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異世界転生したらペットたちが美人のモン娘になりました  作者: 爆微風


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第七十四話 新たなる集い




 シーヴァとプチとユルギがレベルアップした!


 パパラパッパッパー♪

 とか考えてしまったゲーム脳。


 新しい技とか燃える展開なんだ…… けれど…… うむむむむ、まさか、神様側から恋愛問題が飛び出すとは思っても見なかった。


 この異界溢れ(パンデミック)という異常事態に、人々は今しかないと恋模様を描き、告白、成就、結婚…… といった加速度的なラブコメ展開は周囲に溢れているけどさ。

 その(さい)たるところがとなりでいちゃつく剣星さまカップルですけど。



「ご主人様。見えて来ました」


「うん。マウロスに来るのも久しぶりに感じる」


「城塞都市マウロスか…… お城の見本みたいな地形だね」


「キィクは初めて?」


「うん、大樹の里以外は全然……」


「そっか。なら、文字通り飛び回るから期待して」


「ははは、戦闘力は、あんまり期待しないで欲しいけどね……」


「そのうち、俺の実家と新しい街を見て欲しい」


「ああ、必ず」



 現在はソック伯爵領を越えてコビニ侯爵直轄領(ちょっかつりょう)を飛行中。

 いつものメンバーに加え、キィクが新たに参戦だ。

 しかしこの場にキヨだけは居ない。

 もしもの報せが王都に入った場合、それを知る手立てがなくなってしまうから一人居残りになってしまった。


 キヨとならば、離れていても『遠距離会話(トークスピーク)』という電話みたいな魔法を使うことで会話できる。

 あらかじめ決めておいた道具に魔力を込め魔石を埋め込むという手間はかかるけれど、とても便利。

 使い手に高い魔法技能を要求されるのが難点。



「コビニ侯爵領もだいぶ落ち着いたらしい。初期にタズマ殿が活躍したと聞くし、何か縁があったのかものぅ」


「止めてくださいよ、恐ろしい」



 ただでさえ、俺の心はメンバーの女の子たちへの接し方や、このところ可愛いさが増してきたチアキのコトで乱れているのに。


 許嫁とか言い出していた侯爵の顔がちらついて悪夢を見そうだ。

 あの令嬢にも、あんまり会いたくないが……。

 緊急時なのでそうも言っていられなかった。



 昨日、闘技神(バルファロス)の神殿での御告げで、あの黒幕がミミチ伯爵領…… 今は親族により分割され、別の名前になりつつあるが…… 第一侵源地の港町アーマトに潜んでいるという情報をいただいた。


 それを確かめるべくこうして向かっているのだが、アーマトは既に復興しかけている街なので、強襲するわけにもいかない。

 なので、となりのコビニ侯爵領から馬車に乗り換えて行くという予定になっている。



「はぁ。メリムお嬢様か……」



 超苦手。

 俺は口先合わせというか、言葉での言い争いなんかは割りと得意分野なんだよ。

 彼女はそうじゃなくて、自分のワールドをベラベラとしゃべりながら自分に良いように誘導してくるから。


 そしてそれがたぶん天然だから。


 そんな彼女の口調と可愛らしい容姿に惑わされる貴族は数知れず…… 趣味のための小遣い稼ぎに色々なことを請け負う姿も相まって"悪銭稼ぎ"なんて呼ばれてしまって。


 自分でお金を稼ぐってことは、とてもスゴイことなんだけどな。



「でも、苦手は苦手だ…… 何にもないといいけど……」




 ☆




「そんな期待は即潰えたぜチクショウ……」



 魔法の『遠距離会話(トークスピーク)』は何も個人用ではない。

 大都市の貴族は、大概『大鏡』などにこれを用いて通信用として設置してある。

 設置されている状態なら、固定した相手とのみ少量の魔力で会話が可能だ。


 そうした通信網が貴族にはある。


 これを使って一報を入れてはいたが…… まさか本人のお出迎えだよ。



「まぁ。まぁまぁタズマ様っ……♡ すっかり逞しくなられて……♡ 日々忙しくご活動なされて、噂はこの地へも届いております。勿論、タズマ様の勇ましさ、誠実さは誰もが知るべき事。得られた情報は民の平穏と安息に繋がりますので、一言一句余すところなく領民へと広めておりますのよ。ただ亜人趣味だとか姫を誑かしたとかという妄言が混じっていたことに苛立ちが禁じ得ません……」



