兄とみそ汁
「余計なことはしなくていい。」
父からお達しがあった。
姉の料理に「うまい」も「まずい」も言わず、黙々と食べた父。
どっちの意味なんだろう……。
危ないから勝手に料理するなってことなのか?
おかずに対する苦言なのか?
もしかして両方なのか???
父の言う事は、よく分からない……。
*****
その日の夕飯は、ご飯、漬け物、缶詰めの予定だ。
父の「余計な…」のお達しがあるからだ。
だが……。
「みそ汁くらい。俺作るよ。」
…………ナンダ??
ナニカキコエタヨウナ……?
…………キノセイカ……。
「調理実習まじめにやってるし。」
ワタシハナニモキコエナイ……。
「姉ちゃんよりいけると思う。」
キコ………………うるせぇ!!!!
何なんだ一体!!??
余計なことすんなって言われたべ!!!!
「……どうしたの?」
「みそ汁が飲みたいんだよ。昨日のいつもと違かったし。」
なんだ。
さんざん文句を言っているにもかかわらず、みそ汁はお袋の味ってか??
「包丁は使わないから大丈夫だ。」
何が大丈夫なんだろう…。
あ~やめよう。考えるのやめよう。
「そっか~~。火の元、気を付けてね~~。」
と~き~のな~~が~れ~に身~を~ま~かせ~~~。
頭の中にワンフレーズだけ流れたのだった。
*****
私は兄の様子をリビングから見守った。(見える位置にいます。)
水を沸かした後、乾燥わかめを入れ、麩を入れ……。
(なるほど。麩ならば包丁は使わないな。)
母の定番具材をチョイスした兄。
それだけで味が違うものだろうか……??
味噌の量は―――大丈夫なようだ。
多少少ない感じはするが……まぁいいだろう。
それにしても、兄弟でこんなにも違うんだな。
味噌の入れ方。
私の心のつぶやきが忙しないとき、
「C~~~。味みてくれ~~。」
「ほいほい~~。」
兄に呼ばれた。
兄は味見皿に、みそ汁を一口わけた。
私はそれを受け取り、すすった。
(ん??)
「どうだ~?」
(んんん……????)
私は驚いた。
味みてくれって……味みてくれってさぁ……。ふぅ。
自分がまず、味みろよ!!!!!
私は兄をじとっと見た。
「出汁が入ってない。」
兄はしまった!と言う表情をした。「忘れてた~。」と言っていそいそと出汁を鍋に投入。その後、自分で味を見る。
「うんうん。こんなもんだな。」
私はもう一度味を見た。
(…………。)
「昨日と同じじゃね??」と言葉が出かかり、手で口を押えた。
「うん。おいしい。」
私の一言で、兄はホッとしたようだった。
はじめにデカい事を言ってはいけない。
私はそう思った―――――――。
*****
仕事から帰ってきた父。
作ってあった味噌汁に対し、特に何も言わなかった。
だがポツリと一言。
「母さんのみそ汁が飲みたい。」
…………。
そう言うことは本人に言いなさいよ。
全くうちの家族ときたら……素直じゃないんだから……。
…………でもね。
……でもね。
うちのみそ汁。
具材を切るのは母だけど……。
味整えてるの、私だかんね?????
あ~~~大変な2日間だった。
母さん早く帰ってきて~~~~。
読んで下さりありがとうございますm(__)m
次回。ようやく高校編です。
またどうぞ、よろしくお願いいたします。




