続、ヴァルキリーファミリー
サージェント・オンラインは、3つの大きな都市からなる大陸が、ファンタジー物のVRMMORPGである。
レイア率いるヴァルキリーファミリーのギルド本部は、その3つのうちの1つ海遊都市ウルムにあった。
「ただいまー」
ムムは、間の抜けた感じにギルドの入り口のドアを開け中に入った。
「あら、おかえりなさい、マスターにムムちゃん、茶々にウルも、クエストの首尾はどうだったの?」
この優しげな女性はリザ、ギルドのマネージャー的存在である。
「っへ、楽勝だったぜ!」
「そうですね、マスターが付いててくれましたから、危なげなくクリアです♪」
茶々と、ウルがそう答える。
「もー、そんなこと言って、またマスターに迷惑かけたんじゃないの?」
「いや、3人とも随分と強くなってましたから、本当に楽だったわ」と、レイアは答えるがリザは、少し呆れ気味でいた。
「それならいいんだけど、マスターは優しいから・・・」
そんな話をしている間に他のメンバーたちもギルドに続々と帰ってきた。
ヴァルキリーファミリーは、総勢で10名と少人数のギルドではあるが、ゲーム内ではそこそこに名の知れたギルドであった。ゲーム内でも屈指の戦力を誇る大剣使いのウル、それに引けを取らない戦斧使いの茶々、それを支援し敵の弱点属性を的確に攻める魔法使いのムム、ギルドに残っていたリザもしばらく戦闘には参加していないが、それでもトップクラスのプレイヤーでありギルドの創設時からいるプレイヤーだ。そもそもプレイヤーが女性だけと言うだけでも珍しいので、目立たない方がおかしいのである。
しかしこのギルドのマスター、レイアには秘密があった。