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異世界転生したらペットたちが美人のモン娘になりました  作者: 爆微風


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第二十一話 新たな町ができるかな




 布告とは国からの『指示や通達』。


 それによって『子爵に取り立ててやっからアレヤ卿、町造りガンバ』と言ってきたワケだ。



「統治権限と大規模整備、及び建築物運用権限を与え、我が国の民のうち亜人種族を主とする住民にとって住み良い町を成すべし…… ですか。ムチャな」


「我が国だけで何万人いると思っているんだよ」



 アルー兄さんもロウ兄さんも激おこ。

 しかし、そうなるともう一人の兄弟に視線が集まった。



「や、でも、今までも流民を迎えているワケですから、我が家の行動としては、変わらないのでは……」



 まぁ当然、やらないわけにはいかないのだ。


 こんなところでも、上からの命令には逆らえない、中間管理職の悲哀を見るなんてね。



「タズマは乗り気で助かる。問題は、誰が担当になるか、だ」



 お父様が(やつ)れた顔で言う。

 布告には『アレヤ子爵家主体による新規居住区の開発』とあるため、初端(しょっぱな)から誰かが代理人となってそれを行うワケにはいかないのだ。



「お父様は元の仕事、俺たちの仕事の責任者という立場に加えて、叙勲式典への参加や東の国での工事に関する打ち合わせに参加せねばならない。俺たちに振り分けた仕事はそのままになるな」


「それじゃ、まだ勉強はできな……」


「理解しなくてはいけない」


「う、うん。アルー兄さん」


「ロウもいいな、一緒にガンバろう」


「分かったよ。ちえ、結婚が遠退(とおの)いた」



 ボソッとこの場面で言うかそれ、とも思ったが…… 魔法を学びたい俺への死刑宣告だ。



「そして。兄弟の中で、仕事がほぼ片付いているのは?」


「え」


「あー、タズマだな」


「は?」


「じゃあ、町の建設事業者としてはタズマの名前を」


「そうか。タズマ、すまんな」



 ちょ、待てよ、いや待って。



「そりゃあ大工を派遣して、ほどほどの期間空けて道路整備と地図作成へ掛かるだけで、僕自身は何もしてませんが…… でも……」



 慌てて責任逃れをしようとして、しかしお父様が頭を撫でながら見つめてきた。



「タズマ、その『優先順位』を付けられる管理能力、お前が適任だと私も思う」


「お父様、私もタズマには才能があると断言します。とはいえ、まだ見た目は子供…… 過剰な期待はしないよう、皆で支えて行きたいと思います」


「アルー兄さん」


「皆で協力体制作るんだろ。ガンバローぜ」


「ロウ兄さんも……」



 どんな苦難が待っているのか分からないけれど、今までの経験…… 前世も、今世も、全てを活用していけば何とかなるだろう。

 ただ、新たな試みは不安ばかりだけど。



「うん、みんなでがんばろ」



 支えてくれる、家族と仲間が居るから。



「よし。じゃあ、あとは場所だな」



 俺が今まで交渉し、地図に載せていいという部族は位置を記載して、しかし有事の際であろうと国にも見せない『集落分布図』を広げ、新たな都市計画がスタートしようとしていた。




 ☆




 というかそもそも、何でお姫様がそんな指示をしたのだろう。



「お姫様は、伝説だと亜人種族との混血なのよ。だから、亜人のことは家族も同然と思っているみたい。なのに、自分の言葉が原因で苦しめられてるヒトがいるのが耐えられないって」


「へえ、それは何か、親しみを感じる」


「謁見のあと、お茶に呼ばれてね。慣れぬ言葉は使わず、気楽に語るように、って話されて。えへ、お友達って言われちゃった」


「は、はぁっ、スゴイじゃん、もう将来、宮廷勤め決定だよ」



 お姫様レベルで高貴な人の『友人』なら、親衛隊や家臣が放っておかないだろう。

 まあそのお茶会の場面は、無学な俺には想像もつかないが。



「よく分かんないけど、その後が大変で…… どこの貴族様だか覚えてないけど、ドレスとか、アクセサリーとか、なんかいっぱいもらってて。お見合いを十件くらいかな、申し込まれたのよ」


「なるほど『ゴージャス』な感じだね…… お疲れ様」



 気疲れしたのだろうが、姉はいい関係を築けたみたいだ。

 あとは美しい仕草や美しい言葉使いを身に付ければ、お姫様の従者でも、お茶会の側近でもなれるだろう。



「とにかく休みたいわぁ。あとは、お兄様たちで決めてよね」


「ああ、ゆっくりお休み」


「後で仕事はあるけどな」


「うるさいわね」



 新たな部屋を案内されつつ立ち去ろうとする姉に、ロウ兄さんだけが突っ込む。

 と、姉からの反撃は俺に飛んできた。



「新しい町の『代表者タズマ様』に、()()よ。担当の役人は、明日来るらしいから」


「明日ッ!?」



 えー、そんなに焦らなくてもいいのに。

 ……と考えるこちらの都合は、知らないッスよね。



「さて、タズマ」


「なっ、なあにお父様」


「オマエには前世の記憶があるんだよな? こんなことになってから頼るのは心苦しいんだが」


「うん、でも、何かに役立てられるなら……」



 前世のことを持ち出してくるのは珍しいけど、なんだろう。


 いつも一番若いからってお下がりを渡されたり、小さいからってコートンさんの目の前からずらされて食事してるのにな。



「様々な経験が多いのを見込んで、聞きたい。多種多様な種族が共生しやすい都市の形に、心当たりはないだろうか? 何にしろ、初期から数千人の亜人種族が住む町を作らなくちゃならないんだ」



 あ~。

 なるほど、地域別の、それぞれの種族に対応しての町は既存のモノを参考にできるけど、今回の『雛型』はないのか。



「都市の、形」


「ああ…… どうかな?」


「うん、思い出してみる。ただ、どんな人が住むのかだけ教えて」



 そうして、国からのムチャ振りは、俺たちの日常を崩していく。


 だがとても大切で、需要がある(望まれる)のだから供給し(応え)ないとね。





ご覧いただきましてありがとうございます。

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