓜巣の顔が大きく表示される。

「似てる? この人」

 大樹が携帯で元の写真を表示させ、二つの画像が並べられた。

「違うとは言い切れない、ぐらいだな。関連性は抜群なんだけど。狭山さんに聞くのが早いか」

「じゃあ今聞きに行こうよ」大樹がねだった。

「いやだ。大樹くん、君はあのおじさんに関わるのやめなさい。ろくなこと無いよ」

 加賀が諭すと、「へんな銃持ってるもんね」と納得したかに思えた。だが、大樹はにっこりと笑った。

「でもさ、事件を解決する方が大事でしょ! お父さんが調べてる二人は化物に関係してるはず。狭山おじさんは僕たちに力を貸してくれたし、残るは」

 ビシッと瓜巣を指差す。

「この人! 早く解決しちゃおうよ」

「まだ決まったわけじゃないけどね」

 ピンと指を立てたまま意気込む大樹に、加賀の眉が下がった。関わらせたくはないが、「早く解決したい」という気持ちにも応えたい。その妥協案で加賀は電話をかけた。

 数個の会話を交わした後、加賀は大樹に向けて声をかけた。

「狭山さん、リサイクルショップにいるって。行くか」

「行こう!」

 二人はそれぞれ自転車にまたがり、出発した。あの困った人のアジト廃病院ではなく誰でも来られる場所で会う、一旦の線引きをした。

 スマホに送られた位置情報の通りに進み、かすれた文字の「リサイクル」という看板が見えた。自転車に鍵をかけ、ヘルメットは抱えて中に入る。天井近くまで積み上げられた物体の数々から圧を感じた。

「大樹、ヘルメット被っとけ。危なそう」

 素直に「はーい」とヘルメットを被った大樹を連れて、加賀は店内を回った。奥からガチャガチャと音が聞こえてくる。脚立に登って高い棚を物色している人物を見つけて声をかけた。

「狭山さーん。何してるんですか」

「パーツ探しだ」狭山はそう答えて、持っていたレコーダーを棚に戻した。「前のように資金や伝手が潤沢なわけではないからな」

 脚立から降りて「何の話をしに来たんだ? 君まで」と大樹たちに問いかけた。

「調査ですよ。怪物を止めるための」

 加賀の答えに、隣の大樹も大きく頷いた。

「この人、誰だと思います? 見覚え有りませんか」

 加賀がスマホで荒い顔写真を見せると、狭山は目を細めた。

「んん、んー。これで個人を特定するのは難しいんじゃあないか」

「ですよね。じゃあ」加賀は瓜巣の写真を表示した。「この人だって言われたら、そうだと思えますか?」

「はッ?」

 狭山は目を見開いた。そのまま加賀を見つめる。

「なぜ、彼が出てくるんだ? ありえない、ありえないぞコレはッ!」

 狭山は声を荒げた。興奮したことに気づき、一息置いてからスマホの画面を手で覆った。

「済まない、取り乱した。これがいつ頃撮られたかによるが、最近のトメノウ騒ぎの最中だというなら瓜巣所長ではありえないよ」

 そう言い切って視線を逸らした狭山に、加賀は「そうですか」としか返せなかった。点々と沈黙が流れ、大樹は「ねぇ」と加賀の服を引いた。

 そのまま店の外まで引いていき、「あのさ」と話し始めた。

「なんであんなにはっきり違うって言えるのかな? あの写真じゃわかんないよね。化物とは関係ないって思えるほどいい人だった? 仲良かったのかな」

「どうだろうな。あの態度とか俺が聞いた話だと仲いい感じはしないし。あとは、物理的に無理な状態にあるとかか」

「病気とか?」

「うん、まぁそういうこと」

 二人はそこから次の手を考えた。

「僕とりあえず、お父さんが持ってた顔写真、あれがどこでいつ撮ったやつなのか聞いてみるよ」

「なら俺は瓜巣所長について調べておく。ネットの情報だけどな」

「よし、じゃあ次の調査はお互いの成果が出たらね! 遊びに行こう!」

 早く、と言わんばかりに大樹は自転車にまたがった。

「この近くだと」加賀は周辺を思い浮かべた。「確か大学でドローンの展示会やってた」

「行く!」

「楽しめるといいな。俺が案内するから着いてきてくれ」

 チャリチャリっとペダルをこいで、二人は大学の裏の駐輪場に着いた。自転車に鍵をかけて近くの入り口を覗くと、壁にポスターが張り付けられていた。

「あった。どこ行く?」

 ポスターに印刷された地図を指して加賀は尋ねた。研究棟に機体展示、体育館に操縦体験、グラウンドに空撮見学とある。

「僕は操縦してみたいけど、加賀くんは?」

「俺はいつでも見に来る機会あるから。体育館に行こう」

 たどり着いた体育館の入り口には学生が立っていた。中で幾人かのペアがドローンを飛ばしている。体験の説明を受けていると、蛍光色のビブスを着た人がドローン片手にやってきた。

