プロローグだとさ。
見切り発車ですが、
どうぞお付き合いください。
最近はやることがなくなってしまった。神々の大戦も僕の圧勝で終わったし侵略者どもも無へと返した。仲が良かった神友たちはみんな若い世代に託して隠居暮らし。
僕もそろそろ潮時なのかな、そう思ったのが吉日。少し前から手塩をかけていた従順な後輩に後のことを任せ、僕は古くから見てきた世界に降りることにした。それからしばらくは情報収集のためにある時は冒険者、またある時は商人と様々な職業・地位・身分・立ち位置・境遇などロールプレイのようなものをしていたが、最終的に山奥の田舎暮らしに落ち着いた。現世での設定は元冒険者だったがとある事情で引退、その後山奥で田舎暮らし中に近くの魔物に襲われた廃村で生き残っていた赤ん坊を育て、今に至る。
娘は時々来る旅人や冒険者の話や僕の創作物語などの影響により山の外の世界に憧れていたらしく、小さい頃から『冒険者になりたい』とか『大きくなったらこの山を出て、世界中を見て回りたい』とか寂しいことを言っていた。......まぁ、確かにこの山周辺には人は住んでいないから僕と眷属以外に知る者はいない。したがって、同年代の友達など存在しない。また、基本的に山から出ず自給自足の生活をしているがその辺の上級貴族よりもいい生活をしているため、娘のような育ち盛りの子供には少し退屈な生活だったかもしれない。その中でも週に数回だが街にモノを売り買いしに行ったり遊びに行ったりしているのが、日々の楽しみだったらしいが。_______ちなみに週に数回ほど行く街だが、普通に歩いて行こうとすると早くても数ヶ月ほどかかるため移動時間短縮のために時空間操作など魔法を使っている。
閑話休題。
さて、話を戻すが娘はまだ幼い。そんな娘に危ない世界にいきなり飛び出たら、間違いなく早死にするだろう。そんなわけで六歳になるまではきちんと家の手伝いをすること、それができたら十七歳になるまで鍛えてあげることにした。冒険者登録できる年齢は十六歳からだが仕上げをするためにも一年程度遅くてもなんら問題ないだろう。まずは農作業や狩りなどからやらせてみるか♪足腰を鍛えつつ生き物を殺すことへの忌避感なども減らしておかないと召喚されたての勇者のようになってしまうからね。まぁ時間なら大いにあるわけだし、気長に試すとしよう。