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異世界アラサー転移者の冒険  作者: モッチ~
第4章 迷宮都市ガリアム編
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第59話 屋敷の謎とお風呂

遅くなってしまったが食堂にて夕食を摂る。

ナナの手料理はアポ村で食べた以来だ。美味しかったがあの時は食材が乏しかった。だがこれからは買い物で食材も手に入るし、楽しみで仕方がない。


「おっ!シチューか、旨そうだな。」

「シチューはお母さんの得意料理なんだよ。」

「それじゃあ旨くない訳ないな、頂きます。」


シチューが入っている器を手に取りスプーンで口へ運ぶ。ちゃんと食器類も買ってきたようだ。肝心の味は勿論旨い。

ただこのシチューに入っている肉が気になる。


「旨いよナナ、この肉はもしかして・・・」

「はい、オークの肉です。」

「やっぱり。」

「お嫌いな味でしたか?」

「いや、そういう訳じゃないんだ。」


前にオークって二足歩行するイノシシみたいなモンスターかとナナに尋ねたらそうだと言っていた。

その時、ナナに言っても伝わらないだろうと思って言わなかったのだが、もう一つ俺の頭の中にオークのイメージがあった。

それはエロゲー等に出てくる美女を凌辱する豚の化け物だ。実はそのイメージの方が強くてオークの肉に抵抗がある。見た目は普通の肉だし、味も良いんだけどね。

でもナナに聞いたオークのイメージが二足歩行のイノシシならそれが正解なのだろう。美女を凌辱する豚の化け物イメージは考えないよう努力しようと思う。


食事をしながら今日の報告会を行った。

まず俺から迷宮入口で会ったエドワード達の事、迷宮で試して取得した技能の事、ギルドでランクアップした事、詳細は伏せたが娼婦の館に行った事。

2人ともすごい!とただただ驚いていた。

次にあんずが話し始めた。


「今日はお母さんの手伝いをして空いた時間に斧を使う練習をしたんだよ。」

「上手くなったのか?」

「それは迷宮でのお楽しみって事で。」


あんずと喋ってるとやっぱり子供なんだなといつも思う。身体つきは全然子供っぽくないんだけどね。

最後にナナからの報告。買い物で何を買ったとか、屋敷を掃除した等だ。掃除ついでに屋敷を調べたが特に変わった事はなかったそうだ。


「そういえば鍵職人は来たのか?」

「ええ、あの後すぐに来ました。」

「で?どうだったの?」

「結論から申しますと開きませんでした。」

「どうして?」

「どうやら魔法が掛かっているようです。」

「どういう事?」

「つまり物理的な鍵の施錠ではなく、魔法による施錠がされてるという事です。」

「つまり魔法じゃないと開かないと?」

「鍵職人が言ってたのですが、おそらく魔法を掛けた本人じゃないと開かないだろうと。しかも扉には隠匿魔法が掛かっていました。」

「隠匿魔法?」

「最初、鍵職人を扉まで案内したのですが、何処に扉があるんだ?と言われまして。扉を認識できなかったようです。その後強引に扉を触らせたら気付きました。」

「でも俺達は最初から扉に気付いてたよな?」

「これは私の推測ですが、おそらく亮助様が異世界人だから、もしくは他の人にない特殊な力を持っているからではないでしょうか。私達は亮助様の奴隷でその力の恩恵を頂いてるので扉を認識できたのではないかと。」


幽霊騒ぎといい、鍵の掛かった部屋といい、この屋敷は不思議だらけだ。

ナナもこの不思議な状況には困惑しているようだった。

でも俺がモーリスの店を訪ねた時、鍵の掛かった部屋があった記憶がないって言ってた訳が判明して良かった。

使えない部屋があるんならもっと安くしてくれよってクレーム付けに行くところだった。

亮助はクレーマーだなんて話が広まったらたまったもんじゃない。心の中でモーリスに謝っておいた。

それはそうと魔法による施錠をするなんてアイゼンシュタッドはよっぽど大切な物をその部屋に隠しているのだろうか?

待てよ?今俺の頭の中で点と点が線で繋がった。

アイゼンシュタッドが何か隠しているであろう魔法の施錠がされた部屋、その部屋に隠匿魔法をかけ存在を隠す、更に人を近づけないようにするため幽霊騒ぎを起こして人払いする。

俺は、この状況はアイゼンシュタッドが部屋にある何かを人に見つからないようにする為に仕組んだんじゃないかと考えた。

そして彼の生死についてはどちらとも可能性がある事。そのまま屋敷に住む事ができない、身を隠さなければいけない理由が何かあった、もしくは死んでもなお魔法の効力が保たれている、のどちらかだろう。

何とか部屋を開ける方法はないものか。


「本人以外に開ける方法はないのかな?」

「あるとすれば掛けられている魔法よりも強い力を加える事でしょうか。でもリスクが高いです。もしかしたら屋敷が倒壊という可能性もありますから。」


う~ん。倒壊とか困る。

現時点で施錠された部屋にある物が屋敷より価値のある物かどうか分からない。

屋敷をぶっ壊してまで開けた結果、隠されていたのはアイゼンシュタッドの【エロ本&大人の玩具コレクション】でした、なんてオチになったらたまらんからな。


「それはまずいな。とりあえず鍵の掛かった部屋は今すぐ必要な訳じゃないからそのままにしておこう。」

「かしこまりました。それがよろしいかと思います。」


食事を終え、もう寝ようかなと思っていると、


「亮助様、一緒にお風呂に入ろうよ。」


あんずがそう言って誘ってきた。


「いやいやいや、それはまずいだろ。」

「何がまずいの?」


あんずは男と風呂に入る事に抵抗がないのか?それとも相手が俺だからか?どっちにしろあんずと一緒に入るのは危険だ。

13歳の子供と入るだけだと言えば聞こえはいいが、問題なのはそのナイスボディ。そんなたまらん胸を生で見せられて思わず反応をしてしまったらお終いだ。

2人の事だからそんな簡単に嫌われる事はないと思うが、万が一2人から軽蔑の目で見られるような事があったらショックで立ち直れるか分からない。

何だかんだで2人の事は色んな意味で好きだし大切なんだと思った。


「そういえば風呂はどうやって入れたんだ?水道があるのか?どうやってお湯を沸かしたんだ?」

「水の魔鉱石が取り付けられた水道があり、それで汲みました。お湯は魔法フレイムを使って水を沸かしたんです。」


ナナが淡々と説明する。


「フレイムか。結構大変だっただろ?」

「あんずと2人でやったのでそうでもありません。MP消費もそう多くなかったですし。最大MPの半分くらいです。」

「とにかくありがとな。早速入らせてもらうよ。」


脱衣所に入り服を脱ぐ。当然のようにあんずが付いてきて同じく服を脱ぎ始めた。


「あんず、一緒に風呂に入るのは決定事項なのか?」

「そうだよ。」


普通に返事された。決定事項のようです。

その後すぐにあんずを追うようにナナが入ってきて服を脱ぎ始めた。


「ナナ、お前も一緒に入るのか?」

「勿論です。湯船大きいので余裕ですよ。」


あんずが服を脱いだ時点でナナを断る事は出来なかった。

観念して一緒に入る。反応しないように何か違う事を考えながら。

それを察したのかナナが俺に、


「我慢しなくても私はいつでもOKですよ。」


とお尻を振りながら言ってきた。

子供が目の前にいるのに何言ってるんだ?ナナはあんずを15歳の時に生んでるんだし、そういう類の知識を知るのも早かっただろう。よってその手の話に精通しているのは分かる。しかしあまり安易に話されてもこちらが恥ずかしい。もしかしてこの世界はそういう類の話も普通の会話感覚なのだろうか?

元の世界であればこのような類の話をしたらすぐさま訴えられてしまうのに。


「亮助様、そんな突っ立ってないで入りましょう。」

「ああ、そうだな。」


こうして色々思う事もあったが、3人で仲良くお風呂に入りました。

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