第4話 無限倉庫
ステータスを見終えた俺は異世界物ラノベお約束の能力【無限倉庫】の確認をする。
「この異世界想定外もあるけど、お約束通りの事もあるんだな。異世界物ラノベ読んでて本当に良かったよ。元の世界のラノベ著者達に感謝しなきゃだな。」
俺は無意識の内に異世界物ラノベ著者に感謝の意を述べていた。
情報も確かに大事だが、今一番俺に必要な物は水と食料だ。
最初に所持品を確認している時は気にならなかったが取り乱して叫んだり、色々考えている内に喉が渇きお腹も減っていた。
俺は田舎出身で実家が農家で山を持っていたという事もあり、野草知識とかに詳しい方だが、こちらの世界の食材の知識について無知な俺には現段階での食材調達は困難だろう。元の世界と共通の物もあるかもしれないが、まったく同じ確証はない。水は探し回れば何とか見つかるかもしれないが安全に飲めるか分からないし、無計画に歩き周っての体力消耗は自殺行為だ。仮に食べられそうな食材を見つけたとしても本当に食べられるのか、毒の有無も分からない。
となると【無限倉庫】に水と食料が入ってなかったらかなりやばいぞ。
【無限倉庫】を使おうと意識を集中させる。アイコンを操作した時と同じ感覚だ。おそらくこの方法でいいはずだ。
すると、目の前の空間に黒い穴が出現し中身のリストが視界に現れた。
【無限倉庫】収納リスト
・無限水袋1つ
・携帯食料50食
・簡易キャンプセット1個
・世界地図1枚
・金貨10枚
・鉄の剣1本
・旅人のナイフ1本
・鉄の盾1個
・皮の鎧1個
・旅人のブーツ1個
・サンダル1個
・旅人のマント1個
・旅人の鞄1個
・HPポーション(小)30個
・MPポーション(小)30個
・解毒薬10個
・車1台
俺はリストを見て信じてもいない神様にありがとうと祈り、水と食料が手に入った事に感謝していた。
他にもアイテムや装備品、お金もあったので助かった。
おまけに地図まで入っている。ものすごく仕組まれた感があるが、いったい中身は誰が設定したのだろうか?まさか本当に神か?
1つだけ意外だったのは自分がいつも乗っていた愛車が【無限倉庫】に入ってた事だ。
「これって俺と車庫にあった車が異世界転移したって事だよな。あ~こんな事ならもっと車に色々な物を載せておくんだったなぁ。今更遅いけど。」
自分の所持品、【無限倉庫】のリストを見る限り、異世界転移したのは俺・俺が身に着けていた物・車だ。
もし車に何か便利な物を載せていたら・・・
そう考えると俺は少し後悔した。
そして携帯食料にかじりつき、無限水袋の水を勢いよく飲むのであった。