「や、加賀! 甥っ子?」

 教室で見慣れた顔に「いや、ただの知り合い」と加賀は答えた。

「はじめまして。加賀くんの友達です」

「そうなんだ。俺も!」

 挨拶を交わしながら、大樹と同級生は中へ進んで行った。残った加賀はギャラリーへ登り、ふわふわと移動するドローンたちを眺めた。上下左右、糸でつられたように水平移動しながら、モーターの音を響かせている。

 その音の隙間から、少しずつ人の声が耳に刺さり始めた。窓の外から、高くて不安を煽られる様な声がする。覗いてみると、一方向に人が走って行った。

 加賀は下に降り、同級生に声をかけた。

「さっきからグラウンドの方が賑やかで、何人もこっちに走って来てる。何かトラブってないか?」

「え、マジ? ちょっと待って」

 加賀の疑問に、同級生はタブレットを取り出した。画面にグラウンドの映像が映って、ゆらゆらと不安定に揺れた。

「空撮係~そっち大丈夫そう?」

 返事が無い。ガヤガヤとした人々の声だけが流れてきた。「あれ?」と言って同級生はタブレットを加賀に預け、スマホで電話をかけ出した。

「あッ、これ!」

 のぞき込んできた大樹が声をあげた。加賀はコール音から、タブレットに視線を移す。

「端っこに、ほら今!」

 揺れる画面の隅、異形の怪物が二人。すぐに画面外へ出たが、鋭くとがった影が残っている。

「大樹、俺が行ってくるから、これでおじさんに電話して!」

 スマホで電話の画面を開き、加賀は大樹の手にタブレットと自身のスマホを押し付けた。加賀が体育館を飛び出すのと同時に、大樹は画面に並んだ番号から「狭山さん」と付けられたものをプルルルルと呼び出した。

 人の流れに逆らってグラウンドへ走る。近づくほどに人が減り、代わりに何かがぶつかり合う音が聞こえてきた。

 加賀がその姿を目撃した時、一人のトメノウが砕け散った。

「うッ」

 地面に突っ伏し、腹を貫かれたトメノウがその姿を無くす。大地に突き刺さった剣とその持ち主だけが残った。彼はひざの土を払い立ち上がると、剣を抜いた。

 その切っ先は加賀へ向く。

「装甲展開」

 迫った刃を銃で受け止め、はじき返す。銃身は抉れて石のように変化していた。

「なにしてるんだ、あんた」

 加賀は声をかけた。目の前にいるのは、羽のトメノウだった。

「スゥ」

 羽は答えない。ただ剣を構え直した。対する加賀は銃を腰に引っ掛け、拳を構えた。

 だが、結果は明白だった。長さのある剣を相手に、加賀は間合いに入ることが出来ない。辛うじて避けた剣先が葉っぱに触れ、固い石に変化していった。

 避け、避け、避け。戦いになっていない状況が続き、羽の太刀筋が荒れてきた。振り下ろし、突き出す。時折、苛立ちをぶつけるように自身の太ももを殴った。

 焦りと殺気。加賀は精神面でも押されていた。そこに、声が届く。

「加賀くん!」

 校舎から大樹が呼びかけた。三階の窓から顔だけを覗かせて叫んでいる。

「三門山に向かって! おじさんが人の少ないところで援護するって!」

 加賀は体の向きをずらし、山を背にした。後ずさりし、退避する形でしか場所を移せそうになかった。返事をする余裕もなく、避けて下がるを繰り返していく。

「大丈夫だよね、負け、ないよね」

 そう呟く大樹の視界には、誰もいないグラウンドしか見えない。風を切る音に時々鈍い音が混じり、ザッと砂を蹴った音が聞こえるたび心臓が跳ねた。音を追いかけて窓際を走る。

「ぐッ」

 加賀の声がした。その音が二重に聞こえたことで、大樹は手元のタブレットを思い出した。画面を覗くと、地面に倒れた加賀が足を引きずりながら立ち上がろうとしている。そこへ羽は剣を振り上げた。

「逃げて加賀くんッ!」

 大樹の声がグラウンドにも響く。加賀は咄嗟に横へ転がり、羽の剣は地面に刺さった。そのまま、羽の動きが止まった。

 羽がゆっくりと剣から手を離すと、刀身はサラサラと消えていく。彼は一歩、二歩と加賀から離れた。

「ごめん」

 そう言って彼が加賀の足に手をかざすと、石になっていた足がグルグルと動かせるようになった。それを見届け、羽は空へ飛び立っていった。

 後ろから大樹の声がする。振り返って、まだ遠い人影に手を振った。ほっと胸をなでおろした加賀の頭の中では、三つの影がひとつに重なっていた。

遅れて合流した狭山へ石になった銃を預け、加賀は大樹を家まで送り届けた。「いつでも電話してきていい」と告げると、大樹は「加賀くんもね」と返して部屋に入っていった。

 ひとり帰宅した加賀はスマホを取り出した。メッセージを打ち込んでいく。

「今度、家あそびに行っていい?」

 宛先は迫田藍。送ってしばらく、鞄を片付け冷蔵庫から牛乳パックを取り出して吸っていると、連絡が来た。

「いいよ。今週末が空いてる」

 加賀は「OK」と返した。ふぅーと長く息を吐いて、頭を整理する。何を、どう尋ねるべきかを考えた。


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