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妄想論

定番という未知と既知のバランス調整

作者: とびうお君

 「なろうで読んでもらうのに大事なのは興味と既知感、受けるのに大事なのは爽快感」ずっと頭に引っ掛かってるけど、水源さんのこのエッセイ本当に扱いにくいな。水源さんがすごいこと言ってると言うより、これ何気なく書いてるけど矛盾なんだよな…。


 興味は未知に対して生じるが、知ってるものだから興味がわくってのもある。これが問題なんだ。既知感は後者に限定しようと付け加えられたものだと思う。だが実際は根底には未知が切り離せない。ごちゃごちゃした矛盾を解決しようとして爽快感がある。


 でも未知と既知の矛盾に切り込まないといけない問題がある。


 多くの流行のプロセスは、刺激飽きた、そして新たな刺激の誕生による繰り返される刺激の洗練と最後に飽きた。こうやって循環していく。これが基本パターン。ただTVドラマのラインナップなどを見てるとおかしな点がある。特定のジャンル(医療、警察、「過去はこれに時代劇」)が多すぎるのと、さらに1つの作品がシリーズ化して長期化するケースが多々ある。特に特定のジャンルの長期シリーズが多いので、さらに変化が少なく見える。


 もうわかるだろう。なろうの現象はジャンルが違うだけで全く同じだという事。なろうはマイナーであるが、ある意味現象としては多数派によく起こる現象を示している。なろうを読み解くことは大衆社会の集団行動原理を解き明かす事にもつながっている。じゃ何故なろうは特殊なのか?というとネット小説全体がファンタジー色があるから。


 その中で古典的なダークファンタジーは衰退傾向にあるって点。そこがなろうの異質な部分で根本的にはファンタジー世界観の異常な偏り以外はとてもメジャーな現象と似ていると私は見ている。起伏がないのもあるけど、そこはダークファンタジーの衰退傾向にかぶってる。因果を解き明かすのが難しいからわざとそっちに押し込めてる。


 本来創作のパターンによると入れ替わるのが当然に見えるのだが、これがまともに機能してるのはアニメのBDの売れ筋ぐらいなものになる。この点は私と水源さんで一致してるが、創作に対する対価を金とするとその値段の違いは性質が違うって点になる。安価な創作ほど人気に変化がなく定番が人気作を埋め尽くすことになりやすい。


 何故TVドラマとなろうがよく似てるか?はこれでわかるだろう。両社とも作ってる人は無料(なろうの場合は作者の生活費)じゃないが、読む人は無料だという点。だからTVドラマとなろうはその性質が出やすい安い基準での多分最高点になる。ああ実はこの下がある。逆に作る側がお金を払うケース。


 そんなのおかしいだろ?まあだから基本的にはない。ただ有名な人に評価してもらって宣伝してもらうためにお金出してみてもらうはあるかもしれないから集団としては想像上の産物でもそういうケースはありえなくはない。


 TVドラマはこの問題を扱うのに不適切だと思う。なろうが持ってるものがうまく表現できない。なぜなら作る立場が違いすぎるからになる。創る側のコストが高すぎるからになるのと限られたシェアに入り込むってのが問題。TVドラマは枠に入る数しか作られない。創られなければ当然いろんな多様性は当然下がるから。TVドラマは本来あるべき性質が供給側の都合で出てない可能性がある。


 それは何か?というと、なろうは小さな変化に流行がある。なろう読者は変化を求めてないわけじゃない。矛盾に切り込もうとせずになろう読者は特殊層だと片づけるのは間違いだし、逆にこっちが多数派なのはTVドラマからすぐわかる。なんでもかんでも宣伝で片づける馬鹿はこれが分かってない。


 確かに知られてなければ絶対に触れられない。だがそれだけじゃないだろう?って性質がやはりあるんだ。なんでもかんでもステマを連呼するしかできない疑心暗鬼馬鹿にはようはない。それはあるかもしれないが、基本的性質も知らずに定型文を読み上げるだけの馬鹿はBOTと変わりがない。


 おそらく答えはトレードオフだと見ている。変化を求めてるけど、同時にそうじゃない部分があって、メリットデメリットの総合的な判断から矛盾めいた答えを導き出してると思う。


 変化はすぐ読み取れる。いずれくる小進化の停滞もある程度受け入れる可能性すらある。飽きる新奇刺激の流行のプロセスで見てる人は、危機感をあおるだろう。だが私はそう見てないんだ。


 テンプレートといわれるものにそった作り方としてプログラムピクチャーという新人の手習いのための作品群がある。だからこれは正規に過去からあった作り方でなろうに特有なものじゃない。しかも稚拙な技量の持ち主が創るものとしてもほぼ意味合いが同じだと思う。こういったものは、テンプレ自体も全く同じじゃないし、細部も全く違う。


 大きな流れで小進化してなくても、それは定型パターンがないだけで、違う作品群になる。大筋の定型パターンは良く似てるだけで、だからって同じものは一つもない。だから定型パターン自体の小進化がなくても単純に衰退が決定すると私は見てないんだ。何度も書いてるが、本当の衰退は新奇が入ってこない世代交代にあると書いてる。


 私は医者みたいなものとして、誤った症状の判断で誤った療法で対応してはいけないとずっと書いてる。療法はいつも書いてるから、今は症状についてもっと深く理解しなくれはいけないと書いてる。これは流行のプロセスの問題ではない。流行のプロセスが問題になる人たちが多数派じゃないからだ。


 だが本当にそうなのか?を検証するため既知と未知がキーだとみて書いている。変化を求めているのはすぐわかると思うし、TV番組がそうならないのは供給側の勝手な都合で需要側の性質じゃないとは書いた。本質的にはファンタジーという好みの偏り以外はなろうとほぼ変わらないとみていい。


 その時点で多数派じゃないので矛盾だらけなのだが、他のジャンルを見ても良く似た性質を示すため、ジャンルに対する好みの偏り以外は似た性質になると見ている。そもそもTVドラマもそのジャンルが偏ってると私は見てるのだが。


 本当のややこしさは変化を求めてると同時にそうじゃない部分にある。私はそれを選択にあると見ている。隠れたファクターとして、見た後の失望が隠れてるのじゃないか?と見ている。絶対ではないが、知らない人の中で知人にあうようなものじゃないか?と思う。ただし、そこで旅行に来てだとどうか?となる。


 未知と既知の矛盾というのは、リフレッシュ的な普段の生活からの変化が旅行にはあると思うが、ここで逆に知らないことに対する不安もあるとする。このマイナスの感情があるとき限定なら知人の存在はありがたいのじゃないか?と見ている。もちろん、その知らないことの不安も含めた怖いものみたさのような人もいると思うが多分それは少数派だろう。


 何らかの未知に対するマイナス感情があると矛盾する既知も単純には矛盾しないと見ている。それが選択の失望だと見ている。多数派が同じ選択をするのには理由がある。保守的な心理というのは基本多数派になる。多数派は保守的だと言える。直結すると多数派が定番作品を人気に押し上げるのは保守的行動の1つであると言える。


 それじゃ相関関係だけで因果が分からないじゃないか?なのだが、正直言えばすっきりは分からないんだ。選択の失望であるていどはかける。失望したくないからある程度失望しないと知ってるものを選ぶんだ。そのくせ根底には未知に期待しているんだ。リスクとプロフィットのトレードオフでリスクを重視してるだけにすぎない。


 最初から好みが偏ってると言うのがそもそもおかしいんだ。ジャンルというものがそもそもテンプレートのにおいがするんだ。


 未知と既知できれいに分かれる集団などない。このトレードオフを計算した判断の結果が大雑把に分かれてるだけにすぎない。だから切り込むべきはこの選択の失望というリスクにあるとずっと書いている。だが多くの作家は自分の作品が作り出すプロフィットに寄ってしまっている。そしてなろうに批判的な読者たちもそうだ。


 彼らからまともな意見が出てこないのは重視する点がずれてるんだ。私が読みたいものはリスクに最大限の注意を払ってほしいんだ。安心させるジャンルを作り出す事こそがなろうの今の問題を解決する最短ルートだと私は見ていて、これは最短であるが、すぐに解決するような問題じゃない。急がば回れ。


 今あるファンタジーを流行のプロセスの理屈に従って改良としようとしても多分うまくいかない。何故ならそれを提案する人が揃いもそろって失望リスクへの嫌悪感じゃなくて、俺たちの好む作品は素晴らしい(プロフィット)と酔っぱらってるからだ。


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