第20話 買い物
行商人達が店を構えてる場所にやってきた。
まずは服や下着等の着替えからだな。
ナナとあんずが今着ている布の服は目の毒だ。上はノースリーブで下は膝上丈のスカート、その上ボロボロで生地が薄く、透けて見えそうだ。
先ほどの視線もそうだが、ここらにいる行商人達もチラチラと2人をいやらしい目で見ている。
気持ちが分からんでもないが、2人の主となった俺には気分のいいものではない。
2人にはとりあえず普段着を2着、部屋着を2着、下着を5枚ずつ選ばせた。
するとナナが申し訳なさそうに言ってきた。
「こんなに買っていただいていいのですか?」
「気にするな、これは命令だ。」
こういう時「命令」という言葉は便利だよな。2人とも奴隷なのだから多少困惑するが、何だかんだで納得してくれる。
ところで下着の事なのだが、ブラジャーが存在するのは聞いていたがパンティはどうなのだろうか?
まさかカボチャパンツみたいなのしかありません的な展開になるのか?と心配したが、ちゃんとしたパンティが存在した。良かった。
しかも尻尾用の穴が空いている物もある。なるほど、尻尾がある種族には嬉しいサービスだ。
下着を売っていたのが女性の行商人だったのでサイズも確認して貰ってブラジャーも購入させた。
身につける物は自動的にサイズ調整されるんじゃ?と思ったがナナによると、部屋着や普段着、下着等は装備品ではない為サイズを選ばないといけないそうだ。
俺の作業着と安全靴は装備だったのだが・・・部屋着でも普段着でもないという事か?
やはり何処の世界でも女性は買い物が好きなようだ。商品を選んでる時の2人はとても楽しそうだ。
ナナの下着を選んでる時の真剣さに若干引いてしまった事は秘密だ。そんなに真剣に選んで誰に見せつけるつもりなのか?
俺も普段着と部屋着を2着ずつ、下着はトランクスが売っていたのでそれを5枚買うことにした。
服を売っていた行商人と隣で下着を売っていた女性の行商人は夫婦だったようで、金額は
たくさん買ってくれたからサービスだよと合計銅貨10だった。
安かったのか分からなかったが、ナナが安くなりましたねと言っていたので安かったのだろう。
買った物は鞄にしまう仕草をして【無限倉庫】にしまった。
服屋から離れる時に行商人の旦那が妻に耳をつねられてるのが見えた。ナナの事をいやらしい目で見てたのがバレたようだ。
次に向かったのは装備品の店だ。
俺自身は装備に困っていないが、血の染みが付いた皮の鎧だけはなんとかしたい。
冒険者の軽鎧というのがあったので行商人に聞くと、革の鎧よりも軽く防御力も高い。値段は銀貨1枚だ。
ナナが妥当だと言ったので買うことにした。
ナナとあんずにも装備を自分で選ばせた。
やはり遠慮してきたので「戦えないと困る、命令だ」と言い聞かせた。
さて何がいいだろうか?
「武器は何がいい?」
「私は剣が使えます。」
「じゃあナナには俺と同じ鉄の剣と鉄の縦を買おう。」
「私は亮助様から貰った旅人のナイフがあるよ。」
「それは予備にして、このショートソードを買おう。」
「防具はどうする?」
「動きやすい方がいいと思います。」
ナナには鉄の胸当て、鉄のブーツ、鉄の小手を選んだ。
あんずには旅人のワンピース、皮のブーツ、皮の帽子を選んだ。
値段は俺のを含め合計銀貨10枚だと言われたが、ナナがお願いすると銀貨8枚にまけてくれた。
ナイスだ、ナナ!
買った物をしまい、次の店に向かった。
後は雑貨だ。
俺が欲しかったのは石鹸と歯ブラシだ。
商人に希望を伝えるとナナが話しかけてきた。
「よろしいのですか?石鹸は高価ですよ。」
値段を聞いてみると歯ブラシが鉄貨30枚に対して石鹸は銅貨20枚だった。宿に十日近く泊まれるじゃないか。
しかしこれは譲れない。買うことにした。
その他にもコップやら調理器具やら旅に必要になりそうな物を2人に選ばせて買った。
携帯食料も売っていたのであるだけ全部40食買った。
合計で銀貨1枚と銅貨74枚だった。
買った物を【無限倉庫】にしまい、家に戻ることにした。
あんずは買い物が余程嬉しかったのか、帰りはスキップになっていた。