 やや早口のこの情報量よ…… キツイ。

 是非ともチアキとしゃべっていて欲しいわ。



「お久しぶりです、メリムお嬢様。お出迎えいただき、感謝に絶えません。こちら剣星さま、このチームのリーダーです」



 笑顔で短めに挨拶して、剣星さまにパス。

 イヤそうな顔は一瞬、剣星さまも貴族らしくどうぞ。



「初めましてじゃな、アーメリエント嬢とは。コビニ侯爵は同門でな、園遊会などではよく話すが」


「初めまして剣星さま。男の世継ぎが居ないというお話をされるそうで。()()()()が男の子を産むのでお父様と一緒にご安心を。さぁさぁ、タズマ様。今日は取り急ぎ宴の支度を整えましたの」



 うわお、あの剣星さまをほぼスルー!?


 はっきりとした拒絶に苦笑いを浮かべてるよ。

 そして矛先がこっちに戻った……。



「あ、はい…… しかし私たちは急ぎ真偽を確かめねば……」


万事鋭気(ばんじえいき)を養ってこそ、ですわ。さぁ、こちらに!」



 貴族らしからぬ傍若無人(ぼうじゃくぶじん)な振る舞いを混ぜ、マイペースに俺の腕を引いていくメリムお嬢様。


 うーん、ニュータイプだなぁ…… 付いていけない……。


 しかし腕を取られているので、付いていかないワケにもいかず、シーヴァやへルートさんの苦笑いを加えて、俺たちは砦へと向かった。




 ☆




 そして、ちょっと懐かしい顔を見つける。



「おっ、あの時のちびっこ魔法使い」


「ええっと、あの時の槍のおじさん」


「ああ、あの時の槍のおじさんだ。あん時は助かったぜ」



 この周辺での討伐作戦で、細々と伝達や配置に気を配ってくれたのは彼だ。

 そういや、名前を聞いていなかった。



「エーリヒだ。一応はこの辺りの冒険者ギルドをまとめてる。今は砦の一画を借りて、防衛と周期的に巡回討伐をさせる隊の指南役とかやってるんだよ」


「あっ! 槍の名手、エーリヒ・クラップバットさん!」



 どうやらへルートさんは知ってるらしい。

 剣星さまも?

 結構な有名人だったんだ……。



「ほっほっ、こんな場所に居るとは知らなんだ。王都で腕を試してみないかの?」


「俺は剣星さまに覚えてもらうような腕でもねぇ。しがないギルド長が似合いですよ」



 そういや、装備品は大してスゴイ感じもないのに、槍はでかくてピカピカだった。


 そして一番魔物を倒していた。

 間合いの取り方が上手いのだろうか。

 たぶんそんなことだけじゃないのだろうけれど。



「さて、俺の隊は今夜から南下して第二侵源地ビゼに向かう」


「ほう、気を付けてな」


「頑張ってくださいっ」


「あの()()の人物らしき目撃談もある。そっちも気を付けてな」



 気のいいおっちゃん、エーリヒさんはそう言い手を振って行った。


 確かに、気を付けないと…… 黒幕の潜むと思われるアーマト行きは、一部分の人間しか知らない。

 バルファロスからの助言を確かめに行くなんて、そうそう公表できる内容じゃないからな。



「やはり、すぐにでも第一侵源地へ……」


「タズマ様っ、晩餐では何をお望みですかっ、お肉にお魚、珍しい果物などもありますよっ♡」



 ぐぁ…… メリムお嬢様は、どうにも離してくれそうになかった。

 晩餐会の間も、腕を掴んだままだったのでやや疲れた……。







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