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異世界アラサー転移者の冒険  作者: モッチ~
第1章 異世界の母娘編
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第14話 誘惑

明かりを消して横になってから数分後、俺はとんでもない状況に陥っていた。

ある意味人生最大のピンチと言っても過言ではない。

その突然の出来事に俺は仰向けのまま動けないで固まっている。

俺の左腕を掴み、二の腕に胸を押し当てるようにしてナナさんがピッタリと密着しているのだから。しかもこの感触は裸・・・。

緊張している為セリフの棒読みの様になってしまったが、ナナさんに話しかけた。


「あの、ナナさんこれは一体どういう状況でしょうか?」

「勿論誘惑をしているんですよ。」


何と言う事だ!俺は誘惑されているらしい。

やばい!とてつもない破壊力の胸で誘惑に負けそうだ。

落ち着くんだ!おい!!【平常心】はどうなってんだ?

誘惑耐性技能とかないのだろうか?


「ダメです、いけません。俺には妻がいるんですから。」

「それは元の世界にでしょう?それにこちらの世界では一夫多妻制度や妻以外に愛人を持つのも珍しい事ではないんですよ。」


クソッ流石異世界だぜ。


「でもどうしてこんな事を?理由は何なんです?」

「1人の女としてあなたに好意を抱いた、というのも嘘ではありませんが、正直申し上げますと亮助様にお願い事があるのです。」

「とにかく離れてからちゃんと話を聞かせて下さい。」


何とかナナさんを引き離し体を起こした。

ランタンの明かりを弱めにして点けて、2人で向き合いながら話を聞く。


「2年前主人が亡くなり私も動けなくなってしまった、とお話ししましたね?」

「ええ、村がモンスターの襲撃にあったんですよね。」

「その後稼ぎはなくなり生活は一気に苦しくなりました。そしてとうとう借金をしてしまったんです。」

「いくらですか?」

「何回かに分けてですが、合計で銀貨30枚、利子が付いて今では金貨1枚になっています。」

「成程、それでお願いというのはお金の都合ですか?」

「いえ、そうではありません。」

「まさか借金取りを倒してくれとか・・・殺してくれとか言いませんよね?」

「違います。実は3日後が支払いの最終期限で払えなかった場合はあんずが奴隷として売られてしまうんです。」

「えぇ!もうすぐじゃないですか!!」

「ただ、私が回復したので考えが変わったんです。私は自分の身を奴隷として売り、借金を返済しようと思います。回復して歩けるようになった私ならある程度価値が上がってるはずです。亮助様にはその後の娘の面倒を亮助様にお願いしたいのです。」

「あんずは借金の事を知ってるのか?」

「もちろん知っています。あの子は強い子です。自分が売られると分かってるのに笑顔を絶やす事はありません。亮助様にもそんな素振り見せなかったのではないですか?」

「ああ、今この話を聞くまでそんな事知らなかったよ。」


ナナさんの話が急展開すぎて困惑した。

流石異世界、取得技能でなんとなく分かっていたが、やっぱり奴隷制度ってあるんだな。異世界物ラノベ通りでもお馴染みだ。

話を聞きながら俺は頭の中で色々な事を考えていた。

このままでは3日後にナナさんは奴隷になってしまう。

この世界の金貨1枚がどの程度の価値なのか分からないが、所持金は金貨10枚あるので借金を払うの可能だ。

俺もこの先どうしていいか分からない状況だし、いっその事借金を俺が返済して、ナナさんとあんずの2人を協力者として得るいい機会なのではと考えた。


ちなみに返済しないルートを選択して考えてみた。

あんずの代わりにナナさんが奴隷となって売られる。

村にはいられないのであんずと旅に出る。

なんかのきっかけで俺の所持金がバレる。

なんであの時母を助けてくれなかったのかと責められる。かと思ったら「仕方ないよね」って俺に言って、いたたまれなくなったあんずを見て俺が罪悪感で苦しむ。


ダメだ、返済しないルートはなしだ。

やはり俺はこの親子を助ける選択をする事にした。


ナナさんは訴えかけるような悲しそうな目でずっと俺を見ている。

俺は【無限倉庫】を開き、金貨1枚を取り出して無言でナナさんに渡した。

ランタンの明かりは弱めで薄暗い状態だったが、俺が渡したものが何なのかナナさんにはすぐ分かったようだ。


「こ、これは金貨ではないですか?」

「それで借金を返済できるでしょ?」

「頂けません!お返しできる確証もないですし、ご迷惑を掛けてしまいます。」

「返さなくてもいいんですよ。俺はあなた達を助けることにしました。」

「でもそれでは私が納得できません。」

「その代りと言っては何ですが、この世界で右も左も分からない俺にこれから先、可能ならずっと協力して欲しいんです。この条件でどうですか?」


ナナさんは少し間を置いて、涙腺が崩壊しそうになりながら答えた。


「分かりました。これから先娘共々よろしくお願いします。亮助様の優しさに甘えさせて頂きます。ありがとうございますぅ~~~。」


ナナさんはそのまま俺に飛びついて、俺の胸でわんわん泣いていた。

豊満な胸の感触がすごい。そういえばナナさん裸なんだった。

頑なにこんな大金いただけません、とか言って受け取らないとも思ったが最終的には受け取ってもらえて良かった。ナナさんはあんずと離れ離れになるより俺に協力して一緒にいた方が良いと判断したのだろう。たった2人の家族だもんな。

ナナさんを落ち着かせ、服を着させて改めて寝る事にした。


俺は寝る前に土下座をして心の中で妻に謝りまくっていた。

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