第22話 旅立ち
外が明るくなると共に目が覚めた。
体を起こそうと思ったら俺の両腕が動かず起き上がれない。
ふと腕に目をやると、昨日別々に寝たはずのナナとあんずが俺の両隣に寝ていた。
俺の腕をしっかりと掴み、胸を押し当てるよう密着して寝ている。
声をかけ2人を起こすと交互にキスされた。ええ、勿論口にですよ。
クソッ朝からどうなってんだ!?
「なっ何やってんだお前らは?まったく朝っぱらから・・・」
「ふふっおはようございます亮助様。」
「おはようございます亮助様。」
「は~~~・・・おはよう。準備したら出発するぞ。」
何を言っても無駄のような気がしたので反論はせず何も言わなかった。
起きた後、昨日買った武器や防具をを装備してみた。
3人共それなりの格好になった。
俺はいかにも冒険者っぽい雰囲気で、ナナは女戦士ってのが良い例えだ。鉄の胸当てが胸の形ピッタリで妙にエロい。装備品のサイズは自動調整されるとの事だったが、よくアニメとかで出てくる胸の部分がボコッてなってる鎧も自動調整されるようだ。なんとも不思議だが何故か納得できた。
あんずは色合いは地味だが、美少女アイドルみたいだ。とても可愛らしい。
出発の前にちゃんとキスの件を心の中で妻に謝っておくのを忘れていない。
準備を終えて家を出る。
2人とも長く住んだ家だ。少し名残惜しそうだ。
「さぁ2人とも行こう、新天地を求めて。」
ちょっとカッコいいかなと思って言ってみたが、やたらにくさいセリフなのき気付き後から恥ずかしさが込み上げてきた。
村の入口までくると行商人達はすでに次の村へ出発したようでいなかった。
ふと入口に目を向けると誰かが立っている。それは村長だった。
どうやら俺達を見送りに来たらしい。いや見納めになるナナの胸を見に来たんじゃないだろうか。
俺達はお辞儀だけして村を後にした。東方向へ向かって歩き出す。
村長はとても名残惜しそうにナナに視線を向けて手を振っていた。
俺の予想は当たっているのだろう。
「さて、この後のルートの確認をしておこうか。ナナ、何処から森を抜けるんだ?」
「このまま東へ進むと街道が見えてきます。街道沿いを進んで森を抜けましょう。」
「森を突っ切るのはダメなのか?」
「確実に死にますね。」
「どうして?」
「まず道に迷います。更に森の奥にはCランク以上の強力なモンスターが出ます。サイクロプスとかタイガーコング等がでるらしいです。」
「モンスターにランクがあるのか?」
「Sから始まってA~Fまでありますよ。ちなみに私を襲っていたジャイアントバットはFランクだよ、亮助様。」
あんずが得意げに教えてくれた。
「街道なら安全なのか?」
「モンスターがまったく出ない訳ではありませんが比較的モンスターのランクが低く、人の往来がありますので割と安心です。」
話を聞いて森を突っ切る案はなくなった。
素直に街道へ出てから森を抜けるとしよう。
こうして、アポ村を出た俺達3人の冒険の幕が開かれたのであった。
第1章終了しました。
